教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

セミの世界に見る温暖化の影響?~小学校4年の調査

2008年09月22日 | 学校の話題
○○小学校4年生は、理科の時間に学校内のセミの抜け殻を集め、どんな種類のセ
ミがいるのかを調べました。見つけることができたセミの種類は次のようなものです。クマゼミの数が、他を圧倒していることが分かります。

クマゼミ…589・アブラゼミ…240・ニイニイゼミ…1・ツクツクボウシ…1

もう45年ほど前のことです。私が小学生のころ市内で採れたセミの多くはニイニイゼミでした。次に多かったのはアブラゼミ。クマゼミは数が少なく、なかなか捕まえることができませんでした。ニイニイゼミは体長が4cm足らずの小型のセミで、桜の木の幹に似た模様のある羽を持ち、その抜け殻は泥だらけなので一目見て他の種類とは区別がつきます。1960年代までは一般的であったニイニイゼミは、1970年代以降急激に姿を減らしました。

ニイニイゼミの減少は、地球温暖化と都市の乾燥が影響しているのではないかと言われています。元々亜熱帯地方が生息地であったクマゼミは、1960年代までは主に九州地方で見られる種でした。それが1970年代には関西で、現在では神奈川県や東京都内でも見られるようになりました。(東北・北海道には今もいない)

そういえば小学生の頃、夏休みの宿題で書いた日記には、毎日の天気と気温を記入しなければならなかったのですが、午前10時に測った気温は27℃~28℃がほとんどで、30℃を超える日は少なかったと思います。更に水田は住宅地に、池は埋め立てられ学校や市民会館に、道路はコンクリート舗装され乾燥化も進んでいます。こういった環境の変化が、ニイニイゼミには住みにくく、クマゼミには繁殖しやすい条件になったように思えます。小さく可愛かったニイニイゼミは、どこにいったのでしょうか。