「大舩真言 - Prism」 ニュートロン東京

ニュートロン東京港区南青山2-17-14
「大舩真言 - Prism」
1/10-2/1



南青山に注目すべきギャラリーが誕生しました。日本画を「出自」に、光と色に包まれた「多面体」(ともに画廊HPより引用)を描く大舩真言を紹介します。京都よりやって来たニュートロン東京のオープニング個展を見てきました。





まずは作家云々の前に、同ギャラリーの建物について触れないわけにはいきません。外観のシンプルなホワイトキューブからして、さながら南青山のフラッグ・ギャラリーとなり得るようなインパクトがあるのではないでしょうか。白く、また重厚な入口扉の先に開けたのは、暗がりの地底世界に広がる『真夜中の海』でした。同ギャラリーは計三層、旧住宅をリノベーションした一戸建てです。吹き抜けのガラスからは柔らかい光も差し込み、フローリング上にソファの並ぶ住居風のスペースにて作品を楽しむことが出来ました。その居心地の良さは山手線内の画廊随一と言って良いでしょう。





一階より三階へ向かうにつれて、明るくなりゆく外光の効果を取り入れた大舩の絵画は、まるでモネの「睡蓮の池」のような輝きを放っています。森の奥の湖面より靄が沸き立ち、深い藍色に包まれた青みが無限の時を刻んでいました。また星屑を巻いたような画肌に見る、仄かな立体感もさらなる深みをもたらしています。光の移ろいに呼応して表情を変化させる様子は、たとえばニューマンの「アンナの光」(川村美)を連想させました。水の質感、大気の循環、そして日本画の素材に由来もするのか、水墨の幽玄さをも引きつけています。まさに多面的な様相をとる作品です。



ユニマット美術館そばの住宅街の中にあります。銀座線外苑前駅(浅草側の出口が便利です。)よりも至近でした。



ともかくこの空間を味わってみて下さい。2月1日までの開催です。
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