へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

藤川先生たてこもる

2010-04-30 22:30:55 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

部活が終わるなり藤川先生は大荷物を背負い、タコ壺保健室に入り込んだ。
「そんなに嫌か、見合いが…」
匿名希望の東山先生は呆れている。
「俺の人生は俺が決める」
なんて言ってるけど、
「自分で決められるほど、あんた相手が見つかるの?」
と、東山先生の上から目線にも答えない。
「さて、閉めて帰るよ~。出た出た」
と、追い立てたけど、てこでも動かない。
「とにかくいやなんだあ」
藤川先生はベッドの奥にはまり込み、目だけを出してダダをこねている。
「何なの、あんた」
東山先生はベッドを蹴飛ばした。
「ちきしょ~、俺は種馬じゃねえ」
何か、情けないねえ。
もとヤンキーが聞いて呆れるぜ。

お見合い

2010-04-29 23:04:06 | へちま細太郎
「はい、見合って見合って」
「はっけよ~い」
「残った残った」
「残すんじゃねえ」
藤川先生が大量のお寿司を目の前にして、僕たちを怒鳴り付けた。
「食えよ~、全部~」
何であんなに怒っているかというと、藤川先生はこの連休中に見合いをするハメになったらしい。
「全く…」
結婚したくないんだったら、ちゃんと宣言しとかないとね。
へちま細太郎でした。

ちょっこし

2010-04-26 22:11:24 | へちま細太郎
「ゲゲゲの女房では、少しとかちょっととかを“ちょっこし”って言ってるよね」
「龍馬では“ちくっと”…」
「藤川家ではちょっととか少しとかはないんだ」
「わかった
「もっとくれ、たくさんくれ、大量にくれ」
「あたり~っ

(-.-;)

しょうがねえなあ、大食い一族。
へちま細太郎でした。

京さんのお仕事

2010-04-21 17:11:20 | へちま細太郎

京だよ、尼御前さま、と、おいい

大学の中島教授がこの私を呼びつけて、何を言い出すのかと思ったら、
「紀藤造園に、学生の引き取りをしてくれんかな」
というではないか。早い話、
「何、就職の世話をしろってか」
中島教授の弟子は、確かにこの変わり者の下にいるだけあって、根性はあるだろう。
話をしてやらんでもないが、物を頼むのにわざわざ呼び出すったあ、料簡違いじゃねえのか。
「いや、行ってお願いしたいのはやまやまなんだが…。このところの体調不良で腰の具合がな」
と、情けない声を出す。
「じゃがいもの植え付けもままならん…」
「何言ってんの、そりゃあ、サッカー部の仕事だろうが」
「立場上…」
こいつが私にこんなへこへこした態度をとるにはわけがある。棒斐浄寺に生えていたカタクリを盗んだあげく、枯らしやがったんだ。増やして返す、と平身低頭したんだが、枯らしてしまった。
「ふうん、そりゃ、気の毒だな。ま、おやじには話しておいてやるよ」
と答えたものの、やっぱりこのマッドサイエンテストの顔を見たらムカついたので、帰りがけのだちんに、あの不気味な蘭を蹴っ飛ばして鉢ごとケ倒してきた。
け、ざまあみろ。。。