へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

オレオレ

2006-09-27 23:59:36 | へちま細太郎

はい、あたしリカちゃん。
たまには、あたしもおしゃべりしてみたいワン

今日、うちのおばあちゃんに、いわゆる“オレオレ詐欺”=“振り込め詐欺”の電話がかかってきた。とうとううちにもきたかって感じだけど、今回はかける相手を間違えたみたいだね。だって、あのおばあちゃんだよ~。引っかかるわけがない。
常日頃、おばあちゃんはこういいます。
「慌てない、深呼吸をする。相手の話をよく聞く。相手が嫌がるほどたくさん質問をして、矛盾点をつく。うだうだ言ったら、折り返し電話をかけるから番号を教えろという」
「ナンバーディスプレイだもん、わかっぺよ」
と、色の白い息子に突っ込まれたけど、
「ディスプレイが壊れてるって言うわよ。ウソつき相手にほんとのこと言ってどうする」
「参りましたm(_ _)m」
確かにそうだけど、誰にもできるわけじゃないよね。
で、どんな風にオレオレがおばあちゃんに弄ばれたかというと、以下聞いたままに書きますワン

以下、★がおばあちゃん。。。→が、オレオレ。。。( )は、あたし。

★はいは~い♪
→もしもし、おふくろ?
★あ?誰?
→オレオレ…
★オレオレなどという名前の息子はいないけど
→光一だよ。
★なんだ、おまえか…
→急いでいるから要件だけ言う。“しょう”が、学校で友達と喧嘩してけがをさせたらしい。

(バカよねえ、細太郎は、“翔”と書いて“かける”と読むのが、本名なのに)

★何だって? “しょう”?
→それで、病院で詳しい検査をするから、相手方の検査費用と入院費を払うから振り込んでくれないか?
★おまえ、ほんとに父親か?
→おろせる金がないんだからしょうがないだろ?保険きかないし、何とかしてくれよ~。孫のためだろう?担任の先生によれば、訴えてやるって言ってるらしいんだよ。頼むよ~。
★担任の先生ねぇ~(呆)
→なんだよっ。孫のために何にもしてやらねえのかよ。
★悪いけど、“しょう”はうちの孫じゃないから、金は出さないよ
→何言ってんだ、クソばばあ。てめぇの孫だろうがっ
★クソババアとな?
→悪かったよ、オレ、イラついちゃってさあ…。なあ、頼むよ。担任からもじゃんじゃん電話かかってくるし、金、出してくれよ~。
★担任ねぇ…(呆)、あの先生もいい年して、せっかちだねえ。
→そうなんだよ~、参っちゃうよなあ。“しょう”も担任がせっかちでは、かわいそうだよ。だからさあ…。

(こいつ、ほんとにバカだね。細太郎の担任は、親戚だっていうの)

★わかった、病院をまず言え、私が行って頭下げてこよう。
→あ、いや、俺が行くから…。
★訴えるって言ってるなら、警察沙汰だな。県警に電話しておくよ。
→あ、だから…。
★だって、そこからは遠いだろ?慌てて事故ったら、もっと金がかかる。おまえだって、剛の世話にはなりたくないだろ。
→剛…の、世話?
★そうだよ、保険屋は払いが悪いだろ?
→あ、あ、ああそうだよね。

(あの頼りない弟は、警視庁の准キャリだったよねえ)

★どうせなら、“しょう”とやらの友達の怪我も剛の世話になろう。
→え~と…。
★おまえもさ、そこからこっちまで来るのは、そうだな、2時間はかかるだろう?高速使うか?相手が激怒しているのなら、おまえも速攻で帰ってこないとマズイだろう?
一緒に頭下げにいってやるよ。
→だから…、そうじゃなくて、とりあえず、金振り込んでもらえれば、オレがまず病院に行くから。
★おまえが、ひとりで頭を下げる?できるのかあ?犬にもバカにされるおまえが?
→あ、ふかしてんじゃねぇぞ、こらぁ。
★なんだ?
→孫がどうなってもいいのかってんだよ
★どうする気だ。
→ああ?そういうこと言ってんじゃねえだろ金出せってんだよ。
★おまえ、バカだろ。
→ああ?
★うちに電話をかけてくるくらいだから、よほどの覚悟があって、かけてきたんだろ?
私のうわさきいてないのか?
→なんだと?
★知ってるからかけてきて、そんな口きいてんだろ。うちの次男がどこへ勤めているかも知っていて、かけてきているんだろ?
→保険屋のことなんか、しらねえよ。
★准キャリだよ、警視庁の…。
→なに?准キャリ?
★私は、婦警だ。

(元だろ、元)

→うそかましてんじゃねえ。
★警察官の家には、逆探知が取り付けられているって、おまえ、知らないだろ。

(おばあちゃん、うそつきすぎ)

→なに?
★長々しゃべらされて、バカだなあ。。。そろそろ、サイレン聞えてこないか?ほら、耳澄ませてみろ。
→あ、やべえ。。。つー・つー・つー・

そのあと、おばあちゃんの大爆笑しか聞えてきませんでした。
みなさんも、振り込め被害に遭わないように、気をつけてくださいね。