電気用品安全法:経産省のでたらめ 3月24日

3月24日金曜日の今日、経産省はとんでもないことを言い出した。PSE法での中古電気用品の解釈を、自主検査をせず消費者に売り、販売後に検査を行う約束をする場合、検査を行うまでの期間をレンタルとみなし、販売後に検査をしたかどうかは確認しないという、まったくもって解釈不可能な「解釈」を持ち出して、中古品販売業者の方々の理解を得ようとしたのである。中古品販売業者の方々でつくる「PSE問題を考える会」の代表小川浩一郎氏は、今夕、経産省消費経済政策課長と並んで記者会見に臨み「事実上、猶予期間の延長を勝ち取った」と述べ、安堵の表情を浮かべていたが、私は益々、経産省のやり口に不信感が募る。

経産省が今日になって打ち出した中古電気用品に対する「解釈」を要約すれば、中古品販売業者が脱法行為をしても罪には問いませんよ、ということになる。天下の日本の法律を、時の経産省がこのようにねじ曲げて解釈することは、断じて許されるものではない。経産省は、裁判所ではないのだ。子どもだましのような法解釈を真に受けて、脱法行為で販売された中古電気用品が、万万が一事故を起こしでもしたら、いったい誰が責任をとるのだろうか。

昨日のブログにも書いたように、新品を製造する業者の中にも、PSEマークを貼付しなければならない事実を知らない人がいる。コンセント付き家具にPSEマークを貼付しなければならない事実を、なんと、家具工業組合を所管する経産省日用品室の担当者が昨日まで知らなかったことが、今日になって新たに発覚した。経産省内も、実は、大混乱しているのだ。新品に関しても、PSEマークを貼付していなくても脱法ではないと経産省が仮にみなすのであれば、いっそのこと法改正をするほうがよっぽどわかり易い。脱法行為を、ある意味推奨するような経産省の解釈は、根本的に正義に反し、最終的には、中古品販売業者や消費者に多大な不利益をもたらすものだ。

日本の音響メーカーが世界的競争力を失ってしまった原因は、経産省が「部品の保存期間を7年間」と決定したことにあると、ある音響機器ベテラン中古販売業者が述べたそうだ。つまり、日本の音響メーカーは、部品保存期間だけもつ音響機器を作ればよいということにして、「7年もてばよい」というような代物ばかりが生産されるようになったのだ。これでは、世界ブランドになり得るはずがない。

それに引き換え、日本の自動車メーカーの強さは、幾度にもわたり中古販売されるほどの強い車体を武器に、世界に冠たる一流メーカーへと飛躍していった。国内で複数のユーザーを満足させた日本車は、途上国などへ輸出され、さらに有効活用される。絶対に壊れない世界NO.1の自動車メーカーが日本に君臨する一方で、音響機器や家電の類は、今回のPSE法を機に、使い捨てに拍車がかかる。これらの業界の国際競争力をそぐのは、他ならぬ経産省なのだ。

中古販売業者の方々の4月1日の混乱は、ひとまず回避することができるかもしれないが、天下国家の法律をこんなにもねじ曲げて解釈する前例とならぬよう、一刻も早く法改正して、まともな解釈で中古電気用品がPSE法の適用除外になるよう、全党あげて国会で議論する必要がある。この問題は、今日で一区切りではない、今日から新たな闘いが始まったのだ。子どもや孫たちの見本に、まったくならない経産省の対応を正さなければ、法治国家日本は近い将来かならず崩壊する。

2006年3月24日午後4時15分から、PSE問題を考える会(小川浩一郎代表)が、経済産業省で行った記者会見配布資料(経済産業省福田消費経済政策課長同席)

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