「和のよそおい」 山種美術館

山種美術館
「和のよそおい - 松園・清方・深水 - 」
2/11~3/25



山種美術館で開催中の「和のよそおい - 松園・清方・深水 - 」のプレスプレビューに参加してきました。

さて毎度、充実した日本画コレクションを多様な切り口で見せる山種美術館ですが、今回のキーワードは和服や髪飾りなど、それこそタイトルの如くの「よそおい」に他なりません。

まさに「山種美術館・お着物祭り」です。色とりどり、紋様も艶やかな主に和装の女性をモチーフとした日本画、約60点がずらりと揃っていました。(出品リスト


鈴木春信「柿の実とり」1767-68年頃 他 山種美術館

冒頭、春信や清長の浮世絵を経由して登場するのが、春草や古径などの描いた和装美人です。


小林古径「河風」1915年 山種美術館

もちろん、私の好きな古径の「河風」など、作品そのものに魅力があるのは言うまでもありませんが、浮世絵と近代日本画の美人画、しかもその衣装に着目して比較する機会などそう滅多にないのではないでしょうか。

伝統とモダンの間で変化してきた『よそおいの美の変遷』を垣間見ることが出来ました。


展示室風景

会場で最も華やいるのが『舞妓の美』と題されたコーナーです。かねてより多くの画家がモチーフとしてきた舞妓には、まさによそおいの美の極致が反映されています。

帯、かんざし、また髪結いなど、衣装と装身具の全て見る舞妓の美こそ、展示のハイライトの一つでもありました。

ところで広尾移転後の企画展では、例えば三番町時代ではあまり出てこなかったような、言わば見慣れない作品が出てくるのも重要なポイントです。


森田曠平「投扇興」1968年 山種美術館

中でも興味深いのは森田曠平の「投扇興」ではないでしょうか。森田は京都に生まれ、安田靫彦に師事した日本画家ですが、三者を上と横から同時に眺めて描いたような大胆な構図、そして人物のどことなく誇張された表現などは、他の作品とは明らかに一線を画しています。


小倉遊亀「舞う(舞妓)」1971年、「舞う(芸者)」1972年 山種美術館

インパクトという点では小倉遊亀の「舞う」も強烈ですが、よそおいを通して見る絢爛豪華な美の世界には思わず圧倒されてしまいました。


展示室風景

後半は我らが松園、怒濤の18点、そろい踏みです。同館ご自慢の松園が一挙に公開されています。


上村松園「新蛍」1929年、「蛍」1913年、「夕べ」1935年 山種美術館

また松園と言えば透け表現も巧みなところです。お馴染みの特別室では簾を用いた清涼感のある表現が印象的な「新蛍」、「蛍」、そして「夕べ祭り」がさながら三幅対のように並んでいました。


和のよそおい展「Cafe椿」特製和菓子

同館恒例、展覧会毎に新作がお目見えするCafe椿の特製和菓子もご覧の通りです。ちなみにこれでの和菓子をWEB上で(ショップ&カフェコーナー)で一覧出来るのをご存知でしょうか。

「Cafe椿 和菓子集」@山種美術館

まさかあの手のこんだお菓子がこれほどあったとは思いもよりません。まずはクリックしてみて下さい。

ちなみに本展では「きもの割引」と題し、着物を来て来館すると、団体割引料金で観覧出来る上、『プチギフト』までプレゼントしていただけます。こちらも狙い目です。


上村松園「砧」1938年と山崎妙子館長

プレス内覧時、同館の山崎館長にお願いして「砧」の前でポーズをとっていただきました。拙い写真で恐縮ですが、本当にどうもありがとうございました。

なお山崎館長は現在、家庭画報にて、「感じる!日本画 山種美術館・山崎妙子館長特別講義」と題した日本画の魅力に迫るコーナーを連載中です。

「家庭画報 2012年3月号/世界文化社」

日本美術の専門家のお立場から、かなり突っ込んだ視点にて日本画の素材や技法を紹介されています。三月号は「表具」についてのお話でした。是非とも誌面でご覧ください。


「鈴木松風堂」特製箱入り上村松園はがきセット20枚

*お知らせ
チケットが手元に若干枚数あります。ご入用の方はペアでプレゼント致しますので、その旨、メールにてご連絡下さい。
連絡先:harold1234アットマークgoo.jp

3月25日までの開催です。

「和のよそおい - 松園・清方・深水 - 」 山種美術館
会期:2月11日(土・祝)~3月25日(日)
休館:月曜日
時間:10:00~17:00
住所:渋谷区広尾3-12-36
交通:JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅2番出口より徒歩約10分。恵比寿駅前より都バス学06番「日赤医療センター前」行きに乗車、「広尾高校前」下車。

注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
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