都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「鎌田友介展」 水戸芸術館現代美術ギャラリー
水戸芸術館現代美術ギャラリー
「クリテリオム86 鎌田友介」
3/2-5/12

水戸芸術館現代美術ギャラリー(第9室)で開催中の鎌田友介展へ行ってきました。
1984年に生まれ、2012年に東京藝術大学大学院の先端表現を修了した作家、鎌田友介。
最近では2012年の児玉画廊の他、第7回資生堂アートエッグにも参加。その際はアルミサッシ約100枚を用い、空間を切り刻むかの如く複雑な構造体を展開。資生堂のホワイトキューブを一変させました。
その鎌田が今度は水戸芸の現代美術ギャラリーに挑戦。フレームにガラス、またサッシなどを使って、どこか断片的ながらも、一つの建築物とも言えるような作品を提示しています。

「D Structure Atlas」2013年 アルミニウム、ガラス、アクリル、インクジェットプリント、レーザープリント、鏡、プラスティック
さて鎌田と言えば児玉画廊でも見た歪んだサッシにフレーム。時に折れ、ぐしゃっと曲がったようなそれを組み合わせることで、言わば破壊や暴力を連想させる面もありましたが、今回は先にも構造体としてのボリューム感が比較的前面に。先にも触れたように建築的な造形を強く感じさせます。

「D Structure Atlas」2013年 アルミニウム、ガラス、アクリル、インクジェットプリント、レーザープリント、鏡、プラスティック
ミラーに車輪、そして錯綜し、縦に横へと増殖するかのように連なるフレーム群。主任学芸員の高橋瑞木氏をして「グラマラスな構造体」と言わしめる作品。よく目を凝らすと、そのには何らかの建築を捉えた写真が組み込まれていることが分かります。
そこには石油化学コンビナートのプラントなどとともに、破壊されたような家屋なり建築物が。そして写真の中にもぐちゃぐちゃになった鉄骨のフレームが見え隠れしています。

「D Structure Atlas」2013年 アルミニウム、ガラス、アクリル、インクジェットプリント、レーザープリント、鏡、プラスティック
鎌田はこの作品の創作にあたり、かの震災により爆発した福島原発の建屋の構造に注目したとか。そこから広島と長崎の惨禍、またさらには自身の父親の勤務する石油会社の記憶まで遡ってリサーチ。そのイメージをこの構造体に落とし込んでいるのです。
写真のイメージの歪みと作品自体の歪み。素材感に由来するのか、一見するところシャープですが、内実は極めて混沌。また有機的ですらあります。

「D Structure Atlas」2013年 アルミニウム、ガラス、アクリル、インクジェットプリント、レーザープリント、鏡、プラスティック
作品の視界はフレームから開けているようでもあり、またそれに遮られているようでもある。資生堂ギャラリーの展示とは一味も二味も異なる鎌田の作品。歴史や記憶に踏み込んだことによって、言わば重みが増したように感じました。
5月12日までの開催です。
「クリテリオム86 鎌田友介」 水戸芸術館現代美術ギャラリー(@MITOGEI_Gallery)
会期:3月2日(土)~5月12日(日)
休館:月曜日。但し4/29、5/6(月・祝)は開館。翌4/30、5/7(火)は休館。
時間:9:30~18:00 *入館は17:30まで。
料金:一般800円、団体(20名以上)600円。中学生以下、65歳以上は無料。*坂茂展と共通チケット。
住所:水戸市五軒町1-6-8
交通:JR線水戸駅北口バスターミナル4~7番のりばから「泉町1丁目」下車。徒歩2分。
「クリテリオム86 鎌田友介」
3/2-5/12

水戸芸術館現代美術ギャラリー(第9室)で開催中の鎌田友介展へ行ってきました。
1984年に生まれ、2012年に東京藝術大学大学院の先端表現を修了した作家、鎌田友介。
最近では2012年の児玉画廊の他、第7回資生堂アートエッグにも参加。その際はアルミサッシ約100枚を用い、空間を切り刻むかの如く複雑な構造体を展開。資生堂のホワイトキューブを一変させました。
その鎌田が今度は水戸芸の現代美術ギャラリーに挑戦。フレームにガラス、またサッシなどを使って、どこか断片的ながらも、一つの建築物とも言えるような作品を提示しています。

「D Structure Atlas」2013年 アルミニウム、ガラス、アクリル、インクジェットプリント、レーザープリント、鏡、プラスティック
さて鎌田と言えば児玉画廊でも見た歪んだサッシにフレーム。時に折れ、ぐしゃっと曲がったようなそれを組み合わせることで、言わば破壊や暴力を連想させる面もありましたが、今回は先にも構造体としてのボリューム感が比較的前面に。先にも触れたように建築的な造形を強く感じさせます。

「D Structure Atlas」2013年 アルミニウム、ガラス、アクリル、インクジェットプリント、レーザープリント、鏡、プラスティック
ミラーに車輪、そして錯綜し、縦に横へと増殖するかのように連なるフレーム群。主任学芸員の高橋瑞木氏をして「グラマラスな構造体」と言わしめる作品。よく目を凝らすと、そのには何らかの建築を捉えた写真が組み込まれていることが分かります。
そこには石油化学コンビナートのプラントなどとともに、破壊されたような家屋なり建築物が。そして写真の中にもぐちゃぐちゃになった鉄骨のフレームが見え隠れしています。

「D Structure Atlas」2013年 アルミニウム、ガラス、アクリル、インクジェットプリント、レーザープリント、鏡、プラスティック
鎌田はこの作品の創作にあたり、かの震災により爆発した福島原発の建屋の構造に注目したとか。そこから広島と長崎の惨禍、またさらには自身の父親の勤務する石油会社の記憶まで遡ってリサーチ。そのイメージをこの構造体に落とし込んでいるのです。
写真のイメージの歪みと作品自体の歪み。素材感に由来するのか、一見するところシャープですが、内実は極めて混沌。また有機的ですらあります。

「D Structure Atlas」2013年 アルミニウム、ガラス、アクリル、インクジェットプリント、レーザープリント、鏡、プラスティック
作品の視界はフレームから開けているようでもあり、またそれに遮られているようでもある。資生堂ギャラリーの展示とは一味も二味も異なる鎌田の作品。歴史や記憶に踏み込んだことによって、言わば重みが増したように感じました。
5月12日までの開催です。
「クリテリオム86 鎌田友介」 水戸芸術館現代美術ギャラリー(@MITOGEI_Gallery)
会期:3月2日(土)~5月12日(日)
休館:月曜日。但し4/29、5/6(月・祝)は開館。翌4/30、5/7(火)は休館。
時間:9:30~18:00 *入館は17:30まで。
料金:一般800円、団体(20名以上)600円。中学生以下、65歳以上は無料。*坂茂展と共通チケット。
住所:水戸市五軒町1-6-8
交通:JR線水戸駅北口バスターミナル4~7番のりばから「泉町1丁目」下車。徒歩2分。
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