図書館に居ると急に携帯が鳴った。友人が近所まで行くので寄ると言う。
急いで用事を済ませて家で友人を迎えた。数年前から組合専従という縁の下の力持ち、思ったより元気で安心した。先方は病後のお見舞いに寄ってくれたわけだから「思ったより元気で云々・・・は俺の言い分だ。」と言われそうだ。
40年近くになる。家出の荷物運びに始まり、何回かの引っ越し、結婚式の司会、リストラ食らった時の就職の世話。節目節目でずい分と世話になった。お互い、父親が警察官と教師という”建前”の環境で育ったせいか解り合う共通言語があった。時々見せる育ちの良さ(南家藤原氏に連なる家柄である)に似合わぬ”無頼”の雰囲気が私は好きだった。
マンションの理事会があるからというのを引き留めて、簡単な夕食。 昔なら朝方まで話して、その後箱根まで・・・ しかし今はお互い家族のある身、「また来てくださいネ」 という声に送られて来た道を帰って行った。
「奥さん、全然変わって無い 驚いた!」 お世辞のメールが入って家人は大喜び。そう、友人は40年でひとかどの苦労人になっていた。