昭和43年、西日本を中心にカネミ油症事件という食品中毒事件があった。
水俣病はじめ続発する公害病との関連も取りざたされる中、原因は比較的
早期に特定され、冷却管のピンホールから漏れた冷媒のPCB(ポリ塩化
ビフェニール)に含まれたダイオキシン中毒と解明された。
以来40数年、産業界はPCBの後始末に苦悩している。
他人事では無い、何を隠そうわが社にも横浜市資源循環局に届け出済の
PCB絶縁油使用のコンデンサーが一台。 PCB特措法に従って平成28年
までにこれを“処理”しなくてはならない。
便利、重宝と持てはやしてあちこち使って、一旦有害となると手に負えなく
なる。 アスベスト問題と非常によく似ている。
PCB特措法では保管事業者は国が設立したJESCOという会社に依頼して
保管しているPCB機器を“処理”しなくてはならない。
http://www.jesconet.co.jp/index.html
費用は大きさにもよるがこのコンデンサーで一台 約¥540,000
中小企業には公費で70%が補助されるが、JESCOの工場までの運搬費
は補助されない。輸送は通常の産廃収集運搬とは別の許可が必要で
もちろん、自分で運ぶ事もできない。
JESCOの稼働もけっして順調とは行かず、度々事故を繰り返している。
期日までに“処理”しないと保管事業者には罰則もあるらしいが、国や
JESCOが登録予約された機器を平成28年までに処理できなかったら、
それには罰則は無いんだろう ・ ・ ・ な。
下(しも)の世話。産業の下(しも)の世話なんだな、PCBもアスベストも。
下(しも)の世話が介護の質を問われるように、この問題の処理の仕方は
この国の産業の質を問われる問題だと思うんだが。