老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

『ソウル市民 昭和望郷編』

2011-11-16 23:30:29 | 演劇


3日連続。早く書かないと忘れてしまう。
前日の2本は睡魔と闘いながら見た。なんせ朝7時に成田について家に行って朝ご飯食べて風呂に入ったらもう家を出なきゃいけない時間で、飛行機の中で30分、バスの中でも同じくらいウトウトしただけだったから眠いのも当然。ほぼカンテツ明けに芝居2本続けて見るなんて無謀すぎた。その結果、芝居の途中で3分おきに意識を失いそうになって10秒くらいの短い夢を断続的に見ながら、一方でナマの舞台を見ていたわけで、、印象が曖昧なのはそのせいもある。
で、コノ日は1時から3本。眠くはならなかったが。

これはまた第2話の10年後。大恐慌が起ころうとしている頃。篠崎文房具店の長男は精神病になって入院している。長女のムコさんが家に来た時に首を絞めようとしたのがきっかけらしい。そのムコさんは株取引で大儲けしていて、その勢いで篠崎文房具店の経営を変えようとしている。外から資金を集めて多角経営して、みたいなコト。家にはラジオがあって世界中の情報が入ってくる。
不景気の波は朝鮮にも少しずつやってくる。近所の印刷会社は店をたたんで満州に出ていこうとする。朝鮮から満州に行くのは相当な覚悟がいることだったようだ。

そこに長男が退院してくる。そのムコさんにとっては迷惑な話。ウマくすれば家を乗っ取れるところだったのに。
時代が変わって店で書生だった朝鮮人の若者が優秀な成績を取ってニッポンの国家公務員になっていたりする。ニッポンが朝鮮や満洲や台湾やモンゴルなどをそれぞれアメリカの州のようにして、ホンキで連邦国家を作ろうとしていたような。ソレを徹底的にワレワレニッポン人はいいことをしてるんだと、カレラのためになるコトをしているんだと、そういう倒錯した善意がコッカの狂気として描かれている。

そこに長男に付き添ってきた病院の看護婦が二人出てきて、どっちがホンモノでどっちがニセモノなのか、はたまた二人とも看護婦になりきった精神病患者なのか、みたいな話になって、狂った時代における狂気とは何か、みたいなコトがややあからさまに演じられる。
最後はラジオから遠い微かな音でニュースが伝えられて、、実際はソレは聞こえないのだが、大恐慌が始まって世の中が大きく動き始める予感を感じさせてオシマイ。
ドラマチックでおもしろくてわかりやすかった分、奇妙なもの足りなさが残った。

2011.11,13 吉祥寺シアター

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