法律の周辺

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要援護者リストの共有について

2007-03-18 18:47:28 | Weblog
災害時の要援護者リスト,誓約書交わし地域で共有へ YOMIURI ONLINE

 個人情報保護法第11条には,「地方公共団体は,その保有する個人情報の性質,当該個人情報を保有する目的等を勘案し,その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずることに努めなければならない。」とある。
これに基づき,各地方公共団体は,保有する個人情報の保護に関し条例等を整備している。例えば,秋田市の場合は,秋田市個人情報保護条例等がそれにあたる。
 
 秋田市の場合,福祉部局による防災部局への要援護者に係る個人情報の提供は,上記条例第6条第2項第4号の「保有個人情報を実施機関の内部で利用し,又は他の実施機関に提供する場合において,当該保有個人情報を利用し,又は提供することについて相当の理由があると認められるとき。」により可能のように思われる。
他方,民生委員,自主防災組織,自治会等の外部への提供については,同第6号の「前各号に掲げる場合のほか,実施機関が秋田市個人情報保護審査会の意見を聴いた上で公益上特に必要があると認めるとき。」により,審査会の意見聴取が必要になりそう。
外部提供に係る措置として手堅いのは,本人の同意を得ること(同第1号)。ただ,ご本人が意思表示困難な場合,これは難しい。

内閣府 平成18年3月28日 災害時要援護者の避難支援ガイドラインについて


「個人情報の保護に関する法律」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ,個人情報の適正な取扱いに関し,基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め,国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに,個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより,個人情報の有用性に配慮しつつ,個人の権利利益を保護することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「個人情報」とは,生存する個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ,それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
2  この法律において「個人情報データベース等」とは,個人情報を含む情報の集合物であって,次に掲げるものをいう。
一  特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
二  前号に掲げるもののほか,特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの
3  この法律において「個人情報取扱事業者」とは,個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし,次に掲げる者を除く。
一  国の機関
二  地方公共団体
三  独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律 (平成十五年法律第五十九号)第二条第一項 に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)
四  地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)
五  その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者
4  この法律において「個人データ」とは,個人情報データベース等を構成する個人情報をいう。
5  この法律において「保有個人データ」とは,個人情報取扱事業者が,開示,内容の訂正,追加又は削除,利用の停止,消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データであって,その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの又は一年以内の政令で定める期間以内に消去することとなるもの以外のものをいう。
6  この法律において個人情報について「本人」とは,個人情報によって識別される特定の個人をいう。

(基本理念)
第三条  個人情報は,個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであることにかんがみ,その適正な取扱いが図られなければならない。

(国の責務)
第四条  国は,この法律の趣旨にのっとり,個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な施策を総合的に策定し,及びこれを実施する責務を有する。

(地方公共団体の責務)
第五条  地方公共団体は,この法律の趣旨にのっとり,その地方公共団体の区域の特性に応じて,個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な施策を策定し,及びこれを実施する責務を有する。

(地方公共団体等が保有する個人情報の保護)
第十一条  地方公共団体は,その保有する個人情報の性質,当該個人情報を保有する目的等を勘案し,その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずることに努めなければならない。
2  地方公共団体は,その設立に係る地方独立行政法人について,その性格及び業務内容に応じ,その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずることに努めなければならない。

(区域内の事業者等への支援)
第十二条  地方公共団体は,個人情報の適正な取扱いを確保するため,その区域内の事業者及び住民に対する支援に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(苦情の処理のあっせん等)
第十三条  地方公共団体は,個人情報の取扱いに関し事業者と本人との間に生じた苦情が適切かつ迅速に処理されるようにするため,苦情の処理のあっせんその他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

第十四条  国及び地方公共団体は,個人情報の保護に関する施策を講ずるにつき,相協力するものとする。

秋田市個人情報保護条例の関連条文

(目的)
第1条 この条例は,個人情報の適正な取扱いに関する基本的事項を定めるとともに,市が保有する個人情報の開示,訂正および利用停止を請求する個人の権利を保障することにより,市政の適正かつ円滑な運営を図りつつ,個人の権利利益を保護することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 実施機関 市長,教育委員会,選挙管理委員会,公平委員会,監査委員,農業委員会,固定資産評価審査委員会,公営企業管理者,消防長および議会をいう。
(2) 個人情報 個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ,それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。ただし,次に掲げる情報を除く。
ア 法人その他の団体に関する情報に含まれる当該法人その他の団体の役員に関する情報
イ 事業を営む個人の当該事業に関する情報
(3) 保有個人情報 実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した個人情報であって,当該実施機関の職員が組織的に利用するものとして,当該実施機関が保有しているものをいう。ただし,公文書(秋田市情報公開条例(平成9年秋田市条例第39号)第2条第2号に規定する公文書をいう。以下同じ。)に記録されているものに限る。
(4) 個人情報ファイル 保有個人情報を含む情報の集合物であって,一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。
(5) 本人 個人情報によって識別される特定の個人をいう。

(実施機関等の責務)
第3条 実施機関は,この条例の目的を達成するため,個人情報の保護に関し必要な措置を講じなければならない。
2 実施機関の職員又は職員であった者は,職務上知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ,又は不当な目的に利用してはならない。

(利用および提供の制限)
第6条 実施機関は,法令等に基づく場合を除き,利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し,又は提供してはならない。
2 前項の規定にかかわらず,実施機関は,次の各号のいずれかに該当すると認めるときは,利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し,又は提供することができる。ただし,保有個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し,又は提供することによって,本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは,この限りでない。
(1) 本人の同意があるとき,又は本人に提供するとき。
(2) 出版,報道等により公にされているとき。
(3) 人の生命,身体又は財産の保護のために緊急に必要があるとき。
(4) 保有個人情報を実施機関の内部で利用し,又は他の実施機関に提供する場合において,当該保有個人情報を利用し,又は提供することについて相当の理由があると認められるとき。
(5) 国等に保有個人情報を提供する場合において,事務の遂行上当該保有個人情報を提供することについてやむを得ない理由があると認められるとき。
(6) 前各号に掲げる場合のほか,実施機関が秋田市個人情報保護審査会の意見を聴いた上で公益上特に必要があると認めるとき。
3 実施機関は,前項本文の規定に基づき,保有個人情報を提供する場合において,必要があると認めるときは,保有個人情報の提供を受ける者に対し,提供に係る個人情報について,その利用の目的もしくは方法の制限その他必要な制限を付し,又はその漏えいの防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。

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