へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

誤解を招くぞ

2015-01-22 16:50:59 | へちま細太郎

こんにちは、担任の久保田です、数学担当してます。

今日の昼休み、職員室でメシ食ってたら、
「だから、家に帰るとふとんの周りが血だらけで、寝ている弟ものどに短剣が刺さっている…」
という声が聞こえてきた。
どこの殺人現場の話だよ~と、顔をあげたら目の前に唇をトマトだらけにした金本先生がいた。
って、あんた、いい年してナニやってんだよ、と怖くて口にできないから心の中で思ってみる。
どうやら、ナポリタンを食べていたらしい。

で、件の会話がまた聞こえてきた。
「…短剣を抜けば血があふれてくるだろ?抜かないでおけば多少助かるかもしれない。そこで喜助は『医者を呼んでくる』と弟に言って聞かせるんだけど、弟は『医者が来たって何になる』っていうんだよ」
喜助?
ん?
「高瀬舟ですね。安楽死問題かあ」
社会の鳥谷がくそまじめな顔をして、倫理の教科書をめくる。
「なんだよ、ホラーじゃねえのかよ」
この声はたかのりだ。
慌てて振り返ると、頭をかきながらたかのりが、入試問題と思しきプリントをぶんまわしていた。
「おめえ、ちゃんと読んでねえだろ!!」
「読めえねえよ、マジで旧の仮名遣いなんて。森鴎外、なんてことしてくれてんだよ、医者やってろ~」
鳥谷が机に突っ伏し、金本先生はケチャップまみれのすぱげってーを口にくわえた状態で、たかのりをあっけにとられて凝視する。
「あ~、ホラーだホラー」
たかのりは、金本先生を指さして大声で叫びやがった。
職員室中の視線が、監督に集中してしまった。
「おまえ、入試より、卒業の方が心配だな」
現代文の上本が、ため息をついた。
たかのりはぺろっと舌を出したが、オレは半分情けなく思った。
「オレ、高瀬舟をサスペンスと勘違いした…」
読んでないのは、オレも同じだあ。。


寒い寒い

2015-01-21 14:35:56 | へちま細太郎

こんにちは、へちま細太郎です。

天気予報では、夕方から雨な様子。
山沿いでは雪とか。。。
そういえば、今年は雪みてなくね?という会話がちらほらだ。
センターの結果が思わしくなくて、
「“るろうに”か、私大かを選べってか」
と、私大のパンフをぺらぺらとめくっているぼくとたかのり。。。
「どうせ通えねえんだったら、関西でもよくなくね」
「だったら、立命館にしねえ。。。近くに金閣寺があっと」
「ばか、おめえ、理工系は琵琶湖だ」
「え~、この際だから経済学部で手をうたね」
などとロクでもない会話をしていたら、いきなり頭をぶったたかれた。
「何考えてんの、あんたたち」
と、野茂が仁王立ちしている。
「何だよ、おめえには関係ねえだろ」
とにかく、こいつは藤川先生との一件以来関係は悪化したままだ。
殴り合いの喧嘩しちゃったしな。
「最後まで志望校めざしてがんばりなさいよ」
「うぜえ」
うしろの方でみきおが、国立のC大の赤本に向かっていたけど、野茂の言葉にぼつりとつぶやいた。
「どこ希望するかそいつらの勝手じゃん。センター失敗して泥ぬまに落ち込んでいるのに、そのセリフないんじゃねえの」
数検1級の問題集をめくっていたしんいちも、
「あんたもさ、自分の勉強したら。それとも、なに、お国御前あきらめてないの」
と、嫌味ったらしい言葉を投げかけた。
おめえの1級の方が厭味ったらしいよ、まだ、結果出てねえっつ~の。
「お国御前は側室なの!!これだから理系バカは・・・」
ふん、としんいちはまた問題集に目を落とした。
「何よ!!バカ」
野茂はぶりぶりして、教室を出ていってしまった。
「寒いよ~寒い」
廊下から絶叫が聞こえてきた。
「おまえ~、はるみとつきあっているって、野茂にいった?」
たかのりが小声できいてくると、
「いや、はるみも誰にもいってない」
と、ぼくは答えた。
野茂がぼくにどんな気持ちを抱いているかだなんて、どうでもいいことだ。
ぼくは、もともとあいつを女とみてねえからな。
「そんなことより、マジでどこうけよ~」
そうだよ、恋愛より、受験だよ~。
ちきしょ~、寒いぜ、ばかやろ~!!


自己採点

2015-01-19 23:11:03 | へちま細太郎

こんばんは、へ、へちまほそたろおおおです。。。

orz....

ぼくは、小学校のときから、とっても勉強ができました。
孟宗の中学校もトップで合格しました。
高校では、特別進学クラスの理系コースで、上位キープしてました。

胃の中の蛙でした。。。
あ、違った。。。

井の中の蛙でした。。。

4月から、藤川家のご隠居が、
「まってるぞお」
と、自己採点して落ち込んでいるぼくと、たかのりに高笑いを浴びせに、
教室を覗き込みきました。

くっそおおおおおおおおお。
どこで、まちがえたんだあああああ。。。

るろうに細太郎になりそうです。。。


センターだあああ

2015-01-17 00:13:12 | へちま細太郎

へちま細太郎です。。。

へちまじゃなく、俺自身がほそたろおおおおお。
頭がぼけている。。。

あせるだああああ。。。
おねがいだ、笑わせてくれるつもだろうけど、笑えないからっ。。。
目の前に、いつもは赤松にくっついている生首が、クビなしの自分の体の足で、
リフティングされている。。。
「努力はかなうから、しっかりするでござる」
生首はそうまじめな顔をして、ぼんと消えた。

センター試験の夜に、生首幽霊に励まされるなんて、
なんて縁起がいいんだ、こんちくしょ~。。。


須庭寺のお祝いごと

2015-01-14 16:18:07 | へちま細太郎

へろ~、子猫ちゃんたち…などと言葉をかましている場合ではない。
そんなわけで、オレがくそじじいに遅れをとった、バカ殿だよ。
ば~かば~か。。。

細太郎からきいた何やら須庭寺における面妖な話。
あの70過ぎたじじいが、不惑を越えたオバサンとの間に子供をこさえただと?
大丈夫か?
大丈夫なのか?
初産とはいえ、高齢出産だ。
なんで避妊しねえんだ、色ボケじじいがああああ。
天然丸出しのあの小百合さんが、やっと俗世での幸せをつかんだと思ったのに、心配じゃなかったのかよ~。
某バカ女性歌手だと、○○腐っているからとかワケワカメな、無教養な発言が出そうだが、
ぜってえあり得ねえから、女が腐ると表現は男につくもんだ、決して女性ではない。
我が藤川家は、代々食糧と女性は下へも置かぬほどの大切な扱いをする。
庶系とはいえ藤川家の血をひくじじいがわからんはずはなかろう。。。

と、ムカついて須庭寺に乗り込んだら、なぜか大おばあさまもお出ましになっていて、
百合絵さんを囲んでのお祝い会をしていた。
「百合絵さまには、最高の病院と医者をつけますので、御心配めされるな」
と、手を握って力づけている。
「ひえええ」
みんながいわっているのに、オレだけなのか?
と、あっけにとられている時に、こともあろうに棒斐浄寺の都尼がやってきて、こうオレにささやいた。
「あたしも大丈夫かもね」

頭、いて。。。

 


あけおめことよろ

2015-01-02 21:29:54 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

みなさん、よいお正月をお過ごしですか?
ぼくは、元旦から剛おにいちゃんの奥さんのスパルタしごきで、脳みそ破裂しかかりました。
いくら、学年理系トップ、S予備校の模試でかなりの偏差値を誇っても、キャリア官僚の明晰な頭脳には程遠く、所詮田舎者だと認識させられたという以外、収穫はなかったんだよ。
ぼおくは、浪人だあ、浪人したら、藤川農園でただ働きがまっているんだあああああ。
で、おもしろくないので、チャリをこいで須庭寺ストレス解消しに行った。
案の定、ヤンキー副住職のおっさんは、僕がくるのを予想したかのように待ち構えていた。
「細太郎きさま、クリスマスの日、本堂の小部屋で何してた」
と、絡んできた。
「え?」
僕はちょっと顔を赤らめたが、
「須庭寺の説明をしてただけだい
と、平静を取り戻して副住職さんにガンを飛ばしてやった。
「これが、うちの心愛だったら、ぶち殺していたところだ」
キラキラネームの小学生に手を出すか、ボケ。
と、二人で睨みあっていたら、住職さまが顔を出した。
「お、細太郎、よくきたな」
と、にっこり笑い、副住職さんの坊主頭をがっちりつかむと、
「おしょうが、つー」
と、いい、いきなり、頭突きをかました。
「げっ」
副住職さんのは、頭を抱え込み、
「いてえだろうが、この浮かれじじい」
と、叫び足音を立てていってしまった。
「け、焼きもちやきめが」
「ど、どーしたの」
ぼくは、毎度のことながら、しょうもないダジャレにあきれかえりつつも、副住職さんの怒りの謎をきいてみた。
「おお、おお、拙僧もな、久方ぶりに父親になるようでな」
ひええええええええええ。。。。。
これって、おめでたいのかああ。。。
とんだ、場面に出くわしたのか、ぼくって。。。
正月早々、お花畑かあああ。
ストレス解消どこいった。。