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ベルティーニさん、死去。

信じられない訃報が飛び込んできました。

指揮者のベルティーニさん死去 都交響楽団の音楽監督(asahi.com)
東京都交響楽団に入った連絡によると、世界的なマーラー指揮者で、同楽団音楽監督のガリー・ベルティーニさんが17日、テルアビブで死去した。77歳。

今日の夕刊の紙面にこの訃報が掲載されていました。あまりにも突然なことで、大変不謹慎ではありますが、悲しみよりも驚きの気持ちでいっぱいです…。本当に信じられません…。

私が一番最後に彼の演奏会と接したのは昨年の5月です。それは確か、上野の文化会館で行なわれた都響の演奏会で、彼が音楽監督として登場するのが最後となる定期公演でした。プログラムは、ドビュッシーやラヴェルに、モーツァルトの「ジュピター」だったかと思います。メインの「ジュピター」の爽快なテンポは今でも深く印象に残っていて、全身をリズミカルに動かしながら、本当に楽しそうに指揮をなさっていたその姿は、実にお元気そうでした…。まさかそれから数ヶ月でこんなことになってしまうなんて、あまりにも惨すぎます…。

記事には、お亡くなりになった原因などについては一切記載がありません。一体どうなさってしまったのでしょう。また昨年には、ナポリのサン・カルロ歌劇場の音楽監督に就任されました。その辺も含め、今後の新たな方向性にも大いに注目されていたところなので、本当に残念でなりません。私は、クラシックを聴いてからまだそんなに長い時間が経っているわけではありませんが、彼はいつも実演で高い水準の演奏を聴かせてくれた素晴らしい指揮者でした。ご冥福をお祈りします…。

都響HPにも訃報が掲載されています。
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サリエリの復権?

読売新聞のサイトでこんな記事を見つけました。

「モーツァルト『敵役』サリエリ、汚名返上の動き」(YOMIURI ON-LINE)
【ウィーン=石黒穣】映画「アマデウス」(1984年)でモーツァルトの宿敵として悪役のイメージが定着したイタリア人作曲家アントニオ・サリエリ(1750-1825年)。その名誉を回復する動きがウィーンで出ている。

プーシキンの「モーツァルトとサリエーリ」と映画「アマデウス」の力は大きすぎたようです。と言っても、映画「アマデウス」がなければ、サリエリがここまでの知名度を獲得することもなかったでしょう。その点では、いくらその人物像が誤っているにしろ、彼は「アマデウス」に感謝しなくてはいけないのかもしれません。何たってあの作品のおかげ(?)で、こうして現代でも名前があがるのですから…。(と言う私も、映画「アマデウス」で初めてサリエリを知りました。ただ、「アマデウス」はあくまでもフィクションですから、目くじらを立てて批判するのも大人げないように思います。映画としてはとても良く出来た作品です。)

サリエリの音楽には、何年か前に、紀尾井ホールの公演で「ファルスタッフ」に接したことがあります。終始小気味良い音楽が続き、大変楽しく聴きました。彼は生涯で四十作以上ものオペラを作曲しています。音楽的に彼が見直されれば、今回のスカラ座での「見いだされたエウローパ」(確かNHKFMでも放送されたと思います。)をきっかけに、各地で彼の楽曲が演奏されるのでしょう。これには大いに期待したいところです。

しかし、サリエリに限らず、モーツァルト同時期の作曲家は、あまりにも不憫な境遇に置かれています。例えば、フランスバロックなどは最近になって復権し、ヨーロッパではかなりの人気を博しているというのに、何故かモーツァルトと同時代の作曲家に関しては、せいぜいパパハイドンかグルックばかりです。せめてコンサートプログラムの一部でもいいから、ミハエル・ハイドンやエマニュエル・バッハが上演されれば…。日本でもそんな時代が来ると良いと思います。

ところで、史実のサリエリは相当の大物です。たくさんの音楽を作曲しながら、宮廷音楽家としての地位を築き、後年はベートーヴェンやシューベルトの指導にもあたりました。「魔笛」を聴いてその音楽を絶賛したと言うのは有名なエピソードですが、その時彼は何を感じたのでしょう。まさか映画のような「嫉妬」ではないと思いますが…。
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情熱と煌めきのモーツァルト。 アルゲリッチのコンチェルトを聴く。

グルダ・メモリアル・コンサート NHK教育芸術劇場(2/20 22:00~)

曲 モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番二短調K.466
  ベートーヴェン/ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲ハ長調第3楽章

指揮     クリスティアン・アルミンク
ピアノ    マルタ・アルゲリッチ
ヴァイオリン ルノー・カプソン
チェロ    ゴーティエ・カプソン
演奏     新日本フィルハーモニー交響楽団

こんにちは。

先ほどまでTVの前にて鑑賞していましたが、あまりにも強烈な演奏だったので、誉め言葉も見つかりません…。我が家の貧弱なTVスピーカーから、驚くほど生気に満ちたモーツァルトが流れてきました。(この番組に気がつくのが遅かったので、視聴したのはモーツァルトとアンコール曲のベートーヴェンです。)

vagabondさんが実際にこのコンサートをお聴きになられていて、詳細なレビューを残されておられますが、本当に素晴らしいコンサートだったのだろうと思います。TVを通してでも、ニ短調協奏曲が、信じられないまでに表情豊かな音楽となって演奏されているのが分かりました。この曲をあんなに情熱的に演奏するとは…。今まで何を聴いていたのだろうと自問したぐらいです。

アルゲリッチの手は、鍵盤の上を踊るように跳ねていました。もちろん、ただエネルギッシュに演奏していただけではありません。最も素晴らしいのは、音楽が崩壊してしまわないかと心配してしまう位、曲の流れを自在に操っていることです。まるで大波に揺られる小舟のよう…。アルミンクもインテンポでオケを統制し、筋肉質なモーツァルト像を描いていましたが、彼女はそれすらも一気に突き破るように進みます。力と力の激しいぶつかり合い。音楽が俄然面白くなっていました。

第2楽章では弱音の美しさを最大限に利用して、とても静謐な音楽を作り上げていました。あちこちに自然な「ゆらぎ」があり、一瞬たりとも同じ表情を見せることがありません。時間が瞬く間に過ぎていきます。第一と第三楽章のカデンツァも、情熱がほとばしります。TVの前でここまで心を揺さぶられたのは久しぶりでした。

これを生で聴いたら腰を抜かしたかもしれません…。技術的なミスなど、あまりにも些細なことに感じられます。芸術の凄まじさを実感させられたモーツァルトでした。
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ビオッティ氏、急逝。

フェニーチェ歌劇場音楽監督のビオッティさん死去(asahi.com)
ANSA通信が伝えたところによると、イタリア・ベネチアのフェニーチェ歌劇場音楽監督で指揮者のマルチェッロ・ビオッティさんが16日、ドイツ・ミュンヘンで死去した。50歳。

二度もオペラハウスを消失したフェニーチェですが、ここで新たな悲劇が生まれてしまいました。急死…。あまりにも早すぎます。

ビオッティはフェニーチェの音楽監督ですが、日フィルの首席客演指揮者でもあります。2000年には新国立劇場で「トスカ」を振られたこともありました。また5月には、フェニーチェ歌劇場の来日公演も控えていたところです。本当にこれからという時でしたから、ご本人もさぞ無念だったと思います。ご冥福をお祈りしたいです…。
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新国立劇場、二題

最近の新国立劇場の話題から二つほど…。

「歌手の水準低くオペラ短縮…新国立劇場『ルル』2幕に」(yomiuri on-line)
新国立劇場(東京・初台)は19日、来月8日から公演予定のオペラ「ルル」を、一部の歌手が芸術的に満足できる水準に達していないことを理由に、当初予定していた全3幕完成版から全2幕版に急きょ変更して上演すると発表した。これにより出演者が一部変更となるほか、公演時間も1時間半近く短縮される。

先週のニュースですので、もうご存知の方も多いと思います。また既にネット上や週刊誌などでは、きな臭い様々な憶測が流れたり、取り上げられたりしています。一体誰が水準に達していなかったのか、そして三幕版が前提となっていた演出はどうなってしまうのか、さらには降板された方は一体?…。色々な疑問点が挙ってきますが、それをあれこれここで詮索しても始まりません。全ては公演日に明らかになるのでしょう。私はまだ「ルル」を聴きに行くかどうか分からないのですが、かなり気になるところではあります。

「2005/2006シーズン オペララインアップの発表」(新国立劇場)
2005/9-10月 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(新制作) 指揮:シュテファン・アントン・レック
10月 「セビリアの理髪師」(新制作) 指揮:ニール・カバレッティ
11-12月 「アンドレア・シェニエ」(新制作) 指揮:ミゲル・ゴメス=マルティネス
11-12月 「ホフマン物語」 指揮:阪 哲朗
2006/1月 「魔笛」 指揮:服部譲二
2月 「コジ・ファン・トゥッテ」 指揮:オラフ・ヘンツォルト
2月 「愛怨」(創作委嘱作品・世界初演)台本:瀬戸内寂聴/作曲:三木稔
3月 「運命の力」(新制作) 指揮:井上道義
4月 「カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師」 指揮:ファビオ・ルイージ
6月 「こうもり」(新制作) 指揮:ヨハネス・ヴァルトナー


かねてから噂されていたマイスタージンガーですが、ついに正式発表となりました。しかしこの中では、何と言ってもルイージの「カヴァレリア&道化師」でしょうか。とても楽しみです。
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本物?モーツァルトの肖像画

モーツァルトファン(あくまでも自認…。)としては見逃せないニュースが飛び込んできました。

「モーツァルト最後の肖像画?見つかる=27日から一般公開-独」(時事通信/yahoo)
【ベルリン6日時事】ドイツの首都ベルリンにある美術館「ゲメルデギャラリー」は6日、所蔵する肖像画が作曲家モーツァルト(1756~1791年)の最後の肖像とみられることが分かり、生誕249年に当たる今月27日から一般公開すると発表した。
リンデマン館長によると、公開されるのは縦80センチ、横62.5センチの油絵。モーツァルトが死去した前年の1790年ごろ、ミュンヘンの宮廷画家ヨハン・ゲオルク・エトリンガー(1741~1819年)によって描かれた。


そして、その肖像画がこれです。


これは少々、にわかには信じがたい作品です。他の真性とされる肖像画に、似ていると言われればそう思うかもしれませんが、やっぱり違うのではないか思ってしまいます。強いて言えばぎょろっとした感じの目と、よく喋りそうな口元がモーツァルトらしいということなのでしょうか。ちなみにこれは、死去の前年、つまりモーツァルト34歳の時の肖像だそうですが、それにしてはちょっと老け過ぎているような気もします。もちろん、衰えていたのかもしれませんが…。(ちなみに、モーツァルトの肖像画はどれも似ていないとする意見もあります。)

1790年のモーツァルトと言えば、レオポルト2世の戴冠式にかこつけた求職旅行も失敗し、相変わらずの借金生活をしていた頃です。そんな頃に描かせたという肖像画ですから、どうなのでしょう、何か特別な目的でもあったのでしょうか。

記事は、美術館所蔵の肖像画がモーツァルト最後のそれと判明した、とだけ書かれていて、確証についての細かい説明がありません。モーツァルトの肖像画については、既に偽物とされたものが多く存在します。今後、この肖像画も、その真偽を巡って様々な議論を巻き起こしそうです。

ところで私が好きなモーツァルトの肖像は、小林秀雄の「モオツァルト」で有名なランゲ作の未完の作品です。ちょっと下を向いて、何かを想うような表情が好きです。

これを書いていると、久しぶりにモーツァルトが聴きたくなってきました。この肖像画が描かれたと言う、1790年初演の「コジ・ファン・トゥッテ」を楽しみましょう!
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テバルディさん、死去。

「伊の名ソプラノ歌手、レナータ・テバルディさん死去」
AFP通信が報じたところによると、戦後のオペラ界でマリア・カラスと人気を二分したイタリアの名ソプラノ歌手、レナータ・テバルディさんが19日、サンマリノの自宅で死去した。82歳だった。

asahi.comより。

あまりにも小さな記事でしたので、見落としそうになりましたが、新聞紙面上にも掲載されていました。

言うまでもなくデバルディは20世紀を代表するソプラノ歌手です。70年代にはすでに引退なさっていて、もちろん実演に接したことはありませんが、CDで、何回かその歌唱を楽しませていただきました。プッチーニの「ボエーム」。久々にプレイヤーにかけてみようと思います。

心からご冥福をお祈りいたします。
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年末恒例の・・・、バイロイト音楽祭。

こんにちは。

去年も頑張って聴いた記憶がありますが、今年もやるそうです。

バイロイト音楽祭2004 NHK-FM
12/25(土)~31(金)21:00~深夜

25(土) 「パルシファル」
26(日) 「タンホイザー」
27(月) 「さまよえるオランダ人」
28(火) 「ニーベルングの指環」前夜祭「ラインの黄金」
29(水)  第1夜「ワルキューレ」
30(木)  第2夜「ジークフリート」
31(金)  第3夜「神々の黄昏」

時間は夜9時から、深夜1時ぐらいまでです。終了時間は曲によります。

さすがに、全てその時間に聴くのは困難ですが、録音するなどして、何とか全部聴きたいと思います。と言うことで、来年も「黄昏」第3幕で迎えそうです。

詳しくは、NHKの「年末年始特集番組2004」をどうぞ。
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今年売れたCDはなんだろう。タワーレコードにて。

今日は久々にタワーレコードでいくつかのCDを購入しましたが、袋の中に「2004 CD&DVD BEST SELLERS」が入っていました。これは要するに今年のベストセラーです。もちろんクラシック部門もあります。ここに10位まで挙げてみましょう。

1位 シューベルト:交響曲第8番「未完成」、ブラームス:交響曲第4番、他
    クライバー&VPO、ドレスデン国立歌劇場O
2位 シューマン:交響曲全集
    ジンマン&チューリヒ・トーンハレO
3位 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1&2番
    ツィマーマン(P)、小沢征爾&BSO
4位 マーラー:交響曲第1番「巨人」
    コンドシラン&北ドイツ放送SO
5位 マーラー:交響曲第5番、第10番(バルシャイ編)
    バルシャイ&ユンゲ・ドイチェPO
6位 モーツァルト:レクイエム
    アーノンクール&ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
7位 マーラー:交響曲第2番「復活」、ドビュッシー:海
    アバド&ルツェルン祝祭O
8位 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2&3番
    アルゲリッチ(P)、アバド&マーラー室内O
9位 マーラー:交響曲第6番「悲劇的」
    バルビローリ&BPO
10位 ドヴォルザーク:交響曲第8番、他
    テンシュテット&LPO

1位は、言うまでもなく今年亡くなられたクライバーの追悼盤です。手に取られた方も多いのではないでしょうか。しかし、あらためて言うのも今更ではありますが、本当に亡くなられたのが残念でなりません。最近になって、クライバーのCDやDVDがたくさんリリースされるようになりましたが、出来ればやはり生前に出てほしかったと思います。

それ以下で目につくのは、やたらとマーラーが多いことです。ベストテンの中に、なんと4枚もマーラーのCDがあります。コンドシランやバルビローリあたりは、海賊盤などで話題となっていたのが、正規盤として発売されたもののようです。「良い音質で伝説の名演を聴きたい!」そんな根強いファンがおられるのではないでしょうか。

ジンマンも何気に凄い指揮者です。決して廉価レーベルの専門指揮者などと侮ってはなりません。昨年だったか、ベートヴェンの全集が大変に話題となりました。来日はなさらないのでしょうか。

このランキングは、これ以下にも40位までありました。詳しくは、タワーレコードのサイトで確認できます。私自身は今年、CDを買うことからかなり遠ざかってしまいましたが、皆さんはどのようなCDとの出会いがありましたでしょうか。しかし、こうしてランキングを眺めていると、どれも聴いてみたいものばかりです。

今年も残すところあと半月ばかり。こういった企画がなされているのを見ると、いよいよ年の瀬だという気がします。
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エマールとデュトワのベートヴェン。

第1530回N響定期公演生中継 NHK-FM(12/8 19:00~)

曲 ラヴェル/組曲「マ・メール・ロア」
  ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番ハ長調作品15
  ストラヴィンスキー/バレエ音楽「ペトルーシカ」(1911年版)

指揮 シャルル・デュトワ
ピアノ ピエール・ロラン・エマール(ベートーヴェン)
    横山幸雄(ストラヴィンスキー)
演奏 NHK交響楽団

こんにちは。

N響のBプロが生放送されていましたので聴いてみました。時間の関係から、ピアノ協奏曲の第2楽章からです。

エマールさんのピアノはとても透明感がありました。一音一音をとても大切にしているのでしょうか。なめらかで、甘すぎるぐらいのニュアンスを漂わせながら、ちょっとだけリズミカルに音楽を進めます。デュトワ&N響の落ち着いたサポートと相性が良いと思いました。オーケストラは、全体的に控えめな表現で、エマールさんのピアノを支えていました。解説の諸石氏が、「二百年前にこの曲が誕生したとは思えない演奏だ。まるで、今誕生したかのような表現だ。」とか仰っていましたが、私は逆に、この曲の古典的な部分を、奇をてらわずに表現しているのではないかと思いました。確かに、古典美とか言われるような、厳格な構成感はなかったように聴こえましたが、中庸の美でしょうか。そんな美しさがあったと思います。

ストラヴィンスキーは、この前、NHKホールで演奏された「交響曲」が素晴らしかったのですが、このペトルーシカも、その時と似たような表現で音楽が進められていました。大変失礼な言い方ではありますが、金管がちょっと危なっかしいのも同じだったと思います・・・。ただ、重心を低くして、あえてバレエ音楽とは思えないような、端正なリズムをとっていたのはデュトワの個性でしょうか。デュナミークの小さな方向にも配慮がなされた演奏だと思います。こういう表現、結構好きです。

B定期はなかなか行く機会がないので、こうしてFMで中継していただけるとありがたいです。
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ハイティンク75歳記念演奏会。ベートーヴェンの交響曲第7番を聴く。

ハイティンク75歳記念演奏会 NHK-FM(11/18 19:20~)

曲 ウェーバー/歌劇「オベロン」序曲
  R.シュトラウス/「ツァラトゥストラはこう語った」作品30
  ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調作品92

指揮 ベルナルト・ハイティンク
演奏 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

先ほどFMにて、ハイティンクとシュターツカペレ・ドレスデン(SD)の演奏を聴いてみました。ただし、初めのシュトラウスは聴きそびれてしまったので、後半のベートヴェンだけです。

第1楽章冒頭から、とても重心の低い落ち着いた響きが聴こえてきます。この辺りの特徴は、やはりSDの持つ伝統的な音色なのでしょうか。よく、このオーケストラの響きのことを、「いぶし銀」などと形容するのを聞きますが、まさにそんな印象を受けさせるものです。(ただし、故シノーポリが首席になった以降は、その音もかなり変わってきたという話もあるようですが…。)弦はやや固めの響きで、それが少し強調されているような感じもしますが、管がじつにしなやかで柔らかい!そしてこの2つの響きのバランスも見事です。腰の据わったハイティンクの指揮と重厚なSDの響き。これはなかなか相性が良さそうです。

1、2、3楽章とも、同じような端正なリズムで音楽が進みますが、それはこの曲に何を求めるかで評価が分かれてきそうです。私は、演技の少ない正統的なベートヴェンの演奏として、なかなか良いのではないかと思いました。もちろん最近はもっと攻撃的な印象を与える演奏も多いので、こればかりは好き嫌いの話かもしれません。

第4楽章は、響きに一層の厚みが出てきて、それとともにこの曲元来の力強さが全面に押し出されていました。そして、ここでもデフォルメなどを加えずに、殆ど奇をてらうことがありません。ただ、だからと言って、それが決して淡白で一本調子な感じとならないのはさすがなのでしょう。最後は少し熱くなっていましたが、基本的には、重厚さと冷静さを持ち合わせた、とても良い演奏だったと思います。

SDはたいへんに伝統のあるオーケストラで、その独特の響きに魅了される方も多いようです。確かに今、私の貧弱なステレオで聴いてみても、ただ上手いオーケストラとはひと味違うような響きが感じられました。R.ワーグナーはこのオーケストラのことを「奇跡の竪琴」と言ったそうですが、今もその伝統を受け継いでいるのでしょうか。オーケストラも国際化の流れが何かと激しいようですが、SDの伝統的な響きは、是非継承していってほしいと思います。
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ネットラジオで聴くクラシック音楽

先日PCを買い替えてから、よくインターネットラジオでクラシック音楽を聴くようになりました。さすがに音質面は期待できませんが、その手軽さを鑑みればなかなか上等です。PCからネットを通じてクラシックが流れるなどというのは、一昔前のことを考えれば隔世の感がありますが、ともかく、ただで世界のラジオが聴けるのなら試さない手はありません。私がよく利用するのは利便性から言ってiTunesですが、Windows Media Playerでもたくさんの局が選択できるようです。(勿論、iTunesもMedia Playerも、無料配布のソフトです。)

iTunesのラジオをひらくと、現時点で7つのストリームが自動的に検索されますが、その中で私が一番よく聴くのはradioio Classicalです。この局は24時間連続でクラシックを流しているのですが、その選曲がなかなか個性的…。20世紀以降の音楽がほとんどで、中には一度も耳にしたことのないようなマイナーな作曲家の音楽も流れます。と言っても、いわゆる難解な現代音楽風のものは少なく、どちらかというとロマン派の流れを受け継いだような作風の曲が多いので、BGMとしても構えることなく安心して聴いていられます。またサイトも分かりやすい作りです。

まだ、radioio Classicalのような2、4時間連続でクラシックを流し続ける局は少ないようですが、アメリカやヨーロッパには、クラシックを専門に流すインターネットラジオ局が多くあり、中にはオペラを一曲全部流すというような、積極的なところもあるようです。ただ、日本と欧米の時差で、どうしても音楽が流れる時間が、深夜や早朝が中心になってしまうのは辛いところです。ちなみにこれらのラジオ局に関しては基本的にiTunesでは無理で、各自のそのサイトへ行き、時間と曲を確認して、Real Playerなどで聴くしかありません。

iTunes (apple):勿論、Windows対応。フリー。

24時間クラシックネットラジオ局
radioio Classical
WCPE
Radio France Hector

24時間放送でなければ、他にもたくさんあるようです。
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最近気になったクラシック音楽関係の話題・・・

まず私事で恐縮ですが、数年ぶりにPCを買い替えました。そのためしばらくネット環境から離れていまして、このブログの更新も遅れていました。今日からはまた、前と同じようなペースで更新していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

さて、最近気になったクラシックの話題を三つほど挙げてみます。

「著名指揮者を終演直後逮捕 別居中の妻への生活費滞納」(sankei web)10/30

著名指揮者とは誰だろうか、と思いましたが、記事を読んでみると、なんとあのダニエル・オーレンではありませんか…。逮捕理由はとてもプライベートな理由によるものですが、既に釈放されたとのこと。日本では新国立劇場などで、ヴェルディなどのオペラをとてもエネルギッシュに指揮なさっていてファンも多いのかと思いますが、今後の活動が少し心配なところです。

「逆輸入CD、輸入禁止期間は4年に決定」(yahooニュース)10/29

いわゆる「海外盤CD規制問題」ですが、ここにきて1つの大きな動きがありました。それは、記事にもある通り、海外盤の規制を4年間にするということです。これは文化庁の要望通りだったとのことですが、これでいよいよ来年の1月から規制が始まります。前にも書きましたが、既に一部では海外盤の入手が難しくなっているという話も聞きます。本当に今後も全く目が離せません。

「モーツァルトの頭蓋骨の真贋、DNA鑑定で決着へ」(yomiuri on-line)10/28

これには驚かされました…。モーツァルトの葬儀、埋葬については、映画「アマデウス」でも有名なところで、いわゆる共同墓地に埋められたわけですが、そこからどの遺骨が真のモーツァルトのものなのかを確認するために、モーツァルトと父レオポルトの墓を掘り、相互の遺骨のDNA鑑定をするというのです。私としては、モーツァルトは18世紀の人だったとは言え、どうも彼の墓を掘るというのには抵抗があります。どうなのでしょうか。(もちろん古い墓を発掘調査するということは、考古学などでは一般的なのでしょうが…。)
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N響アワー(NHK教育) 「新・音楽監督 アシュケナージの「運命」 2004/10/17

今日のN響アワーは、先日、N響音楽監督に就任したばかりのアシュケナージの特集でした。

曲  ベートーヴェン/交響曲第5番 序曲レオノーレ第3番
演奏 NHK交響楽団

私はアシュケナージの演奏を、おそらくピアニスト時代も含めて一回も聴いたことがないと思います。(CDも含む。)ですから、この日のテレビ視聴が初めてのアシュケナージ体験でした。余計な先入観もありませんので、どんなベートーヴェンになるのか、本当に興味津々と言ったところでした。

「運命」は言うまでもなく名曲中の名曲である上に、N響もこの曲に対しては、その長い演奏史から独自のスタイルを持っていると思います。とすると、そのような曲を就任披露演奏会で演奏するということは、アシュケナージにとっての大きな挑戦であって、彼がこれからのN響との関係を大変に重視していることの現われなのかも知れません。(しかも、彼がウィーン古典派を得意にしているという話も聞いたことがない。)

番組では池辺晋一郎さんが、演奏に対して色々なコメントをなさっていましたが、私が一番思ったのは、「音楽の進行はとても早いのに、リズム感が随分と重い。」ということです。これは、彼の演奏スタイルなのかどうか分かりませんが、ともかく特に1楽章や終楽章で、音楽が唸りを上げながら粘っこく進むのには驚かされました。また、随所でデフォルメ的な表現もあるのですが、それも何だかよくわからない感じでして、どうも演奏全体を掴むことが出来ません。

勿論、テレビで一回聴いただけで、彼の演奏について云々するのもどうかと思うので、今週末の定期演奏会は久々にNHKホールまで出向いて聴いてくるつもりです。曲はチャイコフスキーの交響曲だったと思いますが、それは一体どんな演奏になるのでしょうか。
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ソニー、コピーコントロールCDの発売を停止

「ソニー、コピーコントロールやめ通常CDに切り替えへ」
http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20040930i413.htm(yomiuri on-line)

エイベックスに続いて、ようやくソニーもCCCDの販売を止めるようです。正しい方法ではPCにとりこめず、最近流行りのHD型携帯音楽プレイヤー(ipodなど。)では聴けないということが、メーカー側にとってかなりの痛手になったのではないでしょうか。私はそもそも、CCCDなどという商品はユーザーをかなり馬鹿にしたものだと思っていますが、ともかく、エイベックス、ソニーなどの国内大手レーベルがこのような判断を下したことで、残りの大手レーベルも(特にEMI!)考え直して欲しいと思います。

ただ最近はEMIも迷っているのか、路線の変更を考えているようで、商品によってはCCCDでないものもあります。例えばしばらく前に出たラトルの「フィデリオ」ですが、先行して発売された日本向け輸入盤はCCCDであるのに、その後発売された国内盤は通常のCDでした。またメシアンの「彼方の閃光」(国内盤)も通常のCDです。

記事によると「著作権保護に対する認識が高まり、成果を得たため。」とのメーカーのコメントがありますが、実際のところ、CDをCCCD化したことが、違法コピーをどれだけ防ぐことにつながったのでしょう。データがあるわけではありませんが、逆にメーカーへの風当たり(特にコアな音楽ファン。)を強め、結果的に音楽市場を縮小させているような気がしてなりません。言い換えれば、自分で自分の首を締めている状態ではないかと思います。

私が勝手に思うには、違法コピー問題の最大の要因は、現状に法律が追いついていないことだと思います。「いくらでもコピーできるデジタルなものから、どのようにして著作権を守るのか。」その辺からもう1度考え直さなくてはいけない段階に来ているのかもしれません。
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