へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

中島教授の美人弟子に男ができた

2009-09-29 22:18:28 | へちま細太郎
ども(仮)嵐2号です。2号です。
2号さんって、呼んじゃだめだよ~(笑)

んで、1号がサツマイモを届けてくれたついでに、ちょっと気になることを教えてくれた。
「教授の助手の博士課程の浅田さん…」
「教授が不細工と言ってるけど、ほんとはすっごい美人の浅田恭子さん…」
俺は、サツマイモをオーブントースターに入れながら、きれいな浅田さんを思い浮かべた。
「彼女、男ができたみたいで、金曜日とか休みとか、そいつとテニスデートしてるらしいんだ」
「え?浅田さんがあ~」
が~ん、密かに憧れていた学園一の才媛に、ついに悪い虫がついてしまったかあ。
俺は半分怒りを覚えながらも、相手は誰だ、と詰問した。
「それがなんだよねえ…」
と、1号が耳打ちした。
「なに~っ」
それが本当なら一波乱ありそうだぞ。
「やべえじゃねえか」
1号は俺の顔をみて、大きく頷いた。
しかし、なあ。 彼女はバカ殿も狙ってたし、高校の久保田もさかんにデートに誘ってたけど、絶対おちなかったのに…。
いったい、あの彼女が落ちた理由はなんなんだ?

子供じゃねえんだし…

2009-09-27 23:34:14 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

おとうさんの外泊がけっこう続くので、おばあちゃんはカンカン。
「あんたのためのごはんを用意してんだからね、一言電話くらいできないのかっ
「子供じゃねえんだし、いいだろうよ」
おとうさんもぷんぷん
だけど、おばあちゃんは外泊の理由を聞かないし、おとうさんも言わない。 ぼくに聞かせたくないんだろうか。
まさか、おとうさんに彼女ができたとか…。
藤川先生も腕組みして難しい顔をしている。
ほんとに、彼女できたのかなあ。その人と結婚するつもりなのかなあ。
そしたら、ぼく、どうすりゃいいんだ?

土曜日の恒例行事

2009-09-26 22:58:32 | へちま細太郎
「この世に英語がある限り~、テストは必ずあるもんだあ」
キコキコキコ…と、校内をバカタレがちゃりをこいでかけていく~。
「あ?俺のチャリじゃねえかあ~」
けんちゃんの怒声が聞こえてきた。
見慣れたオールドスタイルの黒光りのチャリは、まさしくけんちゃん号だ。
「返せ戻せぇ」
…と、毎回土曜日は、ラグビー部に逃げられた元サッカー部員とけんちゃん先生の追いかけっこだ。
「あ、やべえ、けんちゃんだ」
「返せえ」
「ジュース買いに行くだけくらい貸せよぉ」
「やかましいっ
う~ん…。何か、悲しいぜ。
農作業にきた(仮)嵐1号だよん。
しかし、俺、いつになったら名前で呼んでもらえるんだあ~

ぼたもち、おはぎ、食っちゃえば同じ

2009-09-24 19:54:42 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

シルバーウィークは、毎日部活だったけど、一日だけお休みがあった。 藤川家の大法要の日だ。当主の長女のだんなとしては出るしかなく、また連休の中途半端な日の法要とあって、のぶちゃん先生はもとよりけんちゃん先生もカンカン。一族からも大ブーイングだったらしい。
こんな予定を組むのは、あの御隠居さん以外にはいない。 そんな藤川家のことはおいといて、うちはのんびり休日だ。
おばあちゃんもおじいちゃんも出かけないし、広之おにいちゃん一家は慶子おねえちゃんの実家の墓参りに忙しかった。
ところで、おとうさんだけど、実はテニスの大会があるから合宿と称して留守だった。
なんか、怪しい。
ま、いいか。
で、お彼岸といえば“おはぎ”なんだけど、
「ぼたもちじゃないのぉ」
と、部活で大モメ。
というのも、料理が大得意の法華さんがお重にたくさんの“おはぎ”を詰めて持ってきてくれたからだ。
「ばかだなあ、春は牡丹、秋は萩だからだよ」
「牡丹てなに、萩ってなに」
あ~、こんな発言中島教授が知ったら、どんな大騒ぎをするかわかったもんじゃない。
「そこからかよっ
先輩は呆れ返っていたけど、
「食っちまえば同じだよ」
と、たまたま体育館をのぞきにきた浜中先生に言われ、またたくまに3個は減ってしまったのであった。
「うまいなあ、俺も藤川家のムコになるかなあ」
と、言い出したので、
「棒斐浄寺の尼御前さまがいるよ」
と言ってやった。
「やだよ、あんな性格悪いの。それにだいたい彼女は尼さんだろうが」
浜中先生は嫌そうに否定。それをきいた、高校バスケの先輩が、
「食っちまえば一緒だよ」
と、うなづきながらつぶやいていた。
う~ん、イマイチ意味が…。


彼岸はおはぎだろ

2009-09-23 23:16:09 | へちま細太郎
「尼さま…」
「なんだい?」
「この仏壇に飾ってある人参なんです?」
「田吾作の苦手な食いもんだ」
「美都の御隠居ってやつのですか?」
「そう」
「罰当たりませんか?」
「あてられるもんならあててみろっての、どうせ何もできないもうろくじじいなんだから」
「あったことあるんですか?江戸時代の人ですよ」
「たまに、現れては威張りちらして消えてくよ、ほれ、今日もあそこでひな人形に扇でひっぱたかれている」
と、棒斐浄寺の尼さまは、庭先でふわふわと浮かぶ不気味な白い影を指差して、けらけらと笑った。
これじゃあ、ご先祖さまも浮かばれまい、と呆れた私は、庭の手入れにきた紀藤造園のおやじです。
みなさん、覚えてますかい?
植木の手入れのご用命は、美都藩ご用達の紀藤造園へどうぞ。

だからお彼岸だっつってんだろ

2009-09-22 21:08:37 | へちま細太郎
「おのれ~、ひな人形~」
「しつこいでおじゃる」
「ここをどこだと思うぅ~」
「知らぬ」
「痴れものめがぁ~、わが菩提寺であるぞ~」
「だから、なんじゃと申しておる」
「ここで、ひな人形を呪い殺してくれるぅ~」
「まろは死んでおじゃるがの」
「二度とこの世に戻ってこぬように、坊主どもに…ありゃ?」
「ん?なんでおじゃる?」
そこへやってきたのは、棒斐浄寺の尼御前さまだ。
「田吾作のくそじじい、悔しかったら人参食ってみろ~」
と、すりおろした人参の中に位牌をつけてしまった…
何なんだ、この人は…。
「あ~っ
と、田吾作さんは、近衛少将の前で身もだえし、隙をつかれて扇でいっぱつかまされた。
やっぱり、藤川のバカ殿のご先祖だよな。
今日は、藤川家大法要にきたけんちゃんでした。

彼岸だろうがなんだろうが

2009-09-21 22:41:42 | へちま細太郎
「今度こそ…」
「しつこいでおじゃるのぉ」
「あの世まで持っていきとうはない」
「あの世までじじいと顔を合わせとうはないでおじゃるの」
「じじいとはなんじゃ、じじいとは」
「じじいをじじいというて何が悪い」
「何を言うか、翻れば、ひな人形はわしよりも年上ではないか」
「ふん、まろは気持ちが若いゆえのぉ」
「わしは…わしだとて気は若いわっ」
「ふん」
「また鼻で笑うたな、ひな人形」
「小さき男よのぉ」
「やかましいわいっ、ひな人形っ
と、田吾作さんが言ったとたん、近衛少将さんはまたまた、田吾作さんの頭をぽかりと叩いたとさ。
よ~やるよ。 へちま細太郎でした。