Praha

日々、楽しんで...

悲素

2017-08-02 | 

帚木 蓬生 著

1998年の和歌山カレー事件を被害者を診察した医師の視点で書かれた小説です。

当時、初めて聞く‘砒素’という名前を興味深く新聞やテレビで見ていた事を
思い出しました。
オウム真理教のサリン、SUMONの薬害、海外での毒物による殺人事件等も詳しく書かれていて読み応えありました。

公判出廷での証人尋問は、相手方の弁護士とのやり取りが細かくて読むのが嫌になるほど。
それでも、沢井教授の退官にあたり、小冊子作成に寄せた和歌山県警の光山刑事からの文章には
温かい言葉がたくさんあり、私もホロリとしました。

実はこの本は2年前に新聞の紹介欄で知り、一度借りましたが一ページも読まずに返却
しました。
今回時間が掛かりましたが最後まで読めた事が嬉しいです。





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