財源はある:フローの埋蔵金「不用額・運用収益」は毎年計上

「埋蔵金は、使っても一回限りだ」という議論がありますが、それは間違いです。埋蔵金には、不用額・運用収益のようなフローの埋蔵金と積立金のようなストックの埋蔵金の2種類があり、フローの埋蔵金は、毎年ほぼ同程度の金額が計上されています。

平成20年度の不用額は、一般会計・特別会計合わせて約14兆円でした。その他に、外為特会と財投特会の運用収益が5.8兆円(平成20年度)あり、多少のずれはあるにしても約20兆円が、毎年フローの埋蔵金として計上されています。

一方、平成20年度決算処理後の外為特会・国債整理基金特会の積立金の合計は、約31兆円です。年金特会など他のすべて特会もあわせると、平成20年度決算処理後の積立金の合計は約194兆円にものぼります。

そして、特別会計の埋蔵金とは別に明らかになってきたのが、98ある独立行政法人と4,500以上ある天下り公益法人の埋蔵金です。

天下り公益法人は既に数字が公表されており、合計約12兆1,000億円の国からの金銭交付のうち、交付金・約2兆6,000億円、委託費・約5,700億円、物品サービス購入費(殆どが随意契約)・約1兆8,000億円の合計約5兆円がフローの埋蔵金です。ストックの埋蔵金としては、公益法人の正味財産(内部留保)の合計が6兆円以上あると言われています。

本来、事業仕分けのトップ・プライオリティーは、独法・公益法人本体にメスを入れることでした。独法・公益法人の徹底的見直しは民主党のマニフェストですし、これらを温存したまま、その他のマニフェストを実現することは不可能です。「国民の生活が第一」を掲げる民主党政権が最優先に取り組むべきは、税金の無駄遣いの温床である、いわば国民の税金を食べている独法・公益法人の徹底的見直しの断行です。

フローの埋蔵金は、これまで長年にわたり計上されてきたものであり、「埋蔵金は一回限り」との議論は大間違いです。財務省の言いなりになり、ミイラとりがミイラになってはおしまいです。

なお、「小沢一郎政経フォーラム」で幸田真音さんも説かれたように、現下の経済情勢においては、政府と民間とが一体となって税収アップをはかっていくことが非常に重要です。法人税収の落ち込みがここまで激しい現状では、来年度予算については、ストックの埋蔵金、特に外為特会の20兆円から5兆円程度を繰り入れて、95兆円規模を確保すべきです。その上で、東アジアの成長経済の中で、大企業のみならず、中小企業への積極的支援を行うことによって、内需と輸出の両方をともに強化して、税収アップをはかるべきだと思います。

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