三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

『知られざる芸能史 娘義太夫』。

2021年06月26日 | 読書
娘義太夫というものが明治の頃に流行って
学生たちが追っかけとなって
演奏中には「どうする、どうする」などと声を掛け
さながらアイドルのようであった、といいます。

今現在の風前の灯火みたいな女流義太夫からは
考えられないことです。

ただ、これは東京の話。
今も東京の方が女流義太夫は色々盛んなのですが、
かつても大阪ではそのようなブームは無縁だったとか。

 
とても面白いと思ったのは、
明治の娘義太夫ブームの頃に
芸の実力よりも見た目で売っている、というような
悪いイメージが出来上がってしまったために、
その後、ある意味では必要以上にかつてのあり方を
全否定してしまったのではないだろうか、という指摘。
たとえば、豊竹呂昇の美声を生かした歌うような語りも
本格的な芸ではないとされて、
そのスタイルが受け継がれることはなかったけれど、
それも一つの演出の工夫、女が語る浄瑠璃としての試みではないか、と。

かつての娘浄瑠璃のイメージを知る人も、
男が語るも女が語るも、そもそも浄瑠璃を知る人も
多くない現在、そういう再考も有り得ますよね。

そして、この本でも指摘されている指導者不足、後継者不足の問題。
これは痛切に感じました。
うちの師匠に私しか弟子がいないなんて、
こんな勿体ないこと、あります!?
義太夫三味線に興味ある女性の方、お待ちしてます!!


 椿紅静月×松浪千静×豊澤住静
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►演奏予定
 7月4日(日) 女流義太夫勉強会 栞呂会 第5回 @千日亭
 7月11日(日) パナクティで聴く娘義太夫 vol.2 @スペース・パナクティ
 7月30日(金) 三味線三昧@京都・天Q
►演奏依頼 承ります
 ステージイベント、パーティ、ブライダル、レクチャーコンサート、
 ワークショップなど、三味線出張演奏いたします。
 小さな会場でも、ご予算が少なくても大丈夫。
 ブッキングライブ、コラボレーションなども歓迎。

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