法律の周辺

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300日問題に係る与党合意について

2007-03-16 21:12:35 | Weblog
民法772条:「特例新法」与党合意 医師の証明などで受理 MSN毎日インタラクティブ

 法相が運用の見直しを述べていたところ,与党が特例法で,とのこと。

 『新しい民法』(有斐閣)の中で,池田真朗先生が,「民法の規定はそのままにして,対象や範囲を限定したそれ向きに作られた法律」を(本来の)民法の特別法,「民法の原則規定そのものを何がしかの範囲で修正したり,別のやり方で置き換えられるようにする内容になっている法律」を民法の特例法,と区別しておられる。
前者にあたるのが,任意後見契約法(平成11年),消費者契約法(平成12年)及び中間法人法(平成13年)で,後者にあたるのが,債権譲渡特例法(平成10年)及び電子消費者契約特例法(平成13年),とか。
記事の「特例新法」,上記整理ではどっちかな?

なお,朝日が,再婚禁止期間(待婚機関)を100日くらいに短縮すべきとのPT座長談話を報じているが,同内容を含む「民法の一部を改正する法律案要綱」(いわゆる「平成8年要綱」)は国会で一度も審議されないままお蔵入りになっている。

法務省 法制審議会 民法の一部を改正する法律案要綱


民法の関連条文

(嫡出の推定)
第七百七十二条  妻が婚姻中に懐胎した子は,夫の子と推定する。
2  婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定する。

(父を定めることを目的とする訴え)
第七百七十三条  第七百三十三条第一項の規定に違反して再婚をした女が出産した場合において,前条の規定によりその子の父を定めることができないときは,裁判所が,これを定める。

(嫡出の否認)
第七百七十四条  第七百七十二条の場合において,夫は,子が嫡出であることを否認することができる。

(嫡出否認の訴え)
第七百七十五条  前条の規定による否認権は,子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。親権を行う母がないときは,家庭裁判所は,特別代理人を選任しなければならない。

(嫡出の承認)
第七百七十六条  夫は,子の出生後において,その嫡出であることを承認したときは,その否認権を失う。

(嫡出否認の訴えの出訴期間)
第七百七十七条  嫡出否認の訴えは,夫が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない。

戸籍法の関連条文

第四十九条  出生の届出は,十四日以内(国外で出生があつたときは,三箇月以内)にこれをしなければならない。
2  届書には,次の事項を記載しなければならない。
一  子の男女の別及び嫡出子又は嫡出でない子の別
二  出生の年月日時分及び場所
三  父母の氏名及び本籍,父又は母が外国人であるときは,その氏名及び国籍
四  その他法務省令で定める事項
3  医師,助産師又はその他の者が出産に立ち会つた場合には,医師,助産師,その他の者の順序に従つてそのうちの一人が法務省令・厚生労働省令の定めるところによつて作成する出生証明書を届書に添付しなければならない。ただし,やむを得ない事由があるときは,この限りでない。

第五十二条  嫡出子出生の届出は,父又は母がこれをし,子の出生前に父母が離婚をした場合には,母がこれをしなければならない。
2  嫡出でない子の出生の届出は,母がこれをしなければならない。
3  前二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には,左の者は,その順序に従つて,届出をしなければならない。
第一 同居者
第二 出産に立ち会つた医師,助産師又はその他の者
4  第一項又は第二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には,その者以外の法定代理人も,届出をすることができる。

第五十三条  嫡出子否認の訴を提起したときであつても,出生の届出をしなければならない。

コメント (1)
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