へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

のぶちゃん、鉢を割る

2006-05-31 21:14:45 | ひるまのもめごと

俺の名前は、ロナウジーニョ・けんいちろーだ。。。



で、20万円の蘭の花なんて、どうだっていい。俺は、大切な友人でもあるのぶちゃんの行方を聞きに来たんだ。
「確かに、20万円の蘭はたいしたことはない」
と、中島教授がこともなげに言った。
「このビニールハウスにある蘭は、値打ちものではないのだが、しかし、品種は最高のものだ。最高のものは、まずは100万円はくだらない」
100万円以上の蘭なんて、どんな感覚だ?
ここにある20万円「も」する蘭が、たいしたことはないだ?
「20万だなんて、俺の初任給と対してかわりないじゃないか」
色の白いヤツがぶつぶつと言っている。
「悪いが、扱いには気をつけてくれよ。肥料ひとつにしても、外には出せないんだからな」
「外には出せないって?」
聞き返すと、中島教授は鼻先で「ふん」と笑うと、
「お前は理科の教師のくせに何にもわからんのか。蘭というのは、その花を美しく咲かせるために、肥料を工夫しなくてはならない。この場合、他の愛好家たちをどれだけ出し抜くか、また、どんな肥料がよいのか、これは秘密にしておくものなんだ」
と、ピンセットを俺の鼻先に差し出してきた。
「俺、理科でも化け学が専門なんで・・・
と、後ずさりした。
「全く、近頃の教師も質がおちたもんだな。だから、貴重な蘭の鉢をぞんざいに扱って、割ってしまうんだ」
「割ったって?誰が?」
白いヤツが聞き返すと、
「あんたらがお探しの、間延びしたうどんだよ。全く、あだな通りのばか者だな」
と、ピンセットを振り回した。
「のぶちゃん
俺は、中島教授の右手をつかんで、ピンセットを振るのをやめさせた。
「ああ、そうだよ、全く、これだから、体育教師っていうのは・・・」
中島教授の偏見は後で追求することにして、やっとのぶちゃんの情報を聞き出すことができて、俺はほっとした。

って、ほっとしている場合じゃないんだけど、眠くなったので、続く。。。



らんららん♪

2006-05-30 00:00:05 | ひるまのもめごと
デンファレの花が、蘭科だってつい最近知った。君子蘭は、ユリ科の植物。
よし、覚えたぞ
俺は、これでも理科の先生
けんちゃん号で長閑な田園を散歩すると、気持ちいいぞ~。チャリの天敵は、ザリガニとカエルだ。

蘭は、例えると彼女のような花…と、白いヤツがぶつぶつ言っている。
なあにが蘭の花だ。捨てられたクセに。

中島教授は、蘭のビニールハウスの奥にうずくまるようにして、何やら作業をしていた。
むんっとした暑さの中で俺が目にしたものは、うす気味の悪い袋のついた白っぽいびらびらした、植木鉢に植えられた大量の花らしきものだった。
「何だあ、こりゃあ、き~もちわりぃなあ」
俺は顔を近づけて、袋を覗きこんだ。
「誰だあ、罰あたりなことをほざいているのはっ
声のした方を見ると、どこの農家のおっさんかと見間違えてしまう作業着姿の中島教授が、ピンセットを持った右手を振り回していた。
「馬鹿者パフィオは、れっきとした蘭だっ
「こ、これが蘭?」
蘭の花といえば、カトレアとかそんなものしか浮ばない俺は、思わず花をよく見ようと手を延ばしたとたん、
「触るんじゃあないっそれは10年前のコンクールで優勝した品種だ。株分けしたものとはいえ一鉢20万はする代物だ」
と、われがねのような声で怒鳴りつけてきた。
「げっこれが20万っ
俺は白いヤツと顔を見合わせて、また花を見下ろした。
「これが20万ねえ・・・」
袋を指ではじこうとして、再び教授にどやしつけられた。

あ、日付がかわるからつづく ・・・と思ったら、間に合わなかったので、書き直そうと思ったけど、やめた・・・。

てきとーだな、俺も・・・

孟宗学園大学

2006-05-27 22:09:56 | ひるまのもめごと
けんちゃん復活
指はまだ痛いけど、頑張って書くぞ。

藤川のバカが勝手なことを書きやがって・・・。
俺までヤンキーなナンパ男に見られてしまうじゃないが。

けっ

俺は色の白いヤツと一緒に、大学に向かった。
大学の規模は大したことはないが、この学園はもともとは男子の農学校・商業学校と女子の家庭学校がスタートだっただけに、園芸学部・商学部・家政学部をメインに文学部がついている。
敷地の大半を大学が占めており、山一つが園芸学部だ。
俺は大学の一番奥の園芸学部のビニールハウスに向かった。中島教授はたいていここにいる。先日、片山教授に中島教授がのぶちゃんを見かけた、と情報を聞き訪ねてきたわけだ。
建ち並ぶビニールハウスの一つを覗き、
「中島教授はいらっしゃいますかあ」
白いヤツが中に声をかけた。作業をしていた学生がひょいと顔を上げ、
「あ、近藤さん、しばらく見ないですけど、細太郎君は元気ですか?」
と、にこやかな笑みを向けた。
「元気だよ、たぶんね
と、白いヤツはひきつりながら応えた。まだ仲直りしてねえのか、コイツは…
「また遊びに連れてきてくださいね」
と、その学生は白いヤツの表情を気にする様子もなく、
「教授の学食のツケですか?先日、野菜を届けた時に払いましたよね」
と、帽子を取って汗を拭った。そういえば、じんわりと暑い。ビニールハウスだから仕方ないが、1日いたらたまらねえなあ。
「それは大丈夫。そうじゃなくて、別件。教授は?」
「今日は、蘭のハウスにいますけど」
俺と白いヤツは学生に礼を言って、蘭のハウスに向かう。
ちなみに、うちの園芸学部の野菜は無農薬栽培で、学食はすべてここの野菜を使用している。茶の栽培もしているから、常にうまいお茶が飲める。サラダも最高にうまい。パンやクッキーは、家政学部の手作りだ。
管理栄養士がきっちりと献立をたてているから、一人暮らしには恵まれた環境なんだな。
さて、中島教授はどこかな。
次回は、素晴らしい蘭を拝めるぞ~。

つづく…。

酔っ払っいだよ~

2006-05-26 23:46:51 | ひるまのもめごと

阪神が負けたのと、指が痛いので…おやすみ(ノ_・。)

まぢいてえ…。

あ~カラスだ。なんでカラスがあっ。。。
鳴いてる
鳴いてる
かあっ
かあっ
あ~、カラスが1匹、カラスが2匹…。

けんちゃん、うなされてるなあ★

子猫ちゃんたち、週末だよ。ヒマだったら僕と遊ばない?
あ?引っ込め?
うっせえんだよ。
全く、俺、出るたんびにこれだよ。

。。。

俺が藤川だあ

のぶちゃん、出てこいやあ

けんちゃんもこ~いっちゃんも、酔っ払って寝ちまった。

つまんないから、寝ようっと。。。


チャリどろぼーの言い訳

2006-05-25 11:32:09 | ひるまのもめごと

けんちゃんが職員室のドアに激突して、突き指した
と、そんなわけで、代わりに、はあい、僕の子猫ちゃんたち、藤川だよ~
みんな、お待たせして、ごめんね。

しかし、ドアに激突して突き指だなんて、どんなぶつかり方したんだ。。。
第一関節、腫れていないけど、痛みがあるんだと。で、パソコン打てないんだって。
見得はって湿布してないんだよ。。。
悪いけど、やっぱり男のケガは、喧嘩、それもタイマン。
これ以外になにがあるんだ?

・・・

あ、隣にいる匿名希望も意味の無い東山先生に叩かれた。。。

ケーキ屋ケンチャンどんどこ号(どんな名前だ・・・)を盗んだ犯人をぶちのめしちゃったので、タコ壺保健室に運び込んだ。
ものの見事に青タンを顔面に作り、鼻血を止めるために脱脂綿を鼻に突っ込まれたチャリどろぼーは、ここいらでは見かけたことがないが、俺にはかすかに見覚えがあった。

誰だっけ・・・こいつ・・・

「全く、何で俺様のチャリ盗んだわけ」
けんちゃんは、ベッドの脇に座ってどろぼーに声をかけた。
「悪いが、あれは有名チャリで、盗まれてもすぐ通報されて、速攻犯人確保、無事チャリは戻ってくる、というのが自慢なんだ」
「悪趣味なことでも有名なパン屋のけんちゃんどんじゃらほい号だし、それを盗むおまえも相当な悪趣味だぞ」
と、俺が付け足してやったら、けんちゃんに肘鉄を食らわされた。
どろぼーは、ふ~っと息を吐くと、
「盗んだんじゃありませんよ、頼まれたんですよ」
と、言うじゃないか。
俺はムカついたね。どこの世界に他人のチャリを勝手に乗って、
「頼まれた」
という言い訳があるか。んで、
「てめえ、吹かしてんじゃねぞ、こりゃあ。。。」
と、えりくびをつかんでもう一発殴ってやろうとしたら、止められた。

・・・

すんません、ほんと、すんません。。。

「誰に頼まれたの?」
匿名希望もへったくれもない東山先生が、青タンに氷を当てながらたずねると、
「背の高い、肩にからすをとまらせた男の人ですよ」
と、答えが返ってきた。
「か、からす~?」

なあんだそりゃ。。。

おっと、授業だ。
次は、えーと、3の2のリーディングだ

またね、子猫ちゃんたち。。。愛してるよ~





チャリどろぼー

2006-05-22 22:42:18 | ひるまのもめごと

がんばれニッポン、俺がついてる
俺の名前はけんちゃんだ。

。。。

続けて片山教授は、
「くそまじめな男だけに、いったん道がはずれるとああもなるもんかねえ」
と、つぶやいた。
「どういうこと?」
俺は、聞き返したが、片山教授はむふふと笑いを返すだけだった。
俺が保健室の外に出たとたん、中から凄まじい関西弁と栃木訛りの応酬が聞こえてきた。片山教授は栃木県出身である。ガッツ石松ばりの栃木訛りは、普段は隠していて、気取った標準語を使っている。
俺の耳には意味不明なお国言葉は、当人同士も意味不明でお互いけんかにもなってないんじゃないかと、俺は呆れた。
「どうする?今から、中島教授のところへ行く?」
色の白いヤツが、ヤツの愛車の真っ赤なferrari 248 f1にまたがりながら声をかけてきた。全く、なあにがferrari 248 f1だ。ただのママチャリじゃねえか。
悪いが俺のけんちゃん号の方が数段かっこいい。
だいたい、盗まれるだけの価値があるか?盗まれても戻ってくるか?この町の住民のほとんどが、俺の愛車の存在を知っている。
勝ったね
俺は、目の前を俺のチャリが通り過ぎていくのを、ぼんやりと眺める。
「いい眺めだ」



何で俺のチャリがっ
乗っているのは、学園内では見かけない人物だ。
「あ、チャリどろぼー
俺は叫んだ。白いヤツも驚いて振り返った。
チャリどろぼーは、ぎょっとして猛然とチャリをダッシュさせて逃亡を図った。
「待てえっ
白いがチャリで追いかけ、俺も走った。
と、その時、チャリどろぼーに横から跳び蹴りをかましたジャージ姿の男がいた。チャリどろぼーは、チャリごとひっくり返ったあげく、跳び蹴りをかましたジャージ男にぶちのめされていた。
こんなことをするのは、学園内ではこの男しかいない。
「藤川~」
サッカー部の青ジャージを着て、さっそうとVサインをこちらに見せている。
チャリどろぼーは、鼻血を出してのびていた。
「あ~あ、やっちゃった

知らねえぞ~

ヤバそうなので続く


片山教授の情報

2006-05-21 23:49:21 | ひるまのもめごと
あ~あ、けんちゃんだ。
何のこっちゃ。

匿名希望の東山先生が迫力のある関西弁で片山教授をどつき回し、その片山教授は琥珀色のアルコール飲料の入った瓶を抱え込んでしまい、関西弁なんぞ意に返す気配もない。
「悪いが植草君、僕にそんな下品な関西弁は通用しないからね」
わざとなんだかそうでないんだか、片山教授の他人の名前を間違える?というロクでもない癖…というか嫌がらせは、匿名希望の東山先生をさらに激怒させた
「もんじゃの具にしてやるっ
こう怒鳴るなり、側にあった例のギョロ目のカブにパンチをぶちかました。
カブは大きく揺れ、束になった茎がぴりぴりっと破けて落下した。・・・ほんとはざまあみさらせなんだが・・・ギョロ目のカブの行方を追いながら、
「何で、もんじゃの具…
と、白いやつは、わけわからんという表情で俺に視線を向けた。
俺だってわからん
「関西人はもんじゃ食わねーだろ?」
「悪いが、俺だって食わねーよ」
こそこそと話し、しかし、これ以上ここにいてとばっちり食らってはたまらん、と俺たちはこそこそと保健室をぬけだそうとした。
「あ、おい」
と、片山教授が匿名希望の東山先生を無視して、俺たちに声をかけてきた。
「あのな、前田君の居所な」
「のぶちゃん?」
俺は、立ち止まった。片山教授は、アルコール飲料をぐびっとあおりながら、
「あの牛★大仏男を見かけた、と中島教授が言ってたぞ」
一筋の光明か…。

ハリーポッター見るから、続く

密造酒

2006-05-20 23:59:46 | ひるまのもめごと

けんちゃんだ。
薬師丸ひろ子が大好き

片山教授がベッドの下から抱えて取り出したのは、赤いふたの大きな瓶だった。
中身は梅と琥珀色の液体。
ははあん、さては匿名希望の東山先生は、タコ壺保健室で楽しい飲み物を製造していたに違いない。
「僕はねえ、何でもお見通しなんだよ
片山教授は、知らん顔をしている彼女の返事や思惑など気にせず、座高計に座ると、
「君と桜井が何をしとるか、知らないとでも思っているのか」
と言い、白いやつに向かって、
「気がきかんやつだな。コップに氷を入れて人数分もってこい」
と、図々しく指図した。
「何で俺が」
白いやつはブツクサ文句を言いつつも、立ち上がって冷蔵庫に向かった。
匿名希望の東山先生は、開き直ったのか、
「申し訳ないんですが、アルコールは入ってませんから
と、反論した。
「そんなことはわかってる。桜井が大学の園芸学部から梅を盗みどりしているのは、ようく知っている。大学在学中からの常習犯だからな。どうせ、言いだしっぺは、桜井だろうが」
桜井というのは、ここの大学の卒業生で片山教授の教え子で、さらにここの高校の教員になっている。白いやつが高校に現れると、真っ先に蹴飛ばしに行くらしい。ついでに言うなら、俺の中学の後輩だ。
片山教授が言うことを、さもありなん、と聞いた。
「どれ、出来具合いはどうかな?」
と片山教授は、白いやつからコップとひしゃく(があるってことは確信犯だな)を使い、琥珀色の液体をコップに入れ、氷の音をからからさせながらくるくると回した。一口飲むと、
「よ~くできとる、あとからアルコールをぶち込んだから心配してたんだが…」
「え?
匿名希望の東山先生は、真っ赤になって怒り
「何してくれとんじゃっいつか淀川に沈めたるから、覚えとれやっ
と、怒鳴りつけた。

おお、こわっ

と、思ったので明日へ続かしていただきます

PS 。この話はフィクションです 。思い当たるブログや養護教諭、色の白い事務職員等とは、まったくではないですが、一切関係はありません。

・・・


片山教授

2006-05-19 20:45:43 | ひるまのもめごと
はいよ、けんちゃんだよ。
俺はこう見えてもギターがうまい。自慢じゃないが、かなりの実力だ。ただし、披露する場所がないだけだ。

タコの保健室とカウンセリング研究所を結ぶ廊下のドアが開き、片山教授が顔を出した。
「お、なんだ、おざわ君か」
「すいませんね、緒方です
生徒のことでたびたび相談にきては、何回あんたと話したと思ってんだ。いい加減に名前を覚えてくれ。
「ああ、おやまくんな・・・」
わざとだろっ
片山教授はニヤッと笑うと、ベッドで泣きじゃくる白いヤツを見下ろして、
「あんた、そこのあんた、そのベッドは悪いが僕専用なんだ。鼻水をつけないでくれたまえよ」
と、言い捨てると勝手知ったる保健室とばかりに、冷蔵庫を開けた。
「なんだ、ワインが置いてないじゃないか」

・・・

「何回言ったらわかるんですかっこの冷蔵庫は、生徒の応急処置のために置いてあるんですアルコールは置いてありません」
匿名希望の東山先生が、叱りつけた。
「ほんじゃ、しゃあないなあ」
あっさりと諦めた片山教授は、再び白いヤツが泣きじゃくるベッドの側に立ち、
「失恋で悲しいのはわかるが、今の君は僕にとってジャマな存在なんだ。悪いがどいてくれたまえ」
と、白いヤツを無理に起こした。
「あんたね、失恋で泣いているのかそうじゃないかの区別ぐらいつかないのっ
白いやつは、鼻の頭を真っ赤にして教授につっかかった。色が白いだけに、真っ赤な鼻の頭が目立って、痛々しい。
「悪いが失恋だね。僕にはわかるよ。田原君、君は息子に彼を生んだ母親の面影を追い求めている。息子の親離れを悲しむ以前に、いつまでもまぼろしを追い求めるのは止めた方がよいな」
と、白いやつを見もせずベッドの下に潜り込んだ。
「あ、やばっ
と匿名希望の東山先生が小さな声で叫んだ。が、白いやつはそれを無視して、
「あのね、俺、田原じゃなくて近藤。何回間違えてくれるわけ?」
「似たようなもんだろ」
と、ベッドの下からはいだしてきた。そして、その腕に抱えられたものは…。

飯の時間だ

また、明日