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Musical Baton

「Musical Baton」Takさんから廻ってきました。

「海外のブログに端を発する、音楽に関する企画。音楽に関するいくつかの質問が「バトン」として回ってきたら、自分のブログ上でこれらの質問に答え、次の5人を選びその人にバトンを渡す、というルール。」

初めて知りましたが、検索してみるとあちこちのブログで取り上げられているようです。「次の五名へ渡すルール」というのがとても義務的ですが、折角バトンを受け取ったので「回答」だけはしてみます。

1.コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量
殆ど入っていません。音楽は今のところステレオで楽しんでいます。

2.今聞いている曲
ウェーベルンの「ヴァイオリンとピアノのための4つの小品」です。最近ステレオに入れっぱなしのブーレーズのコンプリートボックスから聴いています。

3.最後に買ったCD
CDは憶えていません。ただ、先週、中古CD店で投げ売りになっていたセルのレコードを何枚か買いました。

4.よく聞く、または特別な思い入れのある5曲

・モーツァルトのピアノ協奏曲:インマゼールの演奏で一通り聴くのが好みです。古楽器系では、とてもおすすめできるCDだと思います。

・ウェーベルンの全集:今も聴いているブーレーズの「コンプリートボックス」を聴くのが最近の日課(?)です。ウェーベルンは作品数が少ないので、全部聴いてもそんなに時間がかかりませんし、とても美しい作品ばかりです。

・ギュンター・ヴァント「エッセンシャル・レコーディングス」:ヴァントの至芸をたっぷり楽しめるボックスです。ブルックナーからストラヴィンスキーまで。彼の精緻な演奏は曲を浮き彫りにします。

・スティーブ・ライヒ「18人の音楽家のための音楽」:ライヒの代表作です。この音楽をかけると部屋の空気が一変するような気配がします。

もう一曲がどうしても思いつきません。また、思い入れのある曲もたくさんありすぎて、取りあえず、最近良く聴く曲を挙げてみました。日によってはドニゼッティやロッシーニのオペラばかり聴いている時もあります。このところはクラシックばかりです。

5.バトンを渡す5名
バトンが欲しい方はいらっしゃいますか。ここに5本余っていますのでご遠慮なくどうぞ…。「はい、あなたどうぞ。」というのは私には抵抗があります。

それにしても妙な企画もあるものです。単純な計算では、15回で廻ることで地球の総人口を超えてしまいますが、どれほどまで流行っているのでしょうか。
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哀しみのカンタービレ ジュリーニ氏逝去

艶やかでありながら品の良さを思わせる高貴な雰囲気。希有な芸術性を持った指揮者がまた一人亡くなってしまいました。心よりご冥福をお祈り致します。

訃報:C・M・ジュリーニさん=イタリアの著名指揮者(毎日新聞)
カルロ・マリア・ジュリーニ氏(イタリアの著名指揮者)14日、イタリア北部ブレシアで死去、91歳。死因は不明だが、終末医療施設に長期入院していた。

私がクラシックを聴き始めた頃には既に指揮活動を引退なさっていて、残念ながら一度も実演に接することが出来ませんでした。勝手な思い込みではありますが、彼は私にクラシック音楽の素晴らしさを教えてくれた指揮者の一人です。コンサートでの演奏はともかくも、CD録音では期待を裏切られたことがありません。大好きなシカゴ響とのマーラーの交響曲第九番の演奏では、大河のように滔々と流れる哀しみのカンタービレに強く心を打たれます。節目節目にじっくりと構えて聴きたい演奏です。

ジュリーニの数ある録音の中でも、私が特に頻繁に接したのはオペラです。壮大な劇を遅めのテンポで深く陰鬱にまとめた「ドン・カルロ」や、細部まで丁寧に歌い上げてしっとりとした味わいの「ファルスタッフ」、それに颯爽とした瑞々しいキレの良さを感じさせるモーツァルトの「ドン・ジョバンニ」や「フィガロの結婚」などは、今でも私がこれらの曲を聴く時の「ベスト盤」的な存在です。膨大な量の録音の中には、入手困難となっているものも多くあるそうですが、最近再発されているシリーズを含めて、これからまたどんどん「再評価」されることに期待したいです。

*カルロ・マリア・ジュリーニ 1914/5/9(バレッタ)~2005/6/14(ブレシア)

 1946~50 ローマ・イタリア放送管弦楽団 主席指揮者
 1950~53 ミラノ・イタリア放送管弦楽団 音楽監督
 1953~58 ミラノ・スカラ座 主席指揮者
 1969~73 シカゴ交響楽団 首席客演指揮者
 1973~76 ウィーン交響楽団 主席指揮者
 1978~84 ロサンゼルス・フィルハーモニック 音楽監督
 1993~ ミラノ・ジュセッペ・ヴェルディ交響楽団 名誉指揮者

 来日は、イスラエル・フィルやロサンゼルス・フィルなどと三度なさったそうです。
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若杉弘氏、新国立劇場の次期芸術監督予定者として芸術参与に就任

次期芸術監督予定者(オペラ)について(新国立劇場)
本日(6月15日)、財団法人新国立劇場運営財団理事会において、本年7月1日より若杉弘氏が次期芸術監督予定者(オペラ)として芸術参与に就任することが決定いたしましたので、お知らせいたします。

ノヴォラツスキー芸術監督の後任が事実上決定しました。若杉さんについては恥ずかしながら実演に接したことがないので何とも申し上げられませんが、現在はびわ湖ホールの芸術監督などを務められていて、オペラに対する造形が深いことは聞いています。新国立劇場でも十分にその力を発揮していただけるものでしょう。(ヴェルディやR.シュトラウスのあまり有名でない作品も、レパートリーになるでしょうか。その辺も楽しみです。)

私は随分と意外な印象を受けましたが、決まってしまえば納得の人選かもしれません。五十嵐さんからノヴォラツスキー氏、そして若杉さんへ。毎回変化を見せる新国立劇場ですが、今回の決定にはどのような意図が込められているのでしょうか。芸術監督としての任期予定は、2007年9月から2010年の8月までだそうです。
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フィラデルフィア管弦楽団来日公演(東京) NHK教育「芸術劇場」より

「NHK芸術劇場」 NHK教育(6/5 22:00~)

曲 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
  マーラー/交響曲第5番

指揮 クリストフ・エッシェンバッハ
ピアノ ラン・ラン
演奏 フィラデルフィア管弦楽団

今週の「芸術劇場」は、先月の22日に東京で行われたフィラデルフィア管弦楽団の公演の録画でした。私も、マーラーの第九交響曲の演奏会へ出向き、拙く煮え切らない感想をアップしたのですが、今回放送された日のプログラムは、ピアノにラン・ランを迎えてのベートーヴェンのピアノ協奏曲第四番と、マーラーの第五交響曲でした。

ラン・ランのピアノは、情熱がほとばしるような力感と、時折見せる安らぎに満ちた表情が大変に魅力的でした。高音域でのガラスのような透明感を持つ音と、中音域の人懐っこい語り口、それに低音部でバシッと決まる大迫力。全てに惹かれるものがあります。第二楽章は、指揮のエッシェンバッハによるものなのか、異常なまでに陰鬱な雰囲気を漂わせていましたが、ラン・ランもそれに劣らないほど曲へ没入していて、全身で指先に力を込めるように、一音一音を緊張の糸で絡めるように奏でていました。歯切れの良さと重厚感も併せ持っているからなのか、カデンツァを含めた音楽への表情付けが、実に幅広くなっているのにも目を見張らされます。全く単調になりません。

マーラーは自宅のTVの貧弱なスピーカーで聴いてもかなり強烈な演奏でした。華やかな箇所はまるで太陽のような輝きをもつように、そして重々しい部分は地を這うような深みを感じさせながら、左から右、上から下へと、時には急転直下的に大きく表情を変化させます。それが恣意的過ぎるのか、曲の本質的な部分をえぐりとっているのかは私には判断できませんが、ここまでぶれの大きいマーラー(決して「うねり」でもないように思うのですが。)もなかなかないと思いました。

私が最も感銘できたのでは第四楽章です。フィラデルフィアの力強い響きを思う存分引き出したアダージェットの美しさには、エッシェンバッハの何かの祈りが込められているようでした。(その一方で、第五楽章は意外にも小気味よいリズムで、愉悦感を思わせるような演奏となっていました。)

賛否両論あるエッシェンバッハですが、今後はどのような方向を見せるのでしょうか。これまでは殆ど意識したことがなかったのですが、なかなか目の離せない指揮者なのかもしれません。
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ショルティとウィーンフィル 思い出の名演奏

N響アワー 「思い出の名演奏」 NHK教育(5/29 21:00~)

曲 R.シュトラウス/交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
  ベートーヴェン/交響曲第7番

指揮 ゲオルグ・ショルティ
演奏 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1994年にサントリーホールで行われたショルティとウィーンフィルの演奏会です。ショルティは生涯に七度の来日をしているそうですが、このコンサートが結果的に最後となりました。彼はこの三年後には天に召されたわけですが、それにしても82歳とは思えないようなエネルギッシュな指揮ぶりです。驚かされました。

乱暴な括り方をお許しいただければ、ショルティやセルなどの「ハンガリー系指揮者」は、オーケストラを厳格に統制し、そこから、筋肉質で引き締まった響きを最大限に引き出す巧さを持っているように思います。特にショルティは、その中でも最も音楽に「甘さ」や「揺らぎ」を付け加えない指揮者かもしれません。一曲目の「ティル」では、まさにそのような印象を受けます。目まぐるしく表情が変化するこの曲を、金管の硬質な響きにのせてテキパキと処理します。ウィーンフィルの甘美な弦の美しさも、彼の前ではギシギシと動く歯車の機械的な音のようです。

ベートーヴェンの第七交響曲では、「ティル」ほどの厳格さはありませんでした。ショルティの指揮姿は、体を小刻みにカクカクと動かしたり、目を突如ギョロッと見開いたりして何やら異様な雰囲気ですが、意外とゆったりとしたテンポで各主題を歌わせて、時折、アンサンブルをビシッと揃えていきます。感情的で有り過ぎない第2楽章の腰の据わった表現、それに、一音一音をパズルのように組み合わせて音の全体像を作り上げていった第4楽章の「構成美」が印象に残りました。

始めに「ハンガリー系指揮者」などという、適当なカテゴリーを作ってしまいましたが、もしそれが許されるなら、その中ではジョージ・セルが私の最も好きな指揮者です。ショルティの演奏は殆ど聴かないので、何とも言いようがありませんが、リングやマーラーのCD以外に、何か面白いものがあるでしょうか。今日の録画を拝見して少し興味を持ちました。
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ウィーンフィルとベルリンフィルの合同演奏会を聴く

速報 ウィーン芸術週間2005 NHKFM(5/18 19:20~)

曲 マーラー/交響曲第6番「悲劇的」

指揮 サイモン・ラトル
演奏 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

こんにちは。

ウィーンフィルとベルリンフィルの合同演奏会を聴いてみました。5月4日にウィーン楽友協会大ホールで録音された演奏です。

ところで、この演奏会は、言うまでもなく両オーケストラにとって初めての記念碑的なイベントです。実現までには多くの紆余曲折があったのではないかと想像できますが、解説の山口真一氏によれば、きっかけはラトルの誕生パーティの席上で出た何気ない話題からとのことです。ベルリンとウィーンの双方を股にかけた指揮者も結構多いと思いますが、この企画を実現にこぎ着けたのはやはりラトルの人望によるものなのでしょう。

演奏は、良い意味でも悪い意味でも中庸だったと思います。当然ながらピッチからして違いますから、ラトルも安全運転になってしまったのかもしれません。第2楽章の情感的な旋律美や、徐々に盛り上がっていきながらハンマーも勇ましかった第4楽章は聴き応えがありましたが、曲をあまり深く掘り下げるような印象がなく終わりました。ラトルとバーミンガムの演奏と比べると、随分と大味な感じがします。もちろん、比べることそのものが野暮なことではありますが…。

第一、第二ヴァイオリンの主席はベルリンフィルから、ヴィオラ、チェロのそれはウィーンから、そしてメンバーもほぼ半分ずつ、さらには公演もベルリンとウィーンの両都市で一回ずつと、全てが半々に分けられた企画だったそうです。伝統と革新を持ち続けた両オーケストラのことですから、どちらかに肩入れをするようなことがあれば全てが駄目になったかもしれません。次回はあるのでしょうか。手慣れていくと、もしかしたら今までにない表現が聴ける演奏になるようにも思いました。
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「音のパレット」 N響アワー(NHK教育) 5/15

こんにちは。

先ほどまで「N響アワー」を見ていました。何気なくTVの前に寝そべっていただけですが、丸々一時間視聴したのは久しぶりです。

今日の放送は、「池辺晋一郎の音楽百科」とのことで、「24色の音のパレット」というお題でした。音楽の長調と短調を合わせた24の調性を「色」にたとえて、曲を「絵画」を見るように分析(?)する内容です。ハ長調の壮大で勇壮な響きには「ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲」を、また、ハ短調ではマーラーの「復活」の冒頭などが挙がっていました。音楽理論の素人である私にとっての「調性」とは、どうも中学・高校時代の「音楽」での悪戦苦闘(作曲や理論は大の苦手でした…。)につながってしまうのですが、今思うと「調性」を意識しながら聴くのも、クラシック音楽を味わう楽しみの一つかもしれません。

変ホ長調として取り上げられたのは、モーツァルトの交響曲第39番でした。指揮はツァグロゼクです。(一昨年11月のB定期でしょうか。)全体が引き締まった見通しの良い感触で、私の好きなタイプの演奏でした。確かこの時は、私もA定期のマーラーの第四交響曲をホールで聴いたと思います。精緻な指揮ぶりが印象的な音楽でした。ツァグロゼクはシュトゥットガルト州立歌劇場の音楽監督としてご活躍されていて、DVDも多くリリースされていますが、この演奏を聴くと改めてまた生で聴いてみたいと思います。

最後に放送されていたのは、デュトワ指揮のメシアンの「神の現存の3つの小典礼」です。これは実際にホールで聴きました。(昨年の1月です。メインはフォーレのレクイエムでした。)オンド・マルトノの響きがとても楽しく、大井さんのピアノと合わせて、曲の意味そっちのけで聴き惚れていたのを覚えています。番組では、ワーグナー以降の調性の揺れを実感できる音楽として紹介されていましたが、この音楽に色を付けるとどうなるのでしょうか。暗闇の中に小さく瞬く白銀の光。宇宙の深遠なイメージが頭をよぎります。一つの色で表すのは少々難しいようです。

(若村さんから大河内さんへ交替されてから初めてじっくり見ました。まだ少々ぎこちない印象も受けましたが、そのうちに手慣れていかれるのでしょう。池辺さんのお好きな「ギャグ」も軽く対処なさることと思います…。)
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来年の「熱狂の日」はモーツァルト!?

今日の朝日新聞朝刊文化面に、「クラシック活性化にヒント 熱狂の日音楽祭に30万人」というタイトルの記事が掲載されていました。内容は、今回の「熱狂の日」を「大成功」として位置づけた上で、それをクラシック業界の今後にどう繋げるのかを問うものです。その中に「来年も5月4日~6日、モーツァルトをテーマに開催が決定。」と書かれていました。まだ公式のアナウンスがありませんので何とも言いようがありませんが、2006年の「熱狂の日」はモーツァルトということでほぼ決定の模様です。これは今から楽しみです。

公式HPにも記事にも載っていましたが、主催者側のアンケート(解答430人。)によれば、来場者の約半数以上がクラシックビギナー(年のコンサート回数が一回から二回以下。)の方だったそうです。また、来年も参加したいと答えた方は何と全体の95%以上だったとか。主催者側としても、予想以上のチケットの売れ行き(目標を3万5千枚上回った。)や、このようなアンケートの声に自信を持って来年の企画に取り組むのでしょう。今年の不備をカバーしながら、是非とも息の長い企画としていただきたいものです。
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「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2005」が閉幕

「熱狂の日」音楽祭が閉幕、3日間で29万人来場(YOMIURI-ON-LINE)
東京・有楽町の東京国際フォーラムで4月29日から開かれていたクラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2005」(東京国際フォーラム主催、読売新聞社、日本テレビ放送網など特別協力)が1日閉幕した。

有楽町の東京国際フォーラムで連日開催されていた「熱狂の日音楽祭2005」が終了しました。「特別協力」の読売新聞の報道によれば、三日間でなんと約30万人もの方が押しかけたそうです。「大盛況」と言って問題ないでしょう。

既に拙い感想をアップしましたが、私は最終日の「ミサ・ソレムニス」だけを聴いてきました。熱心なクラシックファンの中には、朝から夜遅くまでひたすらコンサート三昧という方もいらっしゃったそうです。主催者としては予想以上の人出だったのか、当日券のチケット販売にかなりの不手際があり、長時間待たされたあげく、結局入場出来なかったという例もあったと聞きました。その辺は残念ではありますが、老若男女、様々な方々が東京国際フォーラムへ足を運んで、ベートーヴェンを堪能したというのは事実のようです。

普段クラシック音楽を聴かない人々を取り込んだイベントでもありました。そう言われれば、確かに会場はカジュアルでかつ華やかな印象で、クラシックコンサートにありがちな独特の窮屈な雰囲気は見られませんでした。(それはそれで結構好きなのですが…。)またフォーラムの中庭には世界の食べ物(?)を売るワゴンが出ていたりして、ワインやビールなどを片手に談笑されている方も多く見かけます。さらには、普段ならまず売れなそうなベートーヴェンのグッズもたくさん並べられていました。これらは見るだけでも楽しめます。(グッズは9日まで販売しているそうです。)

チケット販売の不備はともかくも、価格設定は嬉しい限りでした。(「ミサ・ソレムニス」はコストパフォーマンス的にも最高の公演でしょう。)来年はモーツァルトのメモリアルイヤーでもありますが、日本での企画は単発のものなのでしょうか。街全体を盛り上げて音楽祭を開催するには、東京は少々図体が大きすぎますが、取りあえずの利便性やキャパシティを考えると、会場はここぐらいしか思いつきません。是非、息の長い企画にして、ゴールデンウィーク中の都心の新しい目玉にしていただきたいものです。
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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2005

あちこちで宣伝してるので既にご存知の方も多いかと思いますが、今日から三日間、東京国際フォーラムで「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2005」が開催されます。これは、1995年に誕生したフランスのナントで開催されている音楽祭の「東京バージョン」ということで、今日から5月1日までの間に、約150ものコンサートが開かれます。まさに「熱狂の日」に相応しいようなハードでエキサイティングな音楽祭です。

公式HPを何度見てもその全貌がなかなか掴みにくいのですが、テーマ作曲家であるベートーヴェンの音楽が、毎日朝から晩まで、同時進行的に、様々なコンサートで奏でられていきます。値段も無料から最大で3000円と素晴らしく良心的です。既に前売り券が売り切れているコンサートもありますが、原則的に全て当日券を出すというアナウンスがあります。また参加アーティストも実にバラエティーに富んでいます。相当に力の入った音楽祭です。これに参加しない手はありません。

私が一番注目しているのは、コンチェルト・ケルンとRIAS合唱団による「ミサ・ソレムニス」です。この組み合わせでチケット価格がわずか2000円と言うのも素晴らしいですが、東京で、これだけハイレベルの古楽器オーケストラで「ミサ・ソレムニス」を聴けるチャンスがあるでしょうか。是非聴いてきます。

公式サイト:東京国際フォーラム「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」
チケット:ぴあ(特設ページ)
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大胆さと緻密さと ヤンソンス指揮バイエルン放送響のコンサート

日本におけるドイツ年(3) NHKFMベストオブクラシック(4/27 19:00~)

曲 サン=サーンス/ヴァイオリン協奏曲第3番                     
  ラヴェル/「ダフニスとクロエ」組曲第2番

指揮 マリス・ヤンソンス
ヴァイオリン ジュリアン・ラクリン
演奏 バイエルン放送交響楽団

こんにちは。

ドイツ年特集の第三弾は、ヤンソンスとバイエルン放送響のコンサートです。一曲目のバルトークは聴き逃してしまいましたが、今日も耳を傾けてみました。

まずは、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲の中で抜群の知名度を誇る第三番です。少し曲想がごちゃごちゃしているような印象を受けますが、第二楽章の幻想的な旋律美と、第三楽章の楽しげなリズムや勇ましいファンファーレが強く記憶に残るなかなかの名曲です。ラクリンのヴァイオリンは、右に左にと大きく振れるような幅広い即興的な表現で、この音楽の持つ愉悦感をしっかりと伝えてくれました。ヤンソンスとバイエルン放送響も重心を低く抑えた好サポートです。良い演奏でした。

ダフニスとクロエの組曲では、オーケストラが驚くほど軽やかな響きを聴かせてくれます。ゆったりとした大きな流れに浸りながら、一つ一つの旋律がポッカリと浮かび出すのが素晴らしく、ヤンソンスの幅広いレパートリーに対する巧みな表現力を見せつける演奏だったと思います。繊細で美しく、また素朴な響きは、まるでラヴェルが武満の曲へと変化したかのようです。(?!)

私はこれまであまりヤンソンスを注目して聴いたことがありませんでしたが、確かにこの日の演奏を聴く限りでは、最近凄い勢いで注目されている指揮者だというのにも何となく頷けます。彼の演奏では以前ショスタコーヴィッチの交響曲のCDを頻繁に聴いていました。他にも何かオススメのCDはあるでしょうか。もう少し聴き込んでいきたい指揮者です。
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ラトルとベルリン・フィルによるブラームスの第2交響曲

日本におけるドイツ年(1) NHKFMベストオブクラシック(4/25 19:00~)

曲 シマノフスキ/ハーフィズの歌
  ブラームス/交響曲第2番ニ長調

指揮 サイモン・ラトル
メゾ・ソプラノ カタリナ・カルネウス
演奏 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

こんにちは。

今週のベストオブクラシックは、日本におけるドイツ年特集とのことで、ドイツの有名オーケストラが続々登場するそうです。今日はまずその第一回目で、ラトル&ベルリン・フィルのコンサートが放送されていました。(一曲目のサーリアホは聴き逃しましたので、二曲目のシマノフスキから聴きました。)

初めて聴いたシマノフスキの「ハーフィズの歌」は、穏やかな表情と美しい旋律が魅力的な情感溢れる曲です。シマノフスキに定評のあるラトルだけあってか、演奏も実に緻密で情緒的。メゾ・ソプラノのカルネウスの落ち着いた歌声と相まって、線の柔らかい牧歌的な良い演奏になっていたと思います。このような比較的マイナーな音楽を、たくさん演奏するのも彼ならではでしょう。「ロジェ王」は既に名盤としての地位を確立していますが、今後も多くのシマノフスキをCD化していただきたいものです。

二曲目は、今年の来日プログラムでも取り上げていたブラームスの第二交響曲でした。第一楽章こそやや冴えない印象も受けましたが、第二楽章から第三楽章へ移るにつれて、音楽がうねりながら一本の大河のようにどっしりと流れゆく様はさすがです。第四楽章は、好き嫌いが分かれそうな曲芸的な「仕掛け」が随所にありましたが、概ね好演だったと思います。先日の日本公演ではどのように受け止められたのでしょう。

それにしてもベルリン・フィルはラトルの手にかかると、響きに強い粘性を帯びてくると思います。カラヤン時代の録音と聴き比べると、響きの厚さという点では隔世の感がありますが、リズムの変化に対する抜群の反応と、腰の低く据わった粘り気のある表現は、ベルリン・フィルの魅力を倍加させるかのようです。早く実演に接してみたいものです。
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リッカルド・ムーティがスカラ座の音楽総監督を辞任。

イタリアから急なニュースが飛び込んできました。

ムーティ氏が音楽総監督を辞任 ミラノのスカラ座(asahi.com)
世界的に有名な指揮者リッカルド・ムーティ氏(63)が2日、86年から務めてきたイタリア・ミラノの歌劇場スカラ座の音楽総監督を辞任した。スカラ座総裁の解任をめぐり、同氏は2月から劇場職員らと対立。職員によるストでオペラの上演がキャンセルされるなど、混乱が続いていた。

以前からも様々な騒動が報道されていました。

名門スカラ座が大揺れ 総裁解任に労組反発(sankei.web)3/4記事

オペラハウスでは日常的とも言えるゴタゴタが、遂に監督の辞任劇までに発展したようです。ムーティは86年からスカラの監督を務めていたとのことですが、私などは「ムーティと言えばスカラ。」と決めつけてしまうぐらい、この両者の深い関係を確固たるイメージとして捉えています。今度は一体どのような方向へ進むのでしょう。スカラの後任は?そしてムーティの新たなポストは?しばらく目が離せそうもありません…。
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CCCがヴァージン・メガストアーズを買収。

クラシックとは直接関係ありませんが、こんな記事を見つけました。

CCC、ヴァージン・メガストアーズを丸井から買収(NIKKEI NET)
AV(音楽・映像)ソフトレンタル最大手のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)がソフト販売のヴァージン・メガストアーズ・ジャパン(東京・豊島、根本高志社長)を買収する。31日付で丸井から全株式などを約12億円で取得する。CCCは全22店舗を引き継ぎ、ソフト販売事業でのシェア拡大を狙う。

CDチェーンのヴァージンCCC(TSUTAYAの親会社)に買収されました。記事にもある通り、CCCはこの買収を弾みとして、今後はソフト販売面の強化に取り組んでいくとのことです。また既存の店舗は引き続き運営されるともあります。

ところで、ヴァージンと言うと、数年前に呆気なく閉店してしまった新宿店(新宿四丁目。現在は丸井のインザルームです。)を思い出します。クラシックのCDが大変に豊富で、他では取り扱っていないようなライブ盤なども揃っていました。また、店内にはゆったりとしたソファもあって、新宿の雑踏に疲れた時には良く休憩したのを覚えています。さらに併設のカフェ(しばらくしてからネットカフェになりました。)で、夜遅くまで甲州街道を流れる車のライトを見ながらボーッとしていた懐かしい記憶もよみがえります。(何年前のことやら…。)

CDの値段が全般的に高かったのと、ポイントカードのお得度がイマイチだったせいもあったのか、この店は次第に新宿南口のタワーレコードに押され気味となって、結局あえなく潰れてしまいました。今ヴァージンは他の店でも殆どクラシックを扱っていません。当時の新宿店に見られたような、クラシックへの力の入れようは一体何だったのでしょう…。

CCCは以前タワーの買収にも動いたことがあったと思います。(記憶が定かではないので、もしかしたら勘違いかもしれません。)ということでこれからCCCが、相当なスピードで縮小しつつある音楽CD業界をどう引っぱっていくのかに注目したいところです。(もちろん、クラシックCDの取り扱いへの過剰な期待は禁物ですが。)ちなみに、「ヴァージン」ブランドの使用については今後英国ヴァージンと協議していくそうです。場合によっては「ヴァージン」の名前が消えることがあるやもしれません…。
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東京都交響楽団への「リストラ」。

都が前々から計画していた都響のリストラ策が決定したようです。

オーケストラにもリストラの波、都響が能力主義導入(YOMIURI-ON-LINE)
国内屈指の名門オーケストラ、東京都交響楽団が、演奏者に有期雇用制や業績評価に基づく年俸制を適用するリストラ策を導入する。27日、楽員組合と事務局の交渉で決まった。国内の楽団で、演奏者に民間企業並みの能力主義を課す例は初めて。自治体や支援企業の動向で台所事情の厳しい楽団も多く、他団体にも影響を与えそうだ。

以前に、都響の演奏会会場でこの問題について書かれたビラをいただいたことがあります。その際に私も、少しだけ「リストラ」について見聞きしました。賛否両論と議論もなされていたようですが、例えば、最近の都現代美術館の経費削減を見ても分かるように、都による既存の文化的活動へリストラ策は、知事の強いイニシアチブを持って打ち出されています。私のような一ファンとしては、一千万都市が一つのオーケストラも満足に運営できないのかとも単純に思ってしまいますが、そんなことを嘆いても何もはじまりません…。この「リストラ」によって、都響がこの先どんな方向へ進むのかは確かに不安に思います。ただ、市場も決して大きくはないクラシックコンサートの世界では、巨大なオーケストラを色々な意味で支えていくのが何かと大変であるのも事実でしょう。(もちろんだからこそ「公」が支えるべきとも主張できます。ただ、その辺は議会や知事の判断、それに都民の判断を仰ぐしかありません。)しかし何とか都響には、今までのような水準を維持して欲しいものです。私もなるべく都響の演奏会へ足を運んで、今まで幾度も堪能させていただいた素晴らしい演奏に接することができればと、無責任ながらも思います。

ところで、報道にもあるオーケストラの契約雇用形態や、ある一定の年棒水準などは、諸外国や国内の他のオーケストラと比べるとどのように捉えられるのでしょうか。その辺を分析した記事が載るとありがたいです。
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