法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

代理出産に係る出生届不受理の確定について

2007-03-23 21:22:59 | Weblog
代理出産:向井亜紀さんの双子,最高裁が実子とは認めず MSN毎日インタラクティブ

 東京高裁の原決定については,早川眞一郎教授が,『判例タイムズNo1225』の中で,「事案の個別的・具体的内容を重視するあまり,関係当事者の利益状況に目を奪われて云々」と厳しい評価をしておられたところ。

 さて,第2小法廷は,民訴法第118条第3号に関連し,最判H9.7.11を引用して,「外国裁判所の判決が民訴法118条により我が国においてその効力を認められるためには,判決の内容が我が国における公の秩序又は善良の風俗に反しないことが要件とされているところ,外国裁判所の判決が我が国の採用していない制度に基づく内容を含むからといって,その一事をもって直ちに上記の要件を満たさないということはできないが,それが我が国の法秩序の基本原則ないし基本理念と相いれないものと認められる場合には,その外国判決は,同法条にいう公の秩序に反するというべきである。」とし,概略,実親子関係は身分関係の中で最も基本的なものであり,これを定める基準は一義的に明確なものでなければならず,その基準によって一律に決せられるべきと続け,「民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判は,我が国の法秩序の基本原則ないし基本理念と相いれないものであり,民訴法118条3号にいう公の秩序に反するといわなければならない。このことは,立法政策としては現行民法の定める場合以外にも実親子関係の成立を認める余地があるとしても変わるものではない。」と判示。

 また,生殖補助医療技術に関しては,次のように判示した。

 (前略)子を懐胎し出産した女性とその子に係る卵子を提供した女性とが異なる場合についても,現行民法の解釈として,出生した子とその子を懐胎し出産した女性との間に出産により当然に母子関係が成立することとなるのかが問題となる。この点について検討すると,民法には,出生した子を懐胎,出産していない女性をもってその子の母とすべき趣旨をうかがわせる規定は見当たらず,このような場合における法律関係を定める規定がないことは,同法制定当時そのような事態が想定されなかったことによるものではあるが,前記のとおり実親子関係が公益及び子の福祉に深くかかわるものであり,一義的に明確な基準によって一律に決せられるべきであることにかんがみると,現行民法の解釈としては,出生した子を懐胎し出産した女性をその子の母と解さざるを得ず,その子を懐胎,出産していない女性との間には,その女性が卵子を提供した場合であっても,母子関係の成立を認めることはできない。
 もっとも,女性が自己の卵子により遺伝的なつながりのある子を持ちたいという強い気持ちから,本件のように自己以外の女性に自己の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産することを依頼し,これにより子が出生する,いわゆる代理出産が行われていることは公知の事実になっているといえる。このように,現実に代理出産という民法の想定していない事態が生じており,今後もそのような事態が引き続き生じ得ることが予想される以上,代理出産については法制度としてどう取り扱うかが改めて検討されるべき状況にある。この問題に関しては,医学的な観点からの問題,関係者間に生ずることが予想される問題,生まれてくる子の福祉などの諸問題につき,遺伝的なつながりのある子を持ちたいとする真しな希望及び他の女性に出産を依頼することについての社会一般の倫理的感情を踏まえて,医療法制,親子法制の両面にわたる検討が必要になると考えられ,立法による速やかな対応が強く望まれるところである。


 なお,津野,古田の両裁判官が,「なお,本件において,相手方ら(管理人註:高田・向井ご夫妻のこと)が本件子らを自らの子として養育したいという希望は尊重されるべきであり,(中略),特別養子縁組を成立させる余地は十分にあると考える。」と補足意見で述べ,今井裁判官も同調しておられる。3人の裁判官,この部分はどうしても言わずにはいられなかったのだと想像する。読んでいてほっとする部分。

判例検索システム 平成19年03月23日 市町村長の処分に対する不服申立て却下審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件


民事訴訟法の関連条文

(外国裁判所の確定判決の効力)
第百十八条  外国裁判所の確定判決は,次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り,その効力を有する。
一  法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。
二  敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと。
三  判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと。
四  相互の保証があること。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国民投票法に係る中央公聴会の開催について

2007-03-23 18:56:22 | Weblog
衆院特別委が中央公聴会,国民投票対象で意見分かれる YOMIURI ONLINE

 加憲論を評価しておられる江橋先生,公明党の公述人として意見を述べられたようだ。
江橋先生は,その著書『市民主権からの憲法理論 増補型改正の提案』(生活社)の中で,憲法改正の方式として,現行憲法の本文はそのまま残したうえで,追加条項を加えていく「増補型改正」を提案しておられる。例えば,試案として挙げられた中に憲法第26条があるが,次のとおり。なお,試案は改正教育基本法成立前のもの。

第二六条 すべて国民は,法律の定めるところにより,その能力に応じて,ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は,法律の定めるところにより,その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は,これを無償とする。
[削除・改訂案]
2 義務教育は,これを無償とする。
[増補案]
3 政府は,教育を受ける権利及びそれを受けさせる権利を実現するため,教育に求められる多様性に留意しつつ,地域社会と協働して公教育制度を整えて適正に管理運営する責務を有する。公教育制度は,市民の自主的な教育のための施設の設置,運営を阻害するものであってはならない。
[理由] 就学させる義務という観念は,教育が国の利益のために行われ,市民はそれに協力すべき存在であるという観念をもたらす。教育は子ども本人のためにおこなわれるものである。この趣旨を明確にするため,第二項から「国民の義務」という考え方を削除する。こうした発想の転換は,障がい児の教育権の運動,フリースクールの運動などが要求し続けてきたものである。
 第三項では,教育が権利であり,国には義務,責務があることを明確にしている。と同時に,公教育の限界についても明記するものである。第三項は,民族学校,インターナショナル・スクール,私塾などへの差別的な処遇を排除するための規定でもある。政府に求められるのは公教育制度の整備であり,その中身は普通教育制度に限るものではない。なお先住民族文化,少数民族文化,地方文化,地域文化など教育における文化的多様性を保障する必要があり,それらを維持,発展させる特色ある教育が奨励される。


 さて,次の中央公聴会は4月5日。本日の官報号外で告示されている。意見の申出期限は,3月30日の正午まで。出席者には旅費日当が支給されるようだ。

国立印刷局 官報 衆議院公聴会告示


国会法の関連条文

第五十一条  委員会は,一般的関心及び目的を有する重要な案件について,公聴会を開き,真に利害関係を有する者又は学識経験者等から意見を聴くことができる。
2  総予算及び重要な歳入法案については,前項の公聴会を開かなければならない。但し,すでに公聴会を開いた案件と同一の内容のものについては,この限りでない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

住宅ローン控除に係る特例制度の創設について

2007-03-23 14:05:46 | Weblog
改正所得税法が成立・減価償却制度など見直し NIKKEI NET

 平成19年及び平成20年に居住の用に供した家屋につき,住宅ローン控除の控除額に係る特例が創設された。現行制度の控除制度とは選択適用となる。
控除期間は,現行制度が10年であるところ,特例制度は15年。ただ,控除期間中の最大控除額は,平成19年入居が200万円,平成20年入居が160万円,という点は両制度とも変わらない。

財務省 平成19年度税制改正の要綱

国税庁 タックスアンサー マイホームの取得と所得税の特例(住宅借入金等特別控除)


現行租税特別措置法の関連条文

(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)
第四十一条  居住者が,国内において,住宅の用に供する家屋で政令で定めるもの(以下この項から第七項までにおいて「居住用家屋」という。)の新築若しくは居住用家屋で建築後使用されたことのないもの若しくは建築後使用されたことのある家屋で政令で定めるもの(以下この項から第七項までにおいて「既存住宅」という。)の取得(配偶者その他その者と特別の関係がある者からの取得で政令で定めるもの及び贈与によるものを除く。以下この項において同じ。)又はその者の居住の用に供している家屋で政令で定めるものの増改築等(以下この項及び次条において「住宅の取得等」という。)をして,これらの家屋(当該増改築等をした家屋については,当該増改築等に係る部分。以下この項において同じ。)を平成九年一月一日から平成二十年十二月三十一日までの間にその者の居住の用に供した場合(これらの家屋をその新築の日若しくはその取得の日又はその増改築等の日から六月以内にその者の居住の用に供した場合に限る。)において,その者が当該住宅の取得等に係る次に掲げる借入金又は債務(利息に対応するものを除く。次項,第四項及び次条において「住宅借入金等」という。)の金額を有するときは,当該居住の用に供した日の属する年(次項及び次条において「居住年」という。)以後六年間(同日(以下この項,次項及び次条において「居住日」という。)の属する年が平成十一年若しくは平成十二年である場合又は居住日が平成十三年一月一日から同年六月三十日までの期間(次項及び次条において「平成十三年前期」という。)内の日である場合には十五年間とし,居住日が平成十三年七月一日から同年十二月三十一日までの期間(次項及び次条において「平成十三年後期」という。)内の日である場合又は居住日の属する年が平成十四年から平成二十年までの各年である場合には十年間とする。)の各年(当該居住日以後その年の十二月三十一日(その者が死亡した日の属する年又はこれらの家屋が災害により居住の用に供することができなくなつた日の属する年にあつては,これらの日。次項及び次条において同じ。)まで引き続きその居住の用に供している年に限る。次項及び次条において「適用年」という。)のうち,その者のその年分の所得税に係るその年の所得税法第二条第一項第三十号 の合計所得金額が三千万円以下である年については,その年分の所得税の額から,住宅借入金等特別税額控除額を控除する。
一  当該住宅の取得等に要する資金に充てるために第八条第一項に規定する金融機関,住宅金融公庫,地方公共団体その他当該資金の貸付けを行う政令で定める者から借り入れた借入金(当該住宅の取得等とともにする当該住宅の取得等に係る家屋の敷地の用に供される土地又は当該土地の上に存する権利(以下この項において「土地等」という。)の取得に要する資金に充てるためにこれらの者から借り入れた借入金として政令で定めるものを含む。)及び当該借入金に類する債務で政令で定めるもののうち,契約において償還期間が十年以上の割賦償還の方法により返済することとされているもの
二  建設業法 (昭和二十四年法律第百号)第二条第三項 に規定する建設業者に対する当該住宅の取得等の工事の請負代金に係る債務又は宅地建物取引業法第二条第三号 に規定する宅地建物取引業者,独立行政法人都市再生機構,地方住宅供給公社その他居住用家屋の分譲を行う政令で定める者に対する当該住宅の取得等(当該住宅の取得等とともにする当該住宅の取得等に係る家屋の敷地の用に供される土地等の取得として政令で定めるものを含む。)の対価に係る債務(当該債務に類する債務で政令で定めるものを含む。)で,契約において賦払期間が十年以上の割賦払の方法により支払うこととされているもの
三  独立行政法人都市再生機構,地方住宅供給公社その他の政令で定める法人を当事者とする当該既存住宅の取得(当該既存住宅の取得とともにする当該既存住宅の敷地の用に供されていた土地等の取得として政令で定めるものを含む。)に係る債務の承継に関する契約に基づく当該法人に対する当該債務(当該債務に類する債務で政令で定めるものを含む。)で,当該承継後の当該債務の賦払期間が十年以上の割賦払の方法により支払うこととされているもの
四  当該住宅の取得等に要する資金に充てるためにその者に係る使用者(その者が第二十九条第一項に規定する給与所得者等である場合における同項に規定する使用者をいう。以下この号において同じ。)から借り入れた借入金(当該住宅の取得等とともにする当該住宅の取得等に係る家屋の敷地の用に供される土地等の取得に要する資金に充てるために当該その者に係る使用者から借り入れた借入金として政令で定めるものを含む。)又はその者に係る使用者に対する当該住宅の取得等(当該住宅の取得等とともにする当該住宅の取得等に係る家屋の敷地の用に供される土地等の取得として政令で定めるものを含む。)の対価に係る債務(これらの借入金又は債務に類する債務で政令で定めるものを含む。)で,契約において償還期間又は賦払期間が十年以上の割賦償還又は割賦払の方法により返済し,又は支払うこととされているもの
2  前項に規定する住宅借入金等特別税額控除額は,次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額(当該金額に百円未満の端数があるときは,これを切り捨てる。)とする。
一  居住年が平成九年又は平成十年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年若しくは翌々年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
(1) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額が千万円以下である場合 当該合計額の二パーセントに相当する金額
(2) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額が千万円を超え二千万円以下である場合 当該千万円を超える金額の一パーセントに相当する金額に二十万円を加えた金額
(3) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額が二千万円を超える場合 当該二千万円を超える金額(当該金額が千万円を超える場合には,千万円)の〇・五パーセントに相当する金額に三十万円を加えた金額
ロ 適用年が居住年から三年目に該当する年以後の各年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
(1) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額が二千万円以下である場合 当該合計額の一パーセントに相当する金額
(2) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額が二千万円を超える場合 当該二千万円を超える金額(当該金額が千万円を超える場合には,千万円)の〇・五パーセントに相当する金額に二十万円を加えた金額
二  居住年が平成十一年,平成十二年又は平成十三年である場合(居住年が平成十三年である場合には,その居住日が平成十三年前期内の日である場合に限る。) 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年以後五年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が五千万円を超える場合には,五千万円)の一パーセントに相当する金額
ロ 適用年が居住年から六年目に該当する年以後居住年から十年目に該当する年までの各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が五千万円を超える場合には,五千万円)の〇・七五パーセントに相当する金額
ハ 適用年が居住年から十一年目に該当する年以後の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が五千万円を超える場合には,五千万円)の〇・五パーセントに相当する金額
三  居住年が平成十三年,平成十四年,平成十五年又は平成十六年である場合(居住年が平成十三年である場合には,その居住日が平成十三年後期内の日である場合に限る。) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が五千万円を超える場合には,五千万円)の一パーセントに相当する金額
四  居住年が平成十七年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年以後七年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が四千万円を超える場合には,四千万円)の一パーセントに相当する金額
ロ 適用年が居住年から八年目又は九年目に該当する年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が四千万円を超える場合には,四千万円)の〇・五パーセントに相当する金額
五  居住年が平成十八年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年以後六年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が三千万円を超える場合には,三千万円)の一パーセントに相当する金額
ロ 適用年が居住年から七年目に該当する年以後の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が三千万円を超える場合には,三千万円)の〇・五パーセントに相当する金額
六  居住年が平成十九年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年以後五年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千五百万円を超える場合には,二千五百万円)の一パーセントに相当する金額
ロ 適用年が居住年から六年目に該当する年以後の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千五百万円を超える場合には,二千五百万円)の〇・五パーセントに相当する金額
七  居住年が平成二十年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年以後五年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千万円を超える場合には,二千万円)の一パーセントに相当する金額
ロ 適用年が居住年から六年目に該当する年以後の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千万円を超える場合には,二千万円)の〇・五パーセントに相当する金額
3  第一項に規定する増改築等とは,当該居住者が所有している家屋につき行う増築,改築その他の政令で定める工事(当該工事と併せて行う当該家屋と一体となつて効用を果たす設備の取替え又は取付けに係る工事を含む。)で当該工事に要した費用の額が百万円を超えるものであることその他の政令で定める要件を満たすものをいう。
4  住宅借入金等には,当該住宅借入金等が無利息又は著しく低い金利による利息であるものとなる場合として政令で定める場合における当該住宅借入金等を含まないものとする。
5  第一項の規定は,居住者が,同項の居住用家屋若しくは既存住宅又は増改築等をした家屋の当該増改築等に係る部分をその居住の用に供した日の属する年分の所得税について第三十一条の三,第三十五条,第三十六条の二,第三十六条の五,第三十六条の六,第三十七条の五若しくは第三十七条の九の二の規定の適用を受ける場合又はその居住の用に供した日の属する年の前年分若しくは前々年分の所得税についてこれらの規定の適用を受けている場合には,当該居住者の同項に規定する六年間の各年分の所得税については,適用しない。
6  第一項の居住用家屋若しくは既存住宅又は増改築等をした家屋の当該増改築等に係る部分をその居住の用に供した居住者が,当該居住の用に供した日の属する年の翌年又は翌々年中に当該居住の用に供した当該居住用家屋及び既存住宅並びに当該増改築等をした家屋並びにこれらの家屋の敷地の用に供されている土地(当該土地の上に存する権利を含む。)以外の資産(第三十一条の三第二項に規定する居住用財産,第三十五条第一項に規定する資産又は第三十六条の二第一項若しくは第三十六条の六第一項に規定する譲渡資産に該当するものに限る。)の譲渡をした場合において,その者が当該譲渡につき第三十一条の三,第三十五条,第三十六条の二,第三十六条の五,第三十六条の六,第三十七条の五又は第三十七条の九の二の規定の適用を受けるときは,当該居住者の第一項に規定する六年間の各年分の所得税については,同項の規定は,適用しない。
7  第一項の規定の適用を受けていた居住者が,その者に係る所得税法第二十八条第一項 に規定する給与等の支払をする者からの転任の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由に基因してその適用に係る第一項 の居住用家屋若しくは既存住宅又は増改築等をした家屋(当該増改築等に係る部分に限る。)をその者の居住の用に供しなくなつたことにより同項 の規定の適用を受けられなくなつた後,当該家屋を再びその者の居住の用に供した場合における同項 の規定の適用については,同項 に規定する居住年以後六年間(同項 に規定する六年間をいう。)の各年のうち,その者が当該家屋を再び居住の用に供した日の属する年(その年において,当該家屋を賃貸の用に供していた場合には,その年の翌年)以後の各年(同日以後その年の十二月三十一日(その者が死亡した日の属する年又は当該家屋が災害により居住の用に供することができなくなつた日の属する年にあつては,これらの日)まで引き続きその居住の用に供している年に限る。)は,同項 に規定する適用年とみなす。
8  前項の規定は,同項の居住者が,同項の家屋をその居住の用に供しなくなる日までに同項に規定する事由その他の財務省令で定める事項を記載した届出書(第四十一条の二の二第五項の規定により同項の証明書(これに類するものとして財務省令で定める書類を含む。)の交付を受けている場合には,当該証明書のうち同日の属する年以後の各年分に係るものの添付があるものに限る。)を当該家屋の所在地の所轄税務署長に提出しており,かつ,前項の規定の適用を受ける最初の年分の確定申告書に当該家屋を再びその居住の用に供したことを証する書類その他の財務省令で定める書類(次項において「再居住に関する証明書類」という。)の添付がある場合に限り,適用する。
9  税務署長は,前項の届出書の提出がなかつた場合又は再居住に関する証明書類の添付がない確定申告書の提出があつた場合においても,その提出又は添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは,当該届出書及び再居住に関する証明書類の提出があつた場合に限り,第七項の規定を適用する。
10  第一項の規定は,確定申告書に,同項の規定による控除を受ける金額についてのその控除に関する記載があり,かつ,財務省令で定めるところにより,当該金額の計算に関する明細書,登記事項証明書その他の書類の添付がある場合に限り,適用する。
11  税務署長は,確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても,その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは,当該記載をした書類並びに同項の明細書及び登記事項証明書その他の書類の提出があつた場合に限り,第一項の規定を適用することができる。
12  所得税法第九十二条第二項 の規定は,第一項の規定による控除をすべき金額について準用する。この場合において,同条第二項 中「前項の規定による控除」とあるのは「前項及び租税特別措置法第四十一条第一項(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)の規定による控除」と,「当該控除をすべき金額」とあるのは「これらの控除をすべき金額の合計額」と読み替えるものとする。
13  その年分の所得税について第一項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号 に掲げる所得税の額の計算については,同号 中「第三章 (税額の計算)」とあるのは,「第三章(税額の計算)及び租税特別措置法第四十一条第一項(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)」とする。
14  第三項から前項までに定めるもののほか,第一項の規定の適用に関し必要な事項は,政令で定める。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

引っ越しトラブルについて

2007-03-22 22:42:04 | Weblog
苦情トップ「約束不履行」 引っ越しトラブル増 Sankei Web

 異動 → 移動,のシーズン。引っ越しに係るトラブル,少なくないようだ。

 記事に,概略,引越事業者の紛失・破損に係る責任は3カ月で消えるとある。
国土交通省の標準引越運送約款を覗いてみると,第25条第1項に,「荷物の一部の減失又はき損についての当店の責任は,荷物を引き渡した日から三月以内に通知を発しない限り消滅します。」とある。上記説明,この規定に基づくもののよう。

国民生活センター 引っ越しサービスをめぐるトラブルの実態と利用のポイント-「荷物がなくなった」,「新居の床が傷ついた」,「全部お任せのはずだったのに」…-


標準引越運送約款の関連条文

(適用範囲)
第一条 この約款は,一般貨物自動車運送事業により行う運送のうち車両を貸し切ってする引越運送及びこれに附帯する荷造り,不用品の処理等のサービスに適用されます。ただし,事業所等の移 転であって,この約款によらない旨をあらかじめ告知した場合には,
適用されません。
2 この約款に定めのない事項については,法令又は一般の慣習によります。
3 当店は,前二項の規定にかかわらず,法令に反しない範囲で,特約の申込みに応じることがあります。

(責任と挙証等)
第二十二条 当店は,自己又は使用人その他運送のために使用した者が,荷物の荷造り,受取,引渡し,保管又は運送に関し注意を 怠らなかったことを証明しない限り,荷物その他のものの滅失,き損又は遅延につき損害賠償の責任を負い,速やかに賠償します。

(免責)
第二十三条 当店は,次の事由による荷物の滅失,き損又は遅延の損害については,損害賠償の責任を負いません。
一 荷物の欠陥,自然の消耗
二 荷物の性質による発火,爆発,むれ,かび,腐敗,変色,さびその他これに類似する事由
三 ストライキ若しくはサボタージュ,社会的騒擾その他の事変又は強盗
四 不可抗力による火災
五 予見できない異常な交通障害
六 地震,津波,洪水,暴風雨,地すべり,山崩れその他の天災
七 法令又は公権力の発動による運送の差止め,開封,没収,差押え又は第三者への引渡し
八 荷送人又は荷受人等の故意又は過失

(引受制限荷物等に関する特則)
第二十四条 第四条第二項各号に掲げる荷物については,当店がその旨を知って引き受けた場合に限り,当店は,当該荷物の滅失,き損又は遅延について,損害賠償の責任を負います。
2 貴重品,壊れやすいもの,変質又は腐敗しやすいもの等運送上の特段の注意を要する荷物(第四条第二項各号に掲げるものを除く。)については,荷送人が第八条第一項の規定によるその有無の申告をせず,かつ,当店が過失なくしてその存在を知らなかった場合は,当店は,運送上の特段の注意を払わなかったことにより生じた当該荷物の滅失若しくはき損又は当該荷物により生じた他の荷物の滅失,き損若しくは遅延について,損害賠償の責任を 負いません。

(責任の特別消滅事由)
第二十五条 荷物の一部の減失又はき損についての当店の責任は,荷物を引き渡した日から三月以内に通知を発しない限り消滅します。
2 前項の規定は,当店がその損害を知って荷物を引き渡した場合には,適用しません。

(損害賠償の額)
第二十六条 当店は,荷物の滅失又はき損により直接生じた損害を賠償します。
2 当店は,遅延により生じた損害については,次の各号の規定により賠償します。
一 見積書に記載した受取日時に荷物の受取をしなかったとき受取遅延により直接生じた財産上の損害を運賃等の合計額の範囲内で賠償します。
二 見積書に記載した引渡日に荷物の引渡しをしなかったとき引渡遅延により直接生じた財産上の損害を運賃等の合計額の範囲内で賠償します。
三 第一号及び第二号が同時に生じたとき受取遅延及び引渡遅延により直接生じた財産上の損害を運賃等の合計額の範囲内で賠償します。
3 前項の規定にかかわらず,当店の故意又は重大な過失によって荷物の受取又は引渡しの遅延が生じたときは,当店はそれにより生じた損害を賠償します。

(時効)
第二十七条 荷物の滅失,き損又は遅延についての当店の責任は,荷受人等が荷物を受け取った日から一年を経過したときは,時効によって消滅します。
2 前項の期間は,荷物の全部が滅失した場合においては,見積書に記載した引渡日からこれを起算します。
3 前二項の規定は,当店がその損害を知っていて荷受人等に告げなかった場合には,適用しません。

(連絡運輸又は利用運送の際の責任)
第二十人条 当店が他の運送機関と連絡して,又は他の貨物自動車運送事業者の行う運送若しくは他の運送機関を利用して運送を行う場合においても,運送上の責任は,この運送約款により当店が負います。

(荷送人又は荷受人等の賠償責任)
第二十九条 荷送人又は荷受人等は,自らの故意若しくは過失により,又は荷物の性質若しくは欠陥により当店に与えた損害について,損害賠償の責任を負わなければなりません。ただし,荷送人又は荷受人等が過失なくしてその性質若しくは欠陥を知らなかったとき,又は当店がこれを知っていたときは,この限りでありません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

比内地鶏に係る地域団体商標登録の遅れについて

2007-03-21 16:13:43 | Weblog
「秋田由利牛」を認定 特許庁・地域団体商標登録,本県から初 - さきがけ on the Web

 記事には,比内地鶏の方は現在も審査中とある。
比内地鶏の出願が報じられたのは昨年4月。書類の不備が原因だそうだが,随分と時間がかかるもの。因みに,「秋田由利牛」の出願は昨年7月。翌8月には,「稲庭うどん」「秋田諸越(あきたもろこし)」の出願がされている。

なお,記事には「認定」とあるが,商標法上は「査定」。商標権は,審査官による商標登録の査定後,査定送達後30日以内の登録料の納付 → 商標権の設定登録,という過程をたどって現実に発生する(商標法第18条第1項・第2項参照)。

特許庁 地域団体商標制度


商標法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,商標を保護することにより,商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り,もつて産業の発達に寄与し,あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。

(地域団体商標)
第七条の二  事業協同組合その他の特別の法律により設立された組合(法人格を有しないものを除き,当該特別の法律において,正当な理由がないのに,構成員たる資格を有する者の加入を拒み,又はその加入につき現在の構成員が加入の際に付されたよりも困難な条件を付してはならない旨の定めのあるものに限る。)又はこれに相当する外国の法人(以下「組合等」という。)は,その構成員に使用をさせる商標であつて,次の各号のいずれかに該当するものについて,その商標が使用をされた結果自己又はその構成員の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは,第三条の規定(同条第一項第一号又は第二号に係る場合を除く。)にかかわらず,地域団体商標の商標登録を受けることができる。
一  地域の名称及び自己又はその構成員の業務に係る商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する文字のみからなる商標
二  地域の名称及び自己又はその構成員の業務に係る商品又は役務を表示するものとして慣用されている名称を普通に用いられる方法で表示する文字のみからなる商標
三  地域の名称及び自己若しくはその構成員の業務に係る商品若しくは役務の普通名称又はこれらを表示するものとして慣用されている名称を普通に用いられる方法で表示する文字並びに商品の産地又は役務の提供の場所を表示する際に付される文字として慣用されている文字であつて,普通に用いられる方法で表示するもののみからなる商標
2  前項において「地域の名称」とは,自己若しくはその構成員が商標登録出願前から当該出願に係る商標の使用をしている商品の産地若しくは役務の提供の場所その他これらに準ずる程度に当該商品若しくは当該役務と密接な関連性を有すると認められる地域の名称又はその略称をいう。
3  第一項の場合における第三条第一項(第一号及び第二号に係る部分に限る。)の規定の適用については,同項中「自己の」とあるのは,「自己又はその構成員の」とする。4  第一項の規定により地域団体商標の商標登録を受けようとする者は,第五条第一項の商標登録出願において,商標登録出願人が組合等であることを証明する書面及びその商標登録出願に係る商標が第二項に規定する地域の名称を含むものであることを証明するため必要な書類を特許庁長官に提出しなければならない。

(審査官による審査)
第十四条  特許庁長官は,審査官に商標登録出願を審査させなければならない。

(拒絶の査定)
第十五条  審査官は,商標登録出願が次の各号のいずれかに該当するときは,その商標登録出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
一  その商標登録出願に係る商標が第三条,第四条第一項,第七条の二第一項,第八条第二項若しくは第五項,第五十一条第二項(第五十二条の二第二項において準用する場合を含む。),第五十三条第二項又は第七十七条第三項において準用する特許法第二十五条 の規定により商標登録をすることができないものであるとき。
二  その商標登録出願に係る商標が条約の規定により商標登録をすることができないものであるとき。
三  その商標登録出願が第六条第一項又は第二項に規定する要件を満たしていないとき。

(拒絶理由の通知)
第十五条の二  審査官は,拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは,商標登録出願人に対し,拒絶の理由を通知し,相当の期間を指定して,意見書を提出する機会を与えなければならない。

第十五条の三  審査官は,商標登録出願に係る商標が,当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の商標又はこれに類似する商標であつて,その商標に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものであるときは,商標登録出願人に対し,当該他人の商標が商標登録されることにより当該商標登録出願が第十五条第一号に該当することとなる旨を通知し,相当の期間を指定して,意見書を提出する機会を与えることができる。
2  前項の通知が既にされている場合であつて,当該他人の商標が商標登録されたときは,前条の通知をすることを要しない。

(商標登録の査定)
第十六条  審査官は,政令で定める期間内に商標登録出願について拒絶の理由を発見しないときは,商標登録をすべき旨の査定をしなければならない。

(補正の却下)
第十六条の二  願書に記載した指定商品若しくは指定役務又は商標登録を受けようとする商標についてした補正がこれらの要旨を変更するものであるときは,審査官は,決定をもつてその補正を却下しなければならない。
2  前項の規定による却下の決定は,文書をもつて行い,かつ,理由を付さなければならない。
3  第一項の規定による却下の決定があつたときは,決定の謄本の送達があつた日から三十日を経過するまでは,当該商標登録出願について査定をしてはならない。
4  審査官は,商標登録出願人が第一項の規定による却下の決定に対し第四十五条第一項の審判を請求したときは,その審判の審決が確定するまでその商標登録出願の審査を中止しなければならない。

(特許法 の準用)
第十七条  特許法第四十七条第二項 (審査官の資格),第四十八条(審査官の除斥),第五十二条(査定の方式)及び第五十四条(訴訟との関係)の規定は,商標登録出願の審査に準用する。この場合において,同法第五十四条第一項 中「審決」とあるのは,「登録異議の申立てについての決定若しくは審決」と読み替えるものとする。

(意匠法 の準用)
第十七条の二  意匠法 (昭和三十四年法律第百二十五号)第十七条の三 (補正後の意匠についての新出願)の規定は,第十六条の二第一項の規定により,決定をもつて補正が却下された場合に準用する。
2  意匠法第十七条の四 の規定は,前項又は第五十五条の二第三項(第六十条の二第二項において準用する場合を含む。)において準用する同法第十七条の三第一項 に規定する期間を延長する場合に準用する。

(商標権の設定の登録)
第十八条  商標権は,設定の登録により発生する。
2  第四十条第一項の規定による登録料又は第四十一条の二第一項の規定により商標登録をすべき旨の査定若しくは審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付すべき登録料の納付があつたときは,商標権の設定の登録をする。
3  前項の登録があつたときは,次に掲げる事項を商標公報に掲載しなければならない。一  商標権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二  商標登録出願の番号及び年月日
三  願書に記載した商標
四  指定商品又は指定役務
五  登録番号及び設定の登録の年月日
六  前各号に掲げるもののほか,必要な事項
4  特許庁長官は,前項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した商標公報(以下「商標掲載公報」という。)の発行の日から二月間,特許庁において出願書類及びその附属物件を公衆の縦覧に供しなければならない。ただし,個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれがある書類又は物件及び公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある書類又は物件であつて,特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるものについては,この限りでない。
5  特許庁長官は,個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれがある書類又は物件であつて,前項ただし書の規定により特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるもの以外のものを縦覧に供しようとするときは,当該書類又は物件を提出した者に対し,その旨及びその理由を通知しなければならない。

(存続期間)
第十九条  商標権の存続期間は,設定の登録の日から十年をもつて終了する。
2  商標権の存続期間は,商標権者の更新登録の申請により更新することができる。
3  商標権の存続期間を更新した旨の登録があつたときは,存続期間は,その満了の時に更新されるものとする。

(存続期間の更新登録の申請)
第二十条  商標権の存続期間の更新登録の申請をする者は,次に掲げる事項を記載した申請書を特許庁長官に提出しなければならない。
一  申請人の氏名又は名称及び住所又は居所
二  商標登録の登録番号
三  前二号に掲げるもののほか,経済産業省令で定める事項
2  更新登録の申請は,商標権の存続期間の満了前六月から満了の日までの間にしなければならない。
3  商標権者は,前項に規定する期間内に更新登録の申請をすることができないときは,その期間が経過した後であつても,その期間の経過後六月以内にその申請をすることができる。
4  商標権者が前項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内に,その申請をしないときは,その商標権は,存続期間の満了の時にさかのぼつて消滅したものとみなす。

(登録料)
第四十条  商標権の設定の登録を受ける者は,登録料として,一件ごとに,六万六千円に区分(指定商品又は指定役務が属する第六条第二項の政令で定める商品及び役務の区分をいう。以下同じ。)の数を乗じて得た額を納付しなければならない。
2  商標権の存続期間の更新登録の申請をする者は,登録料として,一件ごとに,十五万千円に区分の数を乗じて得た額を納付しなければならない。
3  前二項の規定は,国に属する商標権には,適用しない。
4  第一項又は第二項の登録料は,商標権が国と国以外の者との共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは,第一項又は第二項の規定にかかわらず,これらに規定する登録料の金額に国以外の者の持分の割合を乗じて得た額とし,国以外の者がその額を納付しなければならない。
5  前項の規定により算定した登録料の金額に十円未満の端数があるときは,その端数は,切り捨てる。
6  第一項又は第二項の登録料の納付は,経済産業省令で定めるところにより,特許印紙をもつてしなければならない。ただし,経済産業省令で定める場合には,経済産業省令で定めるところにより,現金をもつて納めることができる。

(登録料の納付期限)
第四十一条  前条第一項の規定による登録料は,商標登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付しなければならない。
2  特許庁長官は,登録料を納付すべき者の請求により,三十日以内を限り,前項に規定する期間を延長することができる。
3  前条第二項の規定による登録料は,更新登録の申請と同時に納付しなければならない。

(登録料の分割納付)
第四十一条の二  商標権の設定の登録を受ける者は,第四十条第一項の規定にかかわらず,登録料を分割して納付することができる。この場合においては,商標登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に,一件ごとに,四万四千円に区分の数を乗じて得た額を納付するとともに,商標権の存続期間の満了前五年までに,一件ごとに,四万四千円に区分の数を乗じて得た額を納付しなければならない。
2  商標権の存続期間の更新登録の申請をする者は,第四十条第二項の規定にかかわらず,登録料を分割して納付することができる。この場合においては,更新登録の申請と同時に,一件ごとに,十万千円に区分の数を乗じて得た額を納付するとともに,商標権の存続期間の満了前五年までに,一件ごとに,十万千円に区分の数を乗じて得た額を納付しなければならない。
3  商標権者は,第一項又は前項の規定により商標権の存続期間の満了前五年までに納付すべき登録料を納付することができないときは,その期間が経過した後であつても,その期間の経過後六月以内にその登録料を追納することができる。
4  前項の規定により登録料を追納することができる期間内に,第一項又は第二項の規定により商標権の存続期間の満了前五年までに納付すべきであつた登録料及び第四十三条第三項の割増登録料を納付しないときは,その商標権は,存続期間の満了前五年の日にさかのぼつて消滅したものとみなす。
5  第四十条第三項から第五項までの規定は,第一項及び第二項の場合に準用する。
6  前条第二項の規定は,第一項の規定により商標登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付しなければならない登録料を納付する場合に準用する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

弾劾裁判所長の任期について

2007-03-20 21:24:02 | Weblog
弾劾裁判所長に自民・保岡氏 NIKKEI NET

 国会法第125条第2項による互選。
裁判員の任期については,裁判官弾劾法第16条第5項に,「裁判員及びその予備員の任期は,衆議院議員又は参議院議員としての任期による。」とあるが,裁判長の任期を規定する条項はないように思われる。裁判官弾劾裁判所HPの「歴代の裁判長等の一覧表」にも,「退任事由欄には,特記事由についてのみ掲載し,空欄は任期(原則として1年)満了等による場合です。」といった記述がみられる。裁判長の任期は法律事項ではないということか・・・。

裁判官弾劾裁判所 裁判長と裁判員の紹介


国会法の関連条文

第百二十五条  裁判官の弾劾は,各議院においてその議員の中から選挙された同数の裁判員で組織する弾劾裁判所がこれを行う。
2  弾劾裁判所の裁判長は,裁判員がこれを互選する。

第百二十六条  裁判官の罷免の訴追は,各議院においてその議員の中から選挙された同数の訴追委員で組織する訴追委員会がこれを行う。
2  訴追委員会の委員長は,その委員がこれを互選する。

第百二十七条  弾劾裁判所の裁判員は,同時に訴追委員となることができない。

第百二十八条  各議院は,裁判員又は訴追委員を選挙する際,その予備員を選挙する。

第百二十九条  この法律に定めるものの外,弾劾裁判所及び訴追委員会に関する事項は,別に法律でこれを定める。

裁判官弾劾法の関連条文

(裁判員・予備員)
第十六条  裁判員の員数は,衆議院議員及び参議院議員各七人とし,その予備員の員数は,衆議院議員及び参議院議員各四人とする。
2  衆議院議員たる裁判員及びその予備員については,第五条第二項及び第三項の規定を準用する。
3  参議院における裁判員及びその予備員の選挙は,第一回国会の会期中にこれを行う。
4  参議院議員たる裁判員又はその予備員が欠けたときは,参議院においてその補欠選挙を行う。
5  裁判員及びその予備員の任期は,衆議院議員又は参議院議員としての任期による。
6  裁判員及びその予備員が辞職しようとするときは,裁判長を経由して,その者の属する議院の許可を受けなければならない。但し,国会の閉会中は,その者の属する議院の議長の許可を受けて辞職することができる。
7  予備員は,その者の属する議院の議員たる裁判員に事故のある場合又はその裁判員が欠けた場合に,その裁判員の職務を行う。
8  予備員が前項の規定により職務を行う順序は,その選挙の際,その者の属する議院の議決によりこれを定める。
9  裁判長は,国会開会中その職務を行う場合においては,両議院の議長の協議して定めるところにより,職務雑費を受ける。第五条第十項後段の規定は,この場合について準用する。

(裁判長の職務)
第十七条  弾劾裁判所の裁判長は,口頭弁論を指揮し,法廷における秩序を維持し,裁判の評議を整理する外,弾劾裁判所の事務を統理し,弾劾裁判所を代表する。
2  裁判長に事故のあるときは,予め弾劾裁判所の定める順序により,他の裁判員が,臨時に裁判長の職務を行う。

(事務局)
第十八条  弾劾裁判所に事務局を置く。
2  事務局に参事その他の職員を置く。
3  事務局の職員の定員は,裁判長が両議院の議院運営委員会の承認を得てこれを定める。
4  参事の中一人を事務局長とする。
5  事務局長は,裁判長の監督を受けて,庶務を掌理し,他の職員を指揮監督する。
6  事務局長以外の職員は,上司の命を受けて,庶務に従事する。
7  事務局長その他の参事は,前二項の外,裁判員の命を受けて事件に関する事務に従事する。
8  事務局長その他の職員は,裁判長が両議院の議長の同意及び議院運営委員会の承認を得てこれを任免する。
9  裁判長は,必要に応じ,課を置き,事務の分掌を定めることができる。

(職権の独立)
第十九条  裁判員は,独立してその職権を行う。

(合議制)
第二十条  弾劾裁判所は,衆議院議員たる裁判員及び参議院議員たる裁判員がそれぞれ五人以上出席しなければ,審理及び裁判をすることができない。但し,法廷ですべき審理及び裁判を除いて,その他の事項につき弾劾裁判所が特定の定をした場合は,この限りでない。

(訴追状の送達)
第二十一条  弾劾裁判所は,罷免の訴追があつたときは,直ちに訴追状の謄本を罷免の訴追を受けた裁判官に送達しなければならない。

(弁護人の選任)
第二十二条  罷免の訴追を受けた裁判官は,何時でも弁護人を選任することができる。
2  弁護人については,刑事訴訟に関する法令の規定を準用する。

(口頭弁論)
第二十三条  罷免の裁判は,口頭弁論に基いてこれをしなければならない。
2  罷免の訴追を受けた裁判官が口頭弁論の期日に出頭しないときは,更に期日を定めなければならない。その裁判官が正当な理由がなくその期日に出頭しないときは,前項の規定にかかわらず,その陳述を聴かないで審理及び裁判をすることができる。

(訴追委員の立会)
第二十四条  訴追委員会の委員長又はその指定する訴追委員は,法廷における審理及び裁判の宣告に立ち合う。

(開廷の場所)
第二十五条  法廷は,弾劾裁判所でこれを開く。
2  弾劾裁判所は,必要と認めるときは,前項の規定にかかわらず,他の場所で法廷を開くことができる。

(審判の公開)
第二十六条  弾劾裁判所の対審及び裁判の宣告は,公開の法廷でこれを行う。

(法廷の秩序維持)
第二十七条  裁判長は,法廷における弾劾裁判所の職務の執行を妨げ,又は不当な行状をする者に対し,退廷を命じその他法廷における秩序を維持するのに必要な事項を命じ,又は処置を執ることができる。

(訊問)
第二十八条  弾劾裁判所は,罷免の訴追を受けた裁判官を召喚し,これを訊問することができる。
2  前項の場合には,刑事訴訟に関する法令の規定を準用する。但し,勾引することはできない。

(証拠)
第二十九条  弾劾裁判所は,申立により又は職権で,必要な証拠を取り調べ,又は地方裁判所にその取調を嘱託することができる。
2  証拠については,刑事訴訟に関する法令の規定を準用する。但し,弾劾裁判所及び弾劾裁判所の裁判長は,勾引,押収若しくは捜索その他人の身体,物若しくは場所について,強制の処分をし,若しくはすることを命じ,又は過料の決定をすることはできない。3  弾劾裁判所は,前項の外,必要な証拠を取り調べるため左の各号に掲げる処分をすることができる。
一  証拠物の所持者に対し,当該証拠物の提出を命ずること。
二  事実発見のため必要のある場所の検査を行うこと。
三  官公署に対して報告又は資料の提出を求めること。

(裁判員の派遣)
第二十九条の二  弾劾裁判所は,審理又は裁判のため,裁判員を派遣することができる。2  国会の開会中,弾劾裁判所において,審理又は裁判のため,裁判員を派遣しようとするときは,衆議院議員たる裁判員については衆議院議長の承認を,参議院議員たる裁判員については参議院議長の承認を得なければならない。
3  前二項の規定により裁判員が派遣されたときは,両議院の議長の協議して定めるところにより,派遣旅費を受ける。

(刑事訴訟に関する法令の準用)
第三十条  裁判員及び参事の除斥,忌避及び回避,法廷における審理,調書の作成並びに手続の費用については,刑事訴訟に関する法令の規定を準用する。

(裁判の評議)
第三十一条  裁判の評議は,これを公行しない。
2  裁判は,審理に関与した裁判員の過半数の意見による。但し,罷免の裁判をするには,審理に関与した裁判員の三分の二以上の多数の意見による。

(一事不再理)
第三十二条  弾劾裁判所は,既に裁判を経た事由については,罷免の裁判をすることができない。

(裁判の理由)
第三十三条  裁判には,理由を附さなければならない。
2  罷免の裁判に附する理由には,罷免の事由及びこれを認めた証拠を示さなければならない。

(裁判書)
第三十四条  裁判をするときは,裁判書を作らなければならない。
2  裁判書には,裁判をした裁判員がこれに署名押印しなければならない。裁判長が署名押印できないときは,他の裁判員が,裁判長以外の裁判員が署名押印できないときは,裁判長が,その理由を附記して署名押印しなければならない。

(裁判書の送達)
第三十五条  弾劾裁判所は,終局裁判をしたときは,直ちに裁判書の謄本を罷免の訴追を受けた裁判官及び最高裁判所に送達しなければならない。

(裁判の公示)
第三十六条  弾劾裁判所の終局裁判は,官報に掲載してこれを公示しなければならない。

(罷免の裁判の効果)
第三十七条  裁判官は,罷免の裁判の宣告により罷免される。

(資格回復の裁判)
第三十八条  弾劾裁判所は左の場合においては,罷免の裁判を受けた者の請求により,資格回復の裁判をすることができる。
一  罷免の裁判の宣告の日から五年を経過し相当とする事由があるとき。
二  罷免の事由がないことの明確な証拠をあらたに発見し,その他資格回復の裁判をすることを相当とする事由があるとき。
2  資格回復の裁判は,罷免の裁判を受けた者がその裁判を受けたため他の法律の定めるところにより失つた資格を回復する。

(裁判官の職務の停止)
第三十九条  弾劾裁判所は,相当と認めるときは,何時でも,罷免の訴追を受けた裁判官の職務を停止することができる。

(刑事訴訟との関係)
第四十条  弾劾裁判所は,同一の事由について刑事訴訟が係属する間は,手続を中止することができる。

(免官の留保)
第四十一条  罷免の訴追を受けた裁判官は,本人が免官を願い出た場合でも,弾劾裁判所の終局裁判があるまでは,その免官を行う権限を有するものにおいてこれを免ずることができない。

(公職選挙法の適用除外)
第四十一条の二  第十五条第三項の規定により最高裁判所から罷免の訴追をすべきことを求められており,又は訴追委員会から罷免の訴追をされている裁判官については,公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第九十条(他の法律において準用する場合を含む。)の規定は,適用しない。

(規則の制定)
第四十二条  弾劾裁判所は,この法律に特別の定のある場合を除いて,審理及び裁判の手続について規則を定めることができる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NPO法人に係る認証取消の急増について

2007-03-19 22:00:14 | Weblog
NPOの認証取り消し,基準厳格化で前年比2・4倍に YOMIURI ONLINE

 NPO法人の設立には準則主義ではなく認証主義がとられているが,この認証主義,NPOホームページにもあるように,「公益法人の設立許可のように行政裁量の範囲が広い制度とは異なり,設立要件の判断において所轄庁の裁量の余地は極めて限定されて(いる)」(NPO法第12条参照)。
記事は,認証取消の増加は認証基準の厳格化が原因といった書きぶりだが,所轄庁による「監督方針の厳格化」と言うべきだろう。
今年度急増しているのは事業報告書等不提出を原因とする取消しだが,これはNPO法第43条第1項に基づく措置。認証基準の問題ではない。

内閣府国民生活局 NPOホームページ 特定非営利活動法人の設立の認証の取消し


特定非営利活動促進法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により,ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し,もって公益の増進に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「特定非営利活動」とは,別表に掲げる活動に該当する活動であって,不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。2  この法律において「特定非営利活動法人」とは,特定非営利活動を行うことを主たる目的とし,次の各号のいずれにも該当する団体であって,この法律の定めるところにより設立された法人をいう。
一  次のいずれにも該当する団体であって,営利を目的としないものであること。
イ  社員の資格の得喪に関して,不当な条件を付さないこと。
ロ 役員のうち報酬を受ける者の数が,役員総数の三分の一以下であること。
二  その行う活動が次のいずれにも該当する団体であること。
イ  宗教の教義を広め,儀式行事を行い,及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。
ロ  政治上の主義を推進し,支持し,又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。
ハ  特定の公職(公職選挙法 (昭和二十五年法律第百号)第三条 に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し,支持し,又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。

(原則)
第三条  特定非営利活動法人は,特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として,その事業を行ってはならない。
2  特定非営利活動法人は,これを特定の政党のために利用してはならない。

(名称の使用制限)
第四条  特定非営利活動法人以外の者は,その名称中に,「特定非営利活動法人」又はこれに紛らわしい文字を用いてはならない。

(その他の事業)
第五条  特定非営利活動法人は,その行う特定非営利活動に係る事業に支障がない限り,当該特定非営利活動に係る事業以外の事業(以下「その他の事業」という。)を行うことができる。この場合において,収益を生じたときは,これを当該特定非営利活動に係る事業のために使用しなければならない。
2  その他の事業に関する会計は,当該特定非営利活動法人の行う特定非営利活動に係る事業に関する会計から区分し,特別の会計として経理しなければならない。

(登記)
第七条  特定非営利活動法人は,政令で定めるところにより,登記しなければならない。2  前項の規定により登記しなければならない事項は,登記の後でなければ,これをもって第三者に対抗することができない。

(所轄庁)
第九条  特定非営利活動法人の所轄庁は,その事務所が所在する都道府県の知事とする。2  特定非営利活動法人で二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するものにあっては,その所轄庁は,前項の規定にかかわらず,内閣総理大臣とする。

(設立の認証)
第十条  特定非営利活動法人を設立しようとする者は,内閣府令(前条第二項の特定非営利活動法人以外の特定非営利活動法人に係る場合にあっては,都道府県の条例。第二十六条第三項,第四十四条第二項,第四十四条の二及び第四十四条の三を除き,以下同じ。)で定めるところにより,次に掲げる書類を添付した申請書を所轄庁に提出して,設立の認証を受けなければならない。
一  定款
二  役員に係る次に掲げる書類
イ 役員名簿(役員の氏名及び住所又は居所並びに各役員についての報酬の有無を記載した名簿をいう。)
ロ 各役員が第二十条各号に該当しないこと及び第二十一条の規定に違反しないことを誓約し,並びに就任を承諾する書面の謄本
ハ 各役員の住所又は居所を証する書面として内閣府令で定めるもの
三  社員のうち十人以上の者の氏名(法人にあっては,その名称及び代表者の氏名)及び住所又は居所を記載した書面
四  第二条第二項第二号及び第十二条第一項第三号に該当することを確認したことを示す書面
五  設立趣旨書
六  設立についての意思の決定を証する議事録の謄本
七  設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書
八  設立当初の事業年度及び翌事業年度の収支予算書
2  所轄庁は,前項の認証の申請があった場合には,遅滞なく,その旨及び次に掲げる事項を公告するとともに,同項第一号,第二号イ,第五号,第七号及び第八号に掲げる書類を,申請書を受理した日から二月間,その指定した場所において公衆の縦覧に供しなければならない。
一  申請のあった年月日
二  申請に係る特定非営利活動法人の名称,代表者の氏名及び主たる事務所の所在地並びにその定款に記載された目的

(定款)
第十一条  特定非営利活動法人の定款には,次に掲げる事項を記載しなければならない。
一  目的
二  名称
三  その行う特定非営利活動の種類及び当該特定非営利活動に係る事業の種類
四  主たる事務所及びその他の事務所の所在地
五  社員の資格の得喪に関する事項
六  役員に関する事項
七  会議に関する事項
八  資産に関する事項
九  会計に関する事項
十  事業年度
十一  その他の事業を行う場合には,その種類その他当該その他の事業に関する事項
十二  解散に関する事項
十三  定款の変更に関する事項
十四  公告の方法
2  設立当初の役員は,定款で定めなければならない。
3  第一項第十二号に掲げる事項中に残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には,その者は,特定非営利活動法人その他次に掲げる者のうちから選定されるようにしなければならない。
一  国又は地方公共団体
二  民法第三十四条 の規定により設立された法人
三  私立学校法 (昭和二十四年法律第二百七十号)第三条 に規定する学校法人
四  社会福祉法 (昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条 に規定する社会福祉法人
五  更生保護事業法 (平成七年法律第八十六号)第二条第六項 に規定する更生保護法人

(認証の基準等)
第十二条  所轄庁は,第十条第一項の認証の申請が次の各号に適合すると認めるときは,その設立を認証しなければならない。
一  設立の手続並びに申請書及び定款の内容が法令の規定に適合していること。
二  当該申請に係る特定非営利活動法人が第二条第二項に規定する団体に該当するものであること。
三  当該申請に係る特定非営利活動法人が次に掲げる団体に該当しないものであること。
イ 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 (平成三年法律第七十七号)第二条第二号 に規定する暴力団をいう。以下この号において同じ。)
ロ 暴力団又はその構成員(暴力団の構成団体の構成員を含む。以下この号において同じ。)若しくは暴力団の構成員でなくなった日から五年を経過しない者(以下「暴力団の構成員等」という。)の統制の下にある団体
四  当該申請に係る特定非営利活動法人が十人以上の社員を有するものであること。
2  前項の規定による認証又は不認証の決定は,正当な理由がない限り,第十条第二項の期間を経過した日から二月以内に行わなければならない。
3  所轄庁は,第一項の規定により不認証の決定をしたときは,速やかに,理由を付した書面をもって当該申請をした者にその旨を通知しなければならない。

(報告及び検査)
第四十一条  所轄庁は,特定非営利活動法人が法令,法令に基づいてする行政庁の処分又は定款に違反する疑いがあると認められる相当な理由があるときは,当該特定非営利活動法人に対し,その業務若しくは財産の状況に関し報告をさせ,又はその職員に,当該特定非営利活動法人の事務所その他の施設に立ち入り,その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿,書類その他の物件を検査させることができる。
2  所轄庁は,前項の規定による検査をさせる場合においては,当該検査をする職員に,同項の相当の理由を記載した書面を,当該特定非営利活動法人の役員その他の当該検査の対象となっている事務所その他の施設の管理について権限を有する者(以下この項において「特定非営利活動法人の役員等」という。)に提示させなければならない。この場合において,当該特定非営利活動法人の役員等が当該書面の交付を要求したときは,これを交付させなければならない。
3  第一項の規定による検査をする職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係人にこれを提示しなければならない。
4  第一項の規定による検査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(改善命令)
第四十二条  所轄庁は,特定非営利活動法人が第十二条第一項第二号,第三号又は第四号に規定する要件を欠くに至ったと認めるときその他法令,法令に基づいてする行政庁の処分若しくは定款に違反し,又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは,当該特定非営利活動法人に対し,期限を定めて,その改善のために必要な措置を採るべきことを命ずることができる。

(設立の認証の取消し)
第四十三条  所轄庁は,特定非営利活動法人が,前条の命令に違反した場合であって他の方法により監督の目的を達することができないとき又は三年以上にわたって第二十九条第一項の規定による事業報告書等,役員名簿等又は定款等の提出を行わないときは,当該特定非営利活動法人の設立の認証を取り消すことができる。
2  所轄庁は,特定非営利活動法人が法令に違反した場合において,前条の命令によってはその改善を期待することができないことが明らかであり,かつ,他の方法により監督の目的を達することができないときは,同条の命令を経ないでも,当該特定非営利活動法人の設立の認証を取り消すことができる。
3  前二項の規定による設立の認証の取消しに係る聴聞の期日における審理は,当該特定非営利活動法人から請求があったときは,公開により行うよう努めなければならない。
4  所轄庁は,前項の規定による請求があった場合において,聴聞の期日における審理を公開により行わないときは,当該特定非営利活動法人に対し,当該公開により行わない理由を記載した書面を交付しなければならない。

(意見聴取)
第四十三条の二  所轄庁は,特定非営利活動法人について第十二条第一項第三号に規定する要件を欠いている疑い又はその役員について第二十条第五号に該当する疑いがあると認めるときは,その理由を付して,所轄庁が内閣総理大臣である場合にあっては警察庁長官,都道府県知事である場合にあっては警視総監又は道府県警察本部長(次条において「警察庁長官又は警察本部長」という。)の意見を聴くことができる。

(所轄庁への意見)
第四十三条の三  警察庁長官又は警察本部長は,特定非営利活動法人について第十二条第一項第三号に規定する要件を欠いていると疑うに足りる相当な理由又はその役員について第二十条第五号に該当すると疑うに足りる相当な理由があるため,所轄庁が当該特定非営利活動法人に対して適当な措置を採ることが必要であると認めるときは,所轄庁に対し,その旨の意見を述べることができる。

第四十七条  第四十二条の規定による命令に違反した者は,五十万円以下の罰金に処する。

第四十八条  特定非営利活動法人の代表者又は代理人,使用人その他の従業者が,その特定非営利活動法人の業務に関して前条の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その特定非営利活動法人に対しても同条の刑を科する。

第四十九条  次の各号のいずれかに該当する場合においては,特定非営利活動法人の理事,監事又は清算人は,二十万円以下の過料に処する。
一  第七条第一項の規定による政令に違反して,登記することを怠ったとき。
二  第十四条において準用する民法第五十一条第一項 の規定に違反して,財産目録を備え置かず,又はこれに記載すべき事項を記載せず,若しくは不実の記載をしたとき。
三  第二十三条第一項又は第二十五条第六項の規定に違反して,届出をせず,又は虚偽の届出をしたとき。
四  第二十八条第一項の規定に違反して,書類を備え置かず,又はこれに記載すべき事項を記載せず,若しくは不実の記載をしたとき。
五  第二十九条第一項の規定に違反して,書類の提出を怠ったとき。
六  第三十五条第一項の規定に違反して,書類の作成をせず,又はこれに記載すべき事項を記載せず,若しくは不実の記載をしたとき。
七  第三十五条第二項又は第三十六条第二項の規定に違反したとき。
八  第四十条第一項において準用する民法第七十条第二項 又は第八十一条第一項 の規定に違反して,破産手続開始の申立てをしなかったとき。
九  第四十条第一項において準用する民法第七十九条第一項 又は第八十一条第一項 の規定に違反して,公告をせず,又は不正の公告をしたとき。
十  第四十一条第一項の規定による報告をせず,若しくは虚偽の報告をし,又は同項の規定による検査を拒み,妨げ,若しくは忌避したとき。

第五十条  第四条の規定に違反した者は,十万円以下の過料に処する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

要援護者リストの共有について

2007-03-18 18:47:28 | Weblog
災害時の要援護者リスト,誓約書交わし地域で共有へ YOMIURI ONLINE

 個人情報保護法第11条には,「地方公共団体は,その保有する個人情報の性質,当該個人情報を保有する目的等を勘案し,その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずることに努めなければならない。」とある。
これに基づき,各地方公共団体は,保有する個人情報の保護に関し条例等を整備している。例えば,秋田市の場合は,秋田市個人情報保護条例等がそれにあたる。
 
 秋田市の場合,福祉部局による防災部局への要援護者に係る個人情報の提供は,上記条例第6条第2項第4号の「保有個人情報を実施機関の内部で利用し,又は他の実施機関に提供する場合において,当該保有個人情報を利用し,又は提供することについて相当の理由があると認められるとき。」により可能のように思われる。
他方,民生委員,自主防災組織,自治会等の外部への提供については,同第6号の「前各号に掲げる場合のほか,実施機関が秋田市個人情報保護審査会の意見を聴いた上で公益上特に必要があると認めるとき。」により,審査会の意見聴取が必要になりそう。
外部提供に係る措置として手堅いのは,本人の同意を得ること(同第1号)。ただ,ご本人が意思表示困難な場合,これは難しい。

内閣府 平成18年3月28日 災害時要援護者の避難支援ガイドラインについて


「個人情報の保護に関する法律」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ,個人情報の適正な取扱いに関し,基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め,国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに,個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより,個人情報の有用性に配慮しつつ,個人の権利利益を保護することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「個人情報」とは,生存する個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ,それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
2  この法律において「個人情報データベース等」とは,個人情報を含む情報の集合物であって,次に掲げるものをいう。
一  特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
二  前号に掲げるもののほか,特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの
3  この法律において「個人情報取扱事業者」とは,個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし,次に掲げる者を除く。
一  国の機関
二  地方公共団体
三  独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律 (平成十五年法律第五十九号)第二条第一項 に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)
四  地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)
五  その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者
4  この法律において「個人データ」とは,個人情報データベース等を構成する個人情報をいう。
5  この法律において「保有個人データ」とは,個人情報取扱事業者が,開示,内容の訂正,追加又は削除,利用の停止,消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データであって,その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの又は一年以内の政令で定める期間以内に消去することとなるもの以外のものをいう。
6  この法律において個人情報について「本人」とは,個人情報によって識別される特定の個人をいう。

(基本理念)
第三条  個人情報は,個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであることにかんがみ,その適正な取扱いが図られなければならない。

(国の責務)
第四条  国は,この法律の趣旨にのっとり,個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な施策を総合的に策定し,及びこれを実施する責務を有する。

(地方公共団体の責務)
第五条  地方公共団体は,この法律の趣旨にのっとり,その地方公共団体の区域の特性に応じて,個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な施策を策定し,及びこれを実施する責務を有する。

(地方公共団体等が保有する個人情報の保護)
第十一条  地方公共団体は,その保有する個人情報の性質,当該個人情報を保有する目的等を勘案し,その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずることに努めなければならない。
2  地方公共団体は,その設立に係る地方独立行政法人について,その性格及び業務内容に応じ,その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずることに努めなければならない。

(区域内の事業者等への支援)
第十二条  地方公共団体は,個人情報の適正な取扱いを確保するため,その区域内の事業者及び住民に対する支援に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(苦情の処理のあっせん等)
第十三条  地方公共団体は,個人情報の取扱いに関し事業者と本人との間に生じた苦情が適切かつ迅速に処理されるようにするため,苦情の処理のあっせんその他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

第十四条  国及び地方公共団体は,個人情報の保護に関する施策を講ずるにつき,相協力するものとする。

秋田市個人情報保護条例の関連条文

(目的)
第1条 この条例は,個人情報の適正な取扱いに関する基本的事項を定めるとともに,市が保有する個人情報の開示,訂正および利用停止を請求する個人の権利を保障することにより,市政の適正かつ円滑な運営を図りつつ,個人の権利利益を保護することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 実施機関 市長,教育委員会,選挙管理委員会,公平委員会,監査委員,農業委員会,固定資産評価審査委員会,公営企業管理者,消防長および議会をいう。
(2) 個人情報 個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ,それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。ただし,次に掲げる情報を除く。
ア 法人その他の団体に関する情報に含まれる当該法人その他の団体の役員に関する情報
イ 事業を営む個人の当該事業に関する情報
(3) 保有個人情報 実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した個人情報であって,当該実施機関の職員が組織的に利用するものとして,当該実施機関が保有しているものをいう。ただし,公文書(秋田市情報公開条例(平成9年秋田市条例第39号)第2条第2号に規定する公文書をいう。以下同じ。)に記録されているものに限る。
(4) 個人情報ファイル 保有個人情報を含む情報の集合物であって,一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。
(5) 本人 個人情報によって識別される特定の個人をいう。

(実施機関等の責務)
第3条 実施機関は,この条例の目的を達成するため,個人情報の保護に関し必要な措置を講じなければならない。
2 実施機関の職員又は職員であった者は,職務上知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ,又は不当な目的に利用してはならない。

(利用および提供の制限)
第6条 実施機関は,法令等に基づく場合を除き,利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し,又は提供してはならない。
2 前項の規定にかかわらず,実施機関は,次の各号のいずれかに該当すると認めるときは,利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し,又は提供することができる。ただし,保有個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し,又は提供することによって,本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは,この限りでない。
(1) 本人の同意があるとき,又は本人に提供するとき。
(2) 出版,報道等により公にされているとき。
(3) 人の生命,身体又は財産の保護のために緊急に必要があるとき。
(4) 保有個人情報を実施機関の内部で利用し,又は他の実施機関に提供する場合において,当該保有個人情報を利用し,又は提供することについて相当の理由があると認められるとき。
(5) 国等に保有個人情報を提供する場合において,事務の遂行上当該保有個人情報を提供することについてやむを得ない理由があると認められるとき。
(6) 前各号に掲げる場合のほか,実施機関が秋田市個人情報保護審査会の意見を聴いた上で公益上特に必要があると認めるとき。
3 実施機関は,前項本文の規定に基づき,保有個人情報を提供する場合において,必要があると認めるときは,保有個人情報の提供を受ける者に対し,提供に係る個人情報について,その利用の目的もしくは方法の制限その他必要な制限を付し,又はその漏えいの防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仮払金に係る返還の免除について

2007-03-17 21:10:48 | Weblog
カネミ油症:仮払金返還,大半を免除 自民救済策 MSN毎日インタラクティブ

 国の債権の免除は,債権管理法第32条に基づき行われるのが本来の姿。
朝日には,農水省が難色を示したとあるが,同法の第10条には,「債権の管理に関する事務は,法令の定めるところに従い,債権の発生原因及び内容に応じて,財政上もつとも国の利益に適合するように処理しなければならない。」とある。行政の反応としては致し方ないか・・・。

 さて,返還されたのは約10億円。被害者間の返還額のバラツキは,平等原則からすれば不公平感は否めないが,さすがに国に「是正せよ(返せ)」とは言いにくい。


「国の債権の管理等に関する法律」の関連条文

(趣旨)
第一条  この法律は,国の債権の管理の適正を期するため,その管理に関する事務の処理について必要な機関及び手続を整えるとともに,国の債権の内容の変更,免除等に関する一般的基準を設け,あわせて国の債権の発生の原因となる契約に関し,その内容とすべき基本的事項を定めるものとする。

(定義)
第二条  この法律において「国の債権」又は「債権」とは,金銭の給付を目的とする国の権利をいう。
2  この法律において「債権の管理に関する事務」とは,国の債権について,債権者として行うべき保全,取立,内容の変更及び消滅に関する事務のうち次に掲げるもの以外のものをいう。
一  国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律 (昭和二十二年法律第百九十四号)により法務大臣の権限に属する事項に関する事務
二  法令の規定により滞納処分を執行する者が行うべき事務
三  弁済の受領に関する事務
四  金銭又は物品管理法 (昭和三十一年法律第百十三号)第三十五条 の規定により同法 の規定を準用する動産の保管に関する事務
3  この法律において「各省各庁」とは,財政法 (昭和二十二年法律第三十四号)第二十一条 に規定する各省各庁をいい,「各省各庁の長」とは,同法第二十条第二項 に規定する各省各庁の長をいう。
4  この法律において「歳入徴収官等」とは,各省各庁の長,各省各庁の長以外の国の機関で他の法令の規定により債権の管理に関する事務を行なうべきこととされているもの又は第五条第一項若しくは第二項の規定により債権の管理に関する事務を行なう者をいう。

(管理の基準)
第十条  債権の管理に関する事務は,法令の定めるところに従い,債権の発生原因及び内容に応じて,財政上もつとも国の利益に適合するように処理しなければならない。

(履行延期の特約等をすることができる場合)
第二十四条  歳入徴収官等は,その所掌に属する債権(国税徴収又は国税滞納処分の例によつて徴収する債権その他政令で定める債権を除く。)について,他の法律に基く場合のほか,次の各号の一に該当する場合に限り,政令で定めるところにより,その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において,当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。
一  債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。
二  債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり,かつ,その現に有する資産の状況により,履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。
三  債務者について災害,盗難その他の事故が生じたことにより,債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため,履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。
四  契約に基く債権について,債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり,かつ,所定の履行期限によることが公益上著しい支障を及ぼすこととなるおそれがあるとき。
五  損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について,債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり,かつ,弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
六  貸付金に係る債権について,債務者が当該貸付金の使途に従つて第三者に貸付を行つた場合において,当該第三者に対する貸付金に関し,第一号から第四号までの一に該当する理由があることその他特別の事情により,当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため,当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。2  歳入徴収官等は,履行期限後においても,前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分(以下「履行延期の特約等」という。)をすることができる。この場合においては,既に発生した延滞金(履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金をいう。以下同じ。)に係る債権は,徴収すべきものとする。
3  歳入徴収官等は,その所掌に属する債権で分割して弁済させることとなつているものにつき履行延期の特約等をする場合において,特に必要があると認めるときは,政令で定めるところにより,当該履行期限後に弁済することとなつている金額に係る履行期限をもあわせて延長することとすることができる。

(履行期限を延長する期間)
第二十五条  歳入徴収官等は,履行延期の特約等をする場合には,履行期限(履行期限後に履行延期の特約等をする場合には,当該履行延期の特約等をする日)から五年(前条第一項第一号又は第六号に該当する場合には,十年)以内において,その延長に係る履行期限を定めなければならない。ただし,さらに履行延期の特約等をすることを妨げない。

(免除)
第三十二条  歳入徴収官等は,債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約等(和解,調停又は労働審判(労働審判法第二十条 の規定による労働審判をいう。第三十八条第三項において同じ。)によつてする履行期限の延長で当該履行延期の特約等に準ずるものを含む。以下この条において同じ。)をした債権について,当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約等をした場合は,最初に履行延期の特約等をした日)から十年を経過した後において,なお債務者が無資力又はこれに近い状態にあり,かつ,弁済することができることとなる見込みがないと認められる場合には,当該債権並びにこれに係る延滞金及び利息を免除することができる。
2  前項の規定は,第二十四条第一項第六号に掲げる理由により履行延期の特約等をした貸付金に係る債権で,同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基いて当該履行延期の特約等をしたものについて準用する。この場合における免除については,債務者が当該第三者に対する貸付金について免除をすることを条件としなければならない。
3  歳入徴収官等は,履行延期の特約等をした債権につき延納利息(第二十六条第一項本文の規定による利息をいう。以下同じ。)を附した場合において,債務者が当該債権の金額の全部に相当する金額をその延長された履行期限内に弁済したときは,当該債権及び延納利息については,債務者の資力の状況によりやむを得ない事情があると認められる場合に限り,当該延納利息の全部又は一部に相当する金額を免除することができる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

300日問題に係る与党合意について

2007-03-16 21:12:35 | Weblog
民法772条:「特例新法」与党合意 医師の証明などで受理 MSN毎日インタラクティブ

 法相が運用の見直しを述べていたところ,与党が特例法で,とのこと。

 『新しい民法』(有斐閣)の中で,池田真朗先生が,「民法の規定はそのままにして,対象や範囲を限定したそれ向きに作られた法律」を(本来の)民法の特別法,「民法の原則規定そのものを何がしかの範囲で修正したり,別のやり方で置き換えられるようにする内容になっている法律」を民法の特例法,と区別しておられる。
前者にあたるのが,任意後見契約法(平成11年),消費者契約法(平成12年)及び中間法人法(平成13年)で,後者にあたるのが,債権譲渡特例法(平成10年)及び電子消費者契約特例法(平成13年),とか。
記事の「特例新法」,上記整理ではどっちかな?

なお,朝日が,再婚禁止期間(待婚機関)を100日くらいに短縮すべきとのPT座長談話を報じているが,同内容を含む「民法の一部を改正する法律案要綱」(いわゆる「平成8年要綱」)は国会で一度も審議されないままお蔵入りになっている。

法務省 法制審議会 民法の一部を改正する法律案要綱


民法の関連条文

(嫡出の推定)
第七百七十二条  妻が婚姻中に懐胎した子は,夫の子と推定する。
2  婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定する。

(父を定めることを目的とする訴え)
第七百七十三条  第七百三十三条第一項の規定に違反して再婚をした女が出産した場合において,前条の規定によりその子の父を定めることができないときは,裁判所が,これを定める。

(嫡出の否認)
第七百七十四条  第七百七十二条の場合において,夫は,子が嫡出であることを否認することができる。

(嫡出否認の訴え)
第七百七十五条  前条の規定による否認権は,子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。親権を行う母がないときは,家庭裁判所は,特別代理人を選任しなければならない。

(嫡出の承認)
第七百七十六条  夫は,子の出生後において,その嫡出であることを承認したときは,その否認権を失う。

(嫡出否認の訴えの出訴期間)
第七百七十七条  嫡出否認の訴えは,夫が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない。

戸籍法の関連条文

第四十九条  出生の届出は,十四日以内(国外で出生があつたときは,三箇月以内)にこれをしなければならない。
2  届書には,次の事項を記載しなければならない。
一  子の男女の別及び嫡出子又は嫡出でない子の別
二  出生の年月日時分及び場所
三  父母の氏名及び本籍,父又は母が外国人であるときは,その氏名及び国籍
四  その他法務省令で定める事項
3  医師,助産師又はその他の者が出産に立ち会つた場合には,医師,助産師,その他の者の順序に従つてそのうちの一人が法務省令・厚生労働省令の定めるところによつて作成する出生証明書を届書に添付しなければならない。ただし,やむを得ない事由があるときは,この限りでない。

第五十二条  嫡出子出生の届出は,父又は母がこれをし,子の出生前に父母が離婚をした場合には,母がこれをしなければならない。
2  嫡出でない子の出生の届出は,母がこれをしなければならない。
3  前二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には,左の者は,その順序に従つて,届出をしなければならない。
第一 同居者
第二 出産に立ち会つた医師,助産師又はその他の者
4  第一項又は第二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には,その者以外の法定代理人も,届出をすることができる。

第五十三条  嫡出子否認の訴を提起したときであつても,出生の届出をしなければならない。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする