老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

『東京煮込みランチ』@有楽町・TOKYO VINVIN

2007-08-21 15:05:47 | 料理
先週の夏休みは平日5日のうち、3日もシゴトにとられた。そもそも盆休みは全国一斉の休日じゃないから、ワレワレのようなサービス業はクライアントの都合しだいになってしまう。おまけに最近じゃ、カイシャからPHS渡されて、対応が悪いとすぐにクレームになるから休んでいても手放せない。まさにサラリーマン地獄だ。
で、今日は気分的には先週の代休だが、電話が次から次にかかってきて、、ビール飲みながら応えているワタシ。そのうちテレビ電話が標準化されれば、こんなこともできなくなる。とはいえ、そんな頃にはカレー屋さんだ。

コレは先週の土曜日にちょっと有楽町に用があって、ムスコと食べたランチ。
東京ビンビンではなく、東京バンバンと読む。ビンビンじゃ、いかにも。。有楽町あたりじゃ昼メシの場所を探せばあるわあるわ。ヘドロ臭い会社の周りはもちろん、海の見える家の近くにも食べ物屋がほとんどない日常と比べると、選べるというだけでありがたい。
ワインと煮込みがウリのこのお店、コレは「東京煮込みランチ」と題された、要は牛スジ肉のシチューなのだが、白ネギに唐辛子が振りかけられて、飲み屋のモツ煮込みに近い。肉のほかにはじゃがいも、ニンジン、牛蒡が入っていたか、、かなり煮込まれて、ドロドロ状態。サラダにご飯またはパン、飲み物がついて1,050円ナリ。有楽町電気ビル地下1階。店内は広々して、サービスもいい。

さてと、、休暇とはいえこれから名古屋へ出張。5年間続いたシゴトが今月で終わる。その締めくくりだ。長い旅の終わり。。思う存分、味噌煮込みでも食べてくるかと。

『すき焼』@八王子 やまもと

2007-08-19 09:27:06 | 料理
ツマはタカラヅカの追っかけしてる。朝起きるともういないから、洗濯機回して、ご飯炊いて、味噌汁作ってムスコと食べる。そのあとは皿洗って、掃除機かけて、洗濯物干したら後はヒマ。今週は特にヒマ。インフルエンザで競馬休みだし。だからお絵かきでもするか、と。いささかグルメブログのようになりつつあるが。。

コレは墓参りに行った帰りにご馳走になったすき焼。高い。竹解析、いや竹会席で刺身やら前菜がついたコースで一人5,000円+消費税。自分のカネじゃ絶対に食べないシロモノだ。
焼いてくれたオネーサンが言うには、ウチは肉は特にどこどこ産とはこだわっていないのよ、とのこと。まあ、それが真っ当だ。いい肉を選べばどこの肉だろうがうまいに決まっている。毎度の話題だが関東風、関西風、どっちがうまいかでひとつ盛り上がって、そのあとはひたすら食べた。
で、ワタシからの話題は、すき焼の2個目の卵はなぜまずいか、というものだったが、さっきのオネーサン、コレステロールが多いから1個にしておいたほうがいいってことよ、と、答えにならない答。すき焼は1個の卵で食べきらないといけないのだ。

それにしても肉だけでなく、ネギ、しいたけ、白滝、春菊と、どれもこれもうまい。ご馳走される身としてはなおさらだ。
「やまもと」さんはこの辺りじゃ有名な老舗。白い蛍光灯を除けば落ち着いた雰囲気で、サービスもいい。

大井競馬場

2007-08-17 22:27:54 | 競馬
今日まで一応夏休み。とはいえ、午前中、千葉の内陸部まで打ち合わせに行ってきたところ。で、家に帰って土日は競馬三昧、と思っていたら、今週はお休みとの知らせ。コレはたいへんなことになってしまった。。
その代わりというわけでもないが、昨日行ったのがココ。トーキョー・シティー・ケイバであーる。ココの馬は簡単にはインフルエンザなんかにはかからない。もちろん馬にとっては中央競馬も地方競馬も関係ない。本能のおもむくまま、ニンジンもらうために走るだけだ。給料鼻先にぶら下げられて、夏休みもシゴトに出かけるジブン自身を見ているようで、、お馬さんがイトオシイ。だから競馬に行くのだ。

ココの面白いところは競馬場の中に公認の予想屋さん十人以上もいて、小さな小屋のなかで、バナナの叩き売りみたいにお客と掛け合いながら予想をちらつかせる。で、結論は200円払うと小さなわら半紙に番号をゴム印で押したのをくれる。お客はそれを見て馬券売り場に急ぐのだ。まさに溺れるものはわら半紙をもつかむ、というわけ。
ワタシも1レースだけ、一番賑わっていたところで予想を買ってみた。自信の一点狙い、とか言っていたが結果は大ハズレ。次のレースの前に見に行ったら、そこには一人もお客がいなかった。キビシイ世界である。
世の中、どこもきびしい。気楽なのはヤクニンくらいだ。

6時を過ぎるとイルミネーションが瞬きはじめ、砂のコースが白い光に浮かび上がる。職場の若いオンナの子を連れたオジサングループが、ビールと焼き鳥で盛り上がる。ブチョーゥ、どの馬が強いんですかぁー、、チミみたいにお尻が引き締まってプリプリしてるのが速いのさぁー、、みたいな。
そんなこんなでまた一日大負けかと思ったら、最後の最後に3連単が当たってほぼトントン。カイシャからの帰り道だし、大森駅から無料バスも出ているし、クセになりそう。

『夏野菜カレー』@国立・ロージナ茶房

2007-08-16 11:37:28 | 伽哩
昨日はとんでもない暑さ。百葉箱の中で36℃だから、アスファルトの上、高さ1.5mでは軽く40℃を超えている。そんななか、墓参りに行く途中、わざわざ遠回りして昼はココ。青春のほろ苦い記憶がよみがえってくる町の名店である。

夏こそカレー、というわけで、ココの名物?、激辛ビーフカレーにしようかと思ったら、黒板に書かれた本日のオススメが目に入った。ピーマン、アスパラガス、トマトがざっくりと入って、カレーと野菜の酸味に食欲が刺激されながら、食べているうちにじわじわ辛さが効いてきた。実にさわやか、うまい。

この店では、見るからに清潔な、歩いた後にはマイナスイオンが渦を巻いて見えるような、そんなオジョーさんたちがウェイトレスやっていて、実にタイミングよく水を継ぎ足してくれたり、食べ終わった皿をさげてくれたり、食後のコーヒーを運んできてくれる。完璧なサービス。静かな音楽。空間を構成するすべてがコントロールされている。山口瞳サンもココの常連だった。たしか『行きつけの店』みたいな本に同じようなことを書いている。

ワタシもいつかカレー屋さんやりたい。死んだオヤジも50過ぎてそんなことを繰り返し言っていた。親子2代の夢だ。そのときはココがひとつの理想、であることは間違いない。

『イカソーメン』@函館朝市・きくよ食堂

2007-08-15 09:10:28 | 料理
今週、実は夏休みなんだが、早くも月、火とオシゴトでつぶれている。今日は敗戦記念日で、8月16日に南の島で戦死したワタシの知らないオジイサンとか、すでにアチラ側に渡ってしまったワタシの親達を弔いにこれから墓参りなんぞに行く。これもニッポンの夏、という感じで。。

で、楽しいことはあまりないので先週の函館の思い出に生きるワタシ。イカソーメンを絵に描くなんてムボーとは知りながら、コレはウニ・イクラ・カニ丼を食べた朝市のきくよ食堂でのイカソーメン。今の時期は真イカで、1月から5月はヤリイカだそうだ。
ソーメンといっても5mm角くらいで、こっちのスーパーで売っているのとはまったく違うモノ。歯応え、甘み、シコシコした感じ、博多で食べる呼子のイカと、どっちの料理ショー的なうまさだ。どっちもうまいってこと。

下に敷いたシソの葉が透ける感じ。大根の糸のように切ったのとか、ガラスの器とか、そこに鮮やかな生姜が添えられて、ニッポン的な美の極致じゃあないですか。

『破れた繭 耳の物語*』 開高健

2007-08-13 22:14:23 | 文学
「耳の物語」というのが自らの半生を省みての長編自伝のタイトルで、こっちの「破れた繭」が前編、この前書いた「夜と陽炎」が後編である。どちらも自分の耳が聞いた音をテーマに、様々なできごとを物語っているのが特徴で、そういうことから「耳の物語」となっている。
この前編は作者が子どもの頃から、自分が親になるまでの話で、戦後のドロドロの社会の中をゴミムシのようになって生き延びた、鮮烈な情景の描写が話の軸になっている。もう読んでいて、お腹が痛くなりそう。キモチ悪い。実際に人が吐いたモノにまみれる快感みたいなことまで書いていて、これぞ敗戦後の解放感がもたらした自由、という感じだ。

そんな中で一番強烈なのが、モノ書きを志そうとした作者が、あるところで聞いた一言、マラルメの一句、
  すべての書(ふみ)は読まれたり
  肉はかなし
という言葉に「昆虫がピンで刺されたみたいになってしまった」というもの。
そしてその後に、トルコの無名の詩人の、
「すでに本はたくさん書かれすぎている」という言葉にとどめの一撃を喰わされ、ジブンには書くべきことがないと悟った後に、作家としての時間が始まる。そういう、開高健の苦しい出発点が書かれている。

開高健はわずかなフィクションを書いた後は書くことがなくてビョーキにもなって、飲み屋で武田泰淳に、それならルポを書きなさいと言われて、釣りやら酒やらベトナムやら、いろんなルポを書き続けた。さかな釣りに関してはワタシにとって虫唾が走る行為である、キャッチアンドリリースの場面が頻繁に出てくるので読む気がしないが、ベトナムものはこの前亡くなった小田実に担がれて、べ平連の運動に加わるきっかけにもなって、死ぬときは社会派と見なされるまでになった。

それにしても耳に残った音の記憶を辿って自伝を書くというのもなかなか思いつかないことだ。匂いとか、肌触りとか、体温とかならいろんなオンナの人の顔が眼に浮かんできて、ワタシにも何か書けそうなんだが。。

『ウニ・イクラ・カニ丼』@函館朝市・きくよ食堂

2007-08-12 08:05:30 | 料理
コレは先週行った函館で食べてきたものデスよぉ~。念のため。。
テレビ・雑誌で有名な店だということで要注意だったのだが、お店のおばさんはみんな普通のおばさんって感じで一安心。それでもやっぱり奇っ怪だったのは、みんな朝っぱらからどんぶり飯食べていた光景で、ワタシたちも食べた後、思わず喰いすぎたと呻いた。丼のほかにイカソーメン、タコ刺しまで食べてしまったので。

朝市の周辺にはこういう丼モノを食べさせる店が何十とあり、どれも似たり寄ったりなのだが、ココの特徴は炭でご飯を炊いていること、だそう。確かに電気釜で炊いたのよりはうまかった、と思う。
名物はウニ、イクラ、エビ、カニ、ホタテ、シャケの中から3つを選んで丼にしてもらうお好み丼。初日はワタシがウニ・イクラ・ホタテ丼、ツマがウニ・イクラ・シャケ丼、ムスコがイクラ・カニ・エビ丼で、2日目のコレがやはり究極だろうという結論に達した。ムスコはエビに固執したが。
岩海苔の味噌汁と沢庵がついて1,580円ナリ。

それにしてもどしゃ降りの雨の中、市場は大変な賑わい。主役はなんと言っても毛ガニと花咲ガニだった。

函館競馬場

2007-08-11 08:07:32 | 競馬
先週は函館。今週1週間はクレーム処理で右往左往。それでも時間がたつのは速い。それになんとか生き続けているし。

で、この前、福島競馬場に行ったときも福島での最終日で、12レース終了後に芝コースが開放されたのだが、時間がなくて帰ってきた。先週は函館の最終日で、今度こそは、馬糞と土の区別がつかない、ややくたびれた芝生の上をムスコと走ってきた。トウのたった往年の種牡馬と、毎朝ビンビンの現役馬とでは競争にもならなかったが。

この暑いのに馬も大変だ。今日からは札幌で始まるが、今のところ行く予定なし。

『魔笛』

2007-08-09 00:10:56 | 映画
今週に入って、クライアントからのクレーム攻撃でお尻に火がついているものの、6時過ぎれば夏休みモード。昨日はレイトショーの映画見るために川崎で途中下車した。映画といえば横浜ではなく川崎なのだ。

で、コレはモーツァルトの傑作オペラの映画化。プログラムにも書いてあったが、オペラ映画というのは1900年頃の無声映画の時代から1つのジャンルをつくっていて、特にイタリア、ロシアでは名作がたくさん生まれている。もちろん名作オペラがあって、名歌手がいたからこそなのだが、、そういえばこの前見たロストロポーヴィチのドキュメンタリーで夫人の名オペラ歌手が映画に出ていた場面が織り込まれていた。この作品にも「魔笛」を得意とするヨーロッパの超一流歌手が勢揃いしていて、かなりきわどい演出であったものの、音楽、映像の両面で胆嚢、いや堪能した。こういう映画を邪道という自称オペラファンがいたとしたら、そういう貧相な教養には恥ずかしくなる。

「魔笛」はモーツァルトが死ぬ直前に書き上げた傑作中の傑作。死の影は見えないものの、アヤシイ宗教を暗示する場面があちこちに散りばめられたり、力強く生きていこう、、みたいな、ドタバタのお笑いの中に、逆に苦しい心の中身がチラリと見えて複雑なキモチにさせられる。
映画のほうはコレが書かれた1700年代末頃の時代背景を無視して、近代戦争の戦場が舞台になっている。とはいえリアリティーを排除した、完全に寓話の世界でのできごととして話が進行する。その辺が監督の想像力だ。

だからこの映画は、そういう奇っ怪に思えるほどの想像力に思わずうなった。誰が正義で、誰が悪なのか最後までわからない。戦争の場面で、「こんな時代だからこそ、」と言わせて、現代のワレワレに愛のために生きろよと言ってくる。浮世離れした映画のようで、ケッコウ社会派なのだ。
主役は愛を求めて勇敢に生きる若者役のジョセフ・カイザー、、かと思ったら、新興宗教の教祖のような、善が服を着たようなルネ・パーぺがプログラムのアタマに載っていた。共にオペラ界の有名歌手、だと思う。ほかに夜の女王役のリューボフ・ペトロヴァが、年齢の割りに口元のアップに十分耐えていた。

ケネス・ブラナー監督・脚本、2006年イギリス映画。
8/7、109シネマズ川崎にて

函館朝市のイカ

2007-08-06 22:53:02 | 旅行
とにかく、行くには行ってきた。金曜の夜はまずは平穏。で、土曜日、眼が覚めたら台風直撃だ。九州に上陸してから日本海を大回りして、津軽海峡の隙間めざして、あたかも名投手堀内のだらだらカーブのように、回り込んできた。
まあそれでも夕方には陽も差してきて、日曜日は台風一過かと思いきや、これがまた前日以上の大雨。帰りの夕方発の飛行機が、積乱雲避けて遠回りしてきたってことで、1時間以上遅れた。帰りも羽田にまっすぐ向かわず、新潟から名古屋回って帰りますって、まるで遊覧飛行の大サービス、とはいったものの、雲もしだいに流れて、そんなに遠回りはしないでその日のうちに家に帰った。

それでも2日間でお馬さんやり放題=負け放題で、朝市も観光客らしく、びしょ濡れになりながら歩き回った。お決まりのウニ・イクラ・カニ・エビ・ホタテ・シャケ丼とか、これがイカかと思わず叫んでしまったイカソーメンとか、皿からはみ出た巨大ホッケの開きとか、はたまたジンギスカンに塩ラーメンとか、、うまいものは尽きない。
ちょうど年に一度のお祭りに重なったがこちらも雨で散々。それでもハチマキ巻いた市電のニイサンや、競馬場で短い夏を謳歌するキャピキャピヘソだしおじょーチャンたちとか、歴史を感じさせる町並みとは対照的に、意外と若々しい空気がそこここから露出するこの町の素顔を垣間見た。