『晴れた日には・・・』

日々の雑感を綴ります。

治療室の隣人

2019年01月22日 | 生活
私が通う、鍼治療院の診察室には

ベッドが二つあります。

もちろん、カーテンで仕切られていますから

もう一つのベッドにいる人なんてわかりません。

治療も、30分ほどの時間差で行われますから

顔を合わせることは、まずありません。



でも、先生との会話は、モロ聞こえてきます。

大抵は、治療途中(電気鍼)なので、

関心を寄せるほどの(笑)会話でないかぎり

ウトウトするかぐっすり眠っていますが。



相手が、男か女かは、もちろん声で分かります。

また、現役かリタイア組か、農家のおばさんかパートのおばさんかも

話の内容で分かります。

治療中に話を聞いていても、そのことを忘れてしまうのは

きっと、話の内容に関心がなかったからなのでしょう。



ところが今日は違いました。

話の内容、というより、

このおじいさんの「人」として、のところに関心が行きました。



治療が始まる前に、おじいさんが急に話し始めました。

「うちの近所に、この間後家さんになった人がいて

 まあ、時々息子が様子を見に来るようなんだけえど、

 おりゃあ、鍼をしりゃあいいと思うんだよない。

 先生、連れてきてもいいかない?」

「どこか、痛かったり具合が悪いところがある方なんですか?」

「ああ・・・、どうずらかない?」

「鍼を経験したことがある方ならいいですけれど、そうでないと緊張される方もいますからね。」




「ああ、先生、もう一人、連れてきたい人がいるんだよない。」

「〇〇さん、ちょっと治療に入りましょうか、ベッドに横になってください。

 それで、今日はどこが具合が悪いんですか?」

「え~と、別に具合は悪かあないけれど・・・。背中がない・・・。」

「背中が痛いの? それとも肩あたり?」

「先生、俺の背中、何かできてないかい?」

「う~ん、別に何もなっていないですけれど・・・ね。」



こんな風に会話は続き、

先生は背中に鍼を打ち(らしい)、灸をすえ(らしい)

私より遅く治療室に入ったのに、

私より先に、治療を終了したのでありました。

どうやらこのおじいさん、

マスク美人の先生に会いたいだけじゃないかしらん。



いろんな方が患者さんとして来るでしょうから

先生も本当に大変だなあ・・・、と

気の毒になりました。

治療拒否をするわけにもいきませんからねえ。

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