ノザキのコンビーフが枕缶をやめる。
このニュースで、世間は上を下への大騒ぎである。
コンビーフといえばこの形、枕缶が世界基準だった。
なぜ枕缶というのか。その由来は、江戸時代などに使われた、髷を結ったまま眠れる枕に似ているからだという。
そんな由来を聞けば、あらためてその歴史の長さを実缶してしまう(江戸時代にコンビーフはなかったけど)。
今回はそんな枕缶とのお別れ企画であります。大事に取っておいたノザキの「上級コンビーフ」を開けるのであります。
すでに終売してしまった、ゴージャスでセレブリティな商品であります。
内容量190gの大型枕缶。全身がゴールドに輝いている。
このくるくる巻き取る道具の正式名称は巻き取り鍵。
言い得て妙、というか、名称が用途を缶潔にあらわしております。
その巻き取り鍵もゴールド。さらに、それを貼り付けるシールまでゴールド。素敵すぎるぞ。
こんなにバブリーなコンビーフは、もう出てこないかもしれない。
このとっかかりを鍵穴に差し込むのが最初の儀式。
くるくる巻いていけば、中から牛肉様がお出ましになる。
この瞬缶がたまらない。
人力と道具だけで金属缶を切り開いていく。そしてその先には肉。
何か、人類の根源的な悦びが湧き上がる瞬缶だ。
巻き取り部分のアップ。よく見ると中央に切り目が入っている。
これは、巻き取りの途中で千切れてしまう欠点を克服した切り目なのだ。
実は枕缶も、細かい部分をきちんとアップデートしていたわけであります。
全部を巻き取ったら開缶。上部をつかんでていねいに引っ張ると...。
かくのごとし。この開け方が出来る人は“コンビーフマイスター”と呼ばれている(ウソです)。
僕もこの開け方を習得するまで10年掛かった。
ご覧あれ! この圧倒的な存在缶(感)。
凛とした佇まいには畏怖さえ抱いてしまう。
しかし、こんな体験も間もなく出来なくなるのだ。
物事の終焉って悲しいものですね。
何もかもみな、懐かしい。
お世話になっております。
『GQ JAPAN』という男性向けのライフスタイル誌のウェブを編集している清水と申します(昨日、黒川様のtwitterにもコメントをさせていただきました)。
現在、弊誌では、企画中の缶詰の記事がありまして、ぜひ黒川さんに取材をさせていただければと思っております。
メールで詳細などお送りし、ご確認いただければと思っておりますので下記のメールアドレスまでご連絡いただけますでしょうか。
連絡先が見つからず、twitterとブログコメント欄からのアプローチで恐れ入ります。
どうぞ宜しくお願いいたします。
GQ JAPAN 清水香里
kaori.shimizu@condenast.jp