数日前のこと。歩くのに伸びた梨の枝が邪魔だったので何気なしに手で払いのけた途端、手首に鋭い痛みが走った。何事かと葉の裏側をみると小さな薄黄緑色の刺々しい形をした「毛虫」が数匹いた。
今まで見たことはあるが刺されたのは初めてだった。すぐ収まると思っていた痛みが、鋭くピリピリするような痛みとなり数分経っても収まらず、あわてて水道水を流しながら反対の手でこするように洗った。水をふき取り、消毒液をつけた後、薬箱にあったヨードチンキを塗っておいた。その頃には痛みも和らいできた。
この対処療法が間違いだった。数日経った今も赤く腫れが残り、今も時折「辛抱できない痒み」に襲われている。掻くと悪化するので氷でギンギンに冷やすことにしている。
ネットで調べてみた。みたことはあっても名前は知らなかった毛虫。「イラガ」という種類の毛虫であることがわかった。別名、電気虫と言われ痛みが激しいこともわかった。対処療法で「手でこするように洗った」ことが間違いだった。無数に刺さっている目に見えない毒針をテープに付着させて取るなんてことも知らなかった。使った市販薬も違った。
我が家庭園芸では農薬散布を滅多にしないので、今まで柿・梅・梨・庭木などで何種類かの毛虫に出会ってきた。その都度、農薬散布して除去してきた。また、毛虫が這った後の葉に残った毒針が体に付着し、痒みや腫れがひかず皮膚科の世話になったこともあったが、直接、毛虫に刺されたことは人生初体験だった。
お蔭で、毛虫の種類や名前や適切な対処療法を知ることができた。刺されて痛みがひどい時には、ネットで調べている余裕はない。今回の体験で得たせっかくの知識、咄嗟の時に役立つよう、家族やご近所さんにも伝えようと思っている。