『梅ヶ島温泉』の全ての宿は
一階に客室を設けない と。
地元行政で「梅ヶ島災害」と呼ばれる昭和41年の土石流で、
死者26名、倒壊家屋10数軒の被害を出している。
少し注意してみれば、この流れが ”自然” のもので無いことが分かる。
土建国家、時に揶揄する意味に聞こえるが、
ここでは ”ほめ言葉” だ。
土石流のあとを放置すれば、いまここにひとの暮らしは
無い。
峠の向こうは甲斐の国。
手配してくれた子どもが言った。
「ほんとうに 温泉 しか 無いよ・・」
好きだなぁ・・ 築50年。
昭和の香るこの廊下は幅一間(180センチ)。
掃除が行き届いている。
(おじさん、重箱のスミつつくの得意だけど・・ 塵 ひとつ 無い・・)
引き戸は → ドアに
蛇口に → 後付け自動水栓
汽車便 → TOTOウオシュレット
階段に → 手すり
等々 今の建物のなかで改修できるところは改修し
建て替えは・・・・・・ していない。
一見 平凡な・・
きょう日、山の温泉でマグロが出て来ても驚きはしないが
これは 違う・・ 魚屋で睨まれながら覚えたソレ。まこと
いい中トロ さすが焼津の地元 と思った。
これをもう少し平凡な品質のマグロにしたって大方のひとは
文句は言わなかろうに‥ と思うが これが心意気なんだろね。
(見方がいやしいけど)材料仕入れに金掛けてる(たぶん)
本わさびの ”お代わり” 頼んだら、はじめのより大きいのを ハイッ!
誰だ!? ごはんにワサビのせて食べてるのは ん? しょうゆ
かけて へぇ~・・旨そ。 ワサビ 残すなよ。
ど~~~~ん!
前夜、5人で お櫃のごはんを完食したら
朝は これ。
さすがに完食は出来なかったけど・・
壊滅的災害から57年。
人工林の杉林にはまだ下草が生えきらず、崩れた砂利の斜面に
痩せた杉の木が目立つ。 崩落個所もあちこちに。
このまま山林が痩せて行くことが心配になる。
しかし、山のくらしは、こんなことの繰り返し(たぶん)
温泉宿の人のこころは ”復興” を遂げていると思う。
たいへんよくしていただきました。