老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

ダバ インディア@八重洲

2008-04-22 23:50:39 | 伽哩
で、土曜日は医者に行った後、病は気からと頭の中で10回繰り返してから、何かうまいものでも食べようと思って、前から気になっていたココへ。

ジャイプールをイメージした店内、って書いてあったけど、床も壁も青系でまとまっていて、ジャイプールよりきれいだった。
八重洲のビジネス街のはずれで、しかも土曜だっていうのに店内は満席。ホリディランチメニューの中から、バナナの葉の上に5種類のカレーと、細長い米、プーリー、ババド、デザートが乗って、1,600円ナリ。かなりウマカッタ。

南インド料理ってことで、南だから相当辛いのかというとそうでもない。味噌汁みたいなスープ、野菜、エビ、チキン、、あとひとつ忘れた。どれも香辛料の奥深い味わいで、それらをご飯にかけて混ぜあわせて食べるというのがインド流。手で食べてもいい。
夜はインドのビールやワイン、日本酒まであって、カレーの種類もたくさん。マトンのビリアーニもあるので次回は夜に行きたいものだ。
こんな気になるのも、少しばかり生き返ったってこと。

『怪しい来客簿』 色川武大

2008-04-20 17:08:31 | 文学
世の中が白く霞んで見える。手足がしびれて指がまともに動かない。最悪の状態がこの前、東中野で映画を見た頃からずっと続いていて、昨日ついに医者に行った。待っている間にも気が遠くなりかけて、倒れこむように診察室に入って医者の一言。タイシタコトナイヨ、って。顔色も悪くないし、少なくとも脳には異常はない。しびれなんて気のせいだ、、って。じゃあ何、今のこのワタシ。

とりあえず今すぐに死ぬわけでもなさそうなので、この人の2冊目について。
小説というよりはジブンが出会った変な人たちに関するへんな話、というか、そういう話を通じて、ジブンの立ち位置というか、ジブンのものの考え方を表明しているような短編集になっている。
たとえば相撲のどうしようもなく奇っ怪な体型をした力士がいいところまで出世した後に落ちぶれていって、それでも相撲以外に生きていく場所がなくて、最後は見せ物の怪物のような状態にまでなって、やっとのことでまわりからやめさせられる。そういう力士のことを書いて、自分もどこか似たようなところがあって、そういう悲惨な落ちぶれ方に同情している。そうやって生きていくしかない不自由な身の上を、苦しい共感として書き出している。

なんかワタシの今のこの苦しい状態には毒のような、おそらく精神的な重圧というか、あの誰かのパワハラからきている、このアンバランスな状態には、けっしてそれを緩和する方向のものでないことは確か。それでも読まずにいられない。この、世の中をあきらめ切ったところから、どうしようもないものとして世間を平和な眼差しで見つめる、そういう視線に限りない共感を感じずにいられない。

聖火ランナーとか、そういうどうでもいいことに膨大なエネルギーを注いでいるこのくだらない世の中に、本当にもうあきらめるしかないような絶望的な気持ちを持ちながら、言葉が生み出す空間の無限の広がりみたいなものにこの人は希望を感じていたんだな、と。
この前、1コ小説を書き終わって、次を書こうとしてなかなか書けない。もっと絶望的なものを書こうと思っていたのに、カラダがブレーキをかけているみたいで、それがこのしびれの原因なのかとも。
とりあえずまだ生きているし、むしろジブンの一部を壊すくらいのことをしないと、新しいモノは見えてこないわけで、それくらいのことは誰だってわかるだろうけど。

文春文庫版 1989年刊。

ガンボ&オイスターバー@横浜そごう

2008-04-06 23:53:49 | 料理
デパートの食堂って言ったら入口で食券買って、空いてる席に座って、ウェイトレスのおねーさんが来たら食券渡すと半分にちぎって持っていって、料理が来ると残りの半分を持っていって、、みたいなところだったのが、今じゃ、だいぶ様子が違う。ココなんか木が生えていたり水が流れていたりで、だだっ広いフロアの中に、いろんな店が並んでいる。とは言っても客はやっぱりデパートの客で、大陸出身かと思わせるような大声で叫びあったり、下品な声で笑いあったり。そういうことに耐えられる精神状態のときにだけ、年に数回に過ぎないが、出かけていく。

オイスターバーはニューヨークのナントカ駅の近くだか、駅ナカだかに有名な店があるのを聞いていたがなかなか行く機会がなく、そうこうしているうちに東京の五反田だか品川だかに美人姉妹が似たような店を開いて繁盛しているというウワサを聞いたが、そこにもなかなか行く機会がなく、というか混んでるらしいということを聞いて、混んでる所には行く気がしなかっただけだが、ウチの近くにもこんな店があるのを最近知って、とりあえず行ってみた。白ワインに生牡蠣なんて、うまいに決まっているし。
で、ココの店、牡蠣は5~6種類あって、アイルランド産のだけが一段高く、ほかはアメリカ産が1種類と、日本の北海道から広島あたりのが数種類。とりあえず3種類を1個ずつ食べたが、厚岸と的矢では、食べてるプランクトンの違いから味が全然違う。とにかく厚岸産はプクプクのタプタプ。堪能した。

ところでスーパーで売ってる牡蠣の生食用と加熱用、どっちがうまいか知ってマスか。。
生食用のほうが生で食べるだけあって新鮮でうまい、というのは大間違いで、生食用は出荷前にカラダの中のばい菌を全部外に出すまで紫外線で殺菌される。だからその間に身も痩せてうまさも減ってしまうわけで、その点加熱用は火を通して食べるのが前提だから、そこまで殺菌しないのでより旨味が残っているというワケ。
じゃあこういう店の生牡蠣は痩せてうまくなくなっているのか。それでもって焼き牡蠣用の牡蠣は痩せてない加熱用の牡蠣なのか、どっちもうまかったのでワタシにはさっぱりわからなかった。

ガンボっていうのは食べなかったが、牡蠣などの魚介と野菜を煮込んだ料理でココの名物らしい。ほかにも牡蠣の炊き込みご飯風のものとかうまいものがたくさんあった。