へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

苦しくったって悲しくたって

2006-09-15 23:53:51 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎

ぼくのおとうさんが、高校時代にテニス部にしょぞくしていたということは、もう何度も書いてきました。
女の子にモテたいという理由だけで入部したそうです。ほどほどに練習したおかげで、県大会・関東大会には出場できたんだって。
でも、女の子にはモテませんでした
そのおとうさんが、夏にテニスの大会に出るために練習をはじめて、夏の終わりの試合でボコボコにまけてしまいました。
よほどくやしかったのか、それとも、もう一度女の子にモテたいのか、毎日仕事が終わったあと、高校生といっしょに練習をしてくるんだそうです。
「いつまで続くのかねえ。そうまでして女の子にモテたい?」
おばあちゃんは、おとうさんにごはんを用意しながら、ばかにしたように話しかけます。
「見合いの方が早いだろう」
と、おじいちゃんもいいました。
「悪いけど、見合いなんかで見つける気はないし、見合いするほど困ってもいないから」
「じゃあ、何でいつまでも一人なんだ?」
おとうさんは、口からごはんつぶをとばしながら、
「いいんだよ、細太郎さえいれば」
といいましたが、ぼくは、
「おとうさん、結婚してもいいよ」
と、いってあげました。
「ほ、細太郎~
とたんに、うろたえ声になってぼくをみました。
「おとうさんが結婚したら、新しいおくさんと2かいでくらしてね」
ぼくは、なにもいじわるいでいっているわけじゃないんだけどね。
「ぼくは、おばあちゃんたちと1階に住むからね」
「細太郎~
明日につづきますね