私が通う、鍼治療院の診察室には
ベッドが二つあります。
もちろん、カーテンで仕切られていますから
もう一つのベッドにいる人なんてわかりません。
治療も、30分ほどの時間差で行われますから
顔を合わせることは、まずありません。
でも、先生との会話は、モロ聞こえてきます。
大抵は、治療途中(電気鍼)なので、
関心を寄せるほどの(笑)会話でないかぎり
ウトウトするかぐっすり眠っていますが。
相手が、男か女かは、もちろん声で分かります。
また、現役かリタイア組か、農家のおばさんかパートのおばさんかも
話の内容で分かります。
治療中に話を聞いていても、そのことを忘れてしまうのは
きっと、話の内容に関心がなかったからなのでしょう。
ところが今日は違いました。
話の内容、というより、
このおじいさんの「人」として、のところに関心が行きました。
治療が始まる前に、おじいさんが急に話し始めました。
「うちの近所に、この間後家さんになった人がいて
まあ、時々息子が様子を見に来るようなんだけえど、
おりゃあ、鍼をしりゃあいいと思うんだよない。
先生、連れてきてもいいかない?」
「どこか、痛かったり具合が悪いところがある方なんですか?」
「ああ・・・、どうずらかない?」
「鍼を経験したことがある方ならいいですけれど、そうでないと緊張される方もいますからね。」
「ああ、先生、もう一人、連れてきたい人がいるんだよない。」
「〇〇さん、ちょっと治療に入りましょうか、ベッドに横になってください。
それで、今日はどこが具合が悪いんですか?」
「え~と、別に具合は悪かあないけれど・・・。背中がない・・・。」
「背中が痛いの? それとも肩あたり?」
「先生、俺の背中、何かできてないかい?」
「う~ん、別に何もなっていないですけれど・・・ね。」
こんな風に会話は続き、
先生は背中に鍼を打ち(らしい)、灸をすえ(らしい)
私より遅く治療室に入ったのに、
私より先に、治療を終了したのでありました。
どうやらこのおじいさん、
マスク美人の先生に会いたいだけじゃないかしらん。
いろんな方が患者さんとして来るでしょうから
先生も本当に大変だなあ・・・、と
気の毒になりました。
治療拒否をするわけにもいきませんからねえ。
ベッドが二つあります。
もちろん、カーテンで仕切られていますから
もう一つのベッドにいる人なんてわかりません。
治療も、30分ほどの時間差で行われますから
顔を合わせることは、まずありません。
でも、先生との会話は、モロ聞こえてきます。
大抵は、治療途中(電気鍼)なので、
関心を寄せるほどの(笑)会話でないかぎり
ウトウトするかぐっすり眠っていますが。
相手が、男か女かは、もちろん声で分かります。
また、現役かリタイア組か、農家のおばさんかパートのおばさんかも
話の内容で分かります。
治療中に話を聞いていても、そのことを忘れてしまうのは
きっと、話の内容に関心がなかったからなのでしょう。
ところが今日は違いました。
話の内容、というより、
このおじいさんの「人」として、のところに関心が行きました。
治療が始まる前に、おじいさんが急に話し始めました。
「うちの近所に、この間後家さんになった人がいて
まあ、時々息子が様子を見に来るようなんだけえど、
おりゃあ、鍼をしりゃあいいと思うんだよない。
先生、連れてきてもいいかない?」
「どこか、痛かったり具合が悪いところがある方なんですか?」
「ああ・・・、どうずらかない?」
「鍼を経験したことがある方ならいいですけれど、そうでないと緊張される方もいますからね。」
「ああ、先生、もう一人、連れてきたい人がいるんだよない。」
「〇〇さん、ちょっと治療に入りましょうか、ベッドに横になってください。
それで、今日はどこが具合が悪いんですか?」
「え~と、別に具合は悪かあないけれど・・・。背中がない・・・。」
「背中が痛いの? それとも肩あたり?」
「先生、俺の背中、何かできてないかい?」
「う~ん、別に何もなっていないですけれど・・・ね。」
こんな風に会話は続き、
先生は背中に鍼を打ち(らしい)、灸をすえ(らしい)
私より遅く治療室に入ったのに、
私より先に、治療を終了したのでありました。
どうやらこのおじいさん、
マスク美人の先生に会いたいだけじゃないかしらん。
いろんな方が患者さんとして来るでしょうから
先生も本当に大変だなあ・・・、と
気の毒になりました。
治療拒否をするわけにもいきませんからねえ。
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