2009年 私の気になる美術展(「美術の窓」最新号より)

少し遅れましたが「美術の窓」の今月号に、今年の展覧会情報が掲載されています。以下、該当の「今年必見の展覧会ベスト200」記事より、私が注目したい展示をリストアップしてみました。

[2009年 私の気になる美術展]

「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」川村記念美術館 2/21-6/7
待望のロスコ展が『聖地』川村でついに開催。シーグラム壁画の半数を一堂に見る機会など最初で最後になるかもしれない。



「ルーヴル美術館展」国立西洋美術館 2/28-6/14 (京都市美術館 6/30-9/27)
新美とのルーヴル対決では、17世紀ヨーロッパ名画に絞った西美に軍配があがりそう。個人的にはダウ、ロラン、ドルチ、ラ・トゥールなどが楽しみ。



「やなぎみわ」東京都写真美術館 3/7-5/10 (国立国際美術館 6/20-9/23)
新作を含む27点で構成されるというやなぎみわの個展。「マイ・グランドマザーズ」などを出品。

「山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年」府中市美術館 3/20-5/10
超大当たり企画「動物絵画の100年」の感激を再び!若冲の石灯籠をはじめ、曾我蕭白の山水画の傑作「月夜山水図屏風」などを紹介。



「阿修羅展」東京国立博物館 3/31-6/7 (九州国立博物館 7/14-9/27)
既に異様な広告露出度を誇る展覧会。興福寺所蔵の阿修羅を含む八部衆像と十大弟子像を一挙に公開する。会員数6000名突破の阿修羅ファンクラブはもう入られましたか。

「岸田劉生」損保ジャパン東郷青児美術館 4/25-7/5
没後80年を迎えた岸田劉生の画業を、特に肖像画に焦点を絞って紹介する回顧展。苦手な画家だが、絵の説得力は抜群なだけに、非常に見応えのある展示となりそう。



「ネオテニー・ジャパン 高橋コレクション」上野の森美術館 5/20-7/15
鹿児島や札幌でも話題を集めた現代アート展がいよいよ東京に殴り込みをかける。青山悟、池田学、小川信治、小谷元彦、さわひらき、奈良美智…、出品作家を眺めるだけでも涎が出る。

「日本の美と出会う 琳派・若冲・数寄の心」日本橋高島屋 6/3-15 (難波・京都・名古屋の各高島屋へ巡回。)
細見美術館のコレクション展。琳派、若冲とあれば見ないわけにはいかない。



「ゴーギャン展」東京国立近代美術館 7/3-9/23 (名古屋ボストン美術館 4/18-6/21)
超大作「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」を日本初公開。ボストン美術館のゴーギャン作品と合わせて展観する。

「だまし絵展 イリュージョンを楽しむ」Bunkamura ザ・ミュージアム 6/13-8/16 (名古屋市美術館 4/11-6/7 兵庫県立美術館 8/25-11/3)
アルチンボルド派からマグリットまでを紹介する。西洋絵画の奇想絵展となるか。

「写楽 幻の肉筆画~マノスコレクションより」江戸東京博物館 7/4-9/6
コルフ・アジア美術館(ギリシャ)で発見された、写楽の肉筆扇面画を世界で初めて公開。写楽以外にも状態の良い歌麿、清長らの浮世絵も出る予定。

「鴻池朋子展」(仮)東京オペラシティアートギャラリー 7/18-9/27
意外にも都内美術館では初めてとなるという鴻池の個展。「床から天井まで空間をまるごと使ったインスタレーション」(美術の窓より)に期待。

「シアトル美術館名品展」サントリー美術館 7/25-9/6
日本国外では最良(美術の窓より)とされるシアトル美術館の日本美術コレクションを公開。詳細は不明。

「一蝶リターンズ」板橋区立美術館 9/5-10/12
板橋の江戸絵画シリーズにハズレなし。英一蝶の画業を一挙に展観。講演会などの関連プログラムにも期待出来そう。

「パウル・クレー」(仮)横須賀美術館 9/5-10/18
海を望む白いテラスにあのリズミカルな色彩はどう反応するのか、横須賀美でのクレーの展覧会。



「速水御舟 日本画への挑戦」山種美術館 10/1-11/29
現在、新築中の新山種美術館のオープニングを飾る展覧会。既知の作品は多そうだが、珠玉の御舟コレクションを見る最良の機会となるだろう。

「束芋展 断面の世代」(仮)横浜美術館 12/11-2010年3月(未定)
無味乾燥な横浜の箱に対して束芋はどう挑むのか。過去最大となるという個展。

如何でしょうか。どうしても関東一円に偏ってしまいますが、今年もまた面白そうな展示が盛りだくさんです。

「美術の窓 2009年02月号」

なお同月号には、お馴染みの「2008年展覧会入場者数ベスト50」も特集されています。それによれば、一位はやはり都美のフェルメールでした。ちなみに93万人という総入場者数は、「モナ・リザ」(1974年/151万人@東博)、「バーンズ・コレクション」(1994年/107万人@西美)に続き、歴代3位だったそうです。道理で平日でも入場まで一時間も待つわけでした。

会期などの記載ミスがあるやもしれません。詳細は誌面をご覧下さい。
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