へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

熱出たって?

2021-08-31 11:54:09 | へちま細太郎

悠樹です。
俺のつとめる藤川農園では、従業員一同職域集団接種となった。
当然、モデルナ。
モデルナの及ぼす副反応が怖いのか、ご隠居はご自分のグループ事業のひとつである、藤川病院ですでにファイザーで接種してしまった。
くそじじいめ。
そしたら、熱どころか下痢っぱら抱えてトイレの住人になったらしい。
北別府さんに代わって取り仕切った俺は、1回目こそは何ともなかったが2回目に熱を出してダウン。えらい目にあったわ。
若い後藤や荒波は、2回目に高熱が出てダウン。子豚のキチローもワクチンには勝てず、熱がでて死ぬ~と大騒ぎして勝手に藤川病院に入院してしまった。
「申し訳ない!」
と、元レディースの母親が菓子折り持参で頭を下げにきた。
「いろいろ迷惑をかけているのはわかっているけど、ここクビになったら働く場所がないというか、ここが気に入っていいるみたいで、ここにいさせてください!!」
とナニ母親に頭下げさせてんだ、あのバカは。
もっとも、あいつは行動と思考回路が外れているだけで、別に健康面その他に問題があるわけじゃない。あれでも役にたつこともあるから、クビにしようなんて思ったこともない。
「人が嫌がることをやれるってだけで、だいぶ助かってますけど」
でも、人が嫌がることをするっていう言葉は飲み込んだ。うん、この母ちゃんもDQNの子だくさんでエリート旦那とその義実家とうまくやれているんだ、少しくらい微妙な性格の子供がいたって問題ない。
で、藤川病院では、管理栄養士として働いていたはるみと再会して、蹴り飛ばされて入院が延びたときいた。
やれやれだ。


夏も過行くタコ壺保健室

2021-08-27 09:44:15 | へちま細太郎

「学校、9月からどうすつもりやねん」
と、タコ壺保健室では、ちり~んという風鈴のさわやかな音色とは裏腹に、毒づく養護教諭の東山先生の声を筆頭に学園の各養護教諭の女性たちの声が、けたたたましく響き渡っていた。
「文科省が今頃になって始まったから、県の教育委員会も右往左往ってことだよね」
「うちも理事長以下がさっさと結論だしてくれないとねえ」
「あ、あんたメロン食べないの?」
「食べちゃって、アレルギーになった」
「え~、メロンだめなの?かわいそう」
「舌の粘膜がやられてひりひり痛いのよ」
「ウリ科のアレルギーってやつ?スイカは?」
「平気平気、メロンに限ってよ。夏にスイカ食べられなくなったら最悪だよ」
「園芸科は、炎天下でも元気だよね」
「大学も園芸だけはリモートにできなかったしね」
「そうそう、それで新学期からの対策として…」

さっきから聞いてりゃなんなんだ女どもの会話は。全然進展しとらんじゃないか。それに、園芸科からの差し入れの果物を食い散らかす気かよ。
全く、ぼくの静かな夏の日をどうしてくれるんだい。。。
おっと、午後からカウンセリングの予約が入ってたんだ。仕事仕事…。
ジェントル片山教授でした。。。

「あ、あかん、教授、健康診断受けてきた?忘れたらあかんで」
昨日うけてきたって、いったろ~が!!