きのう見た芝居。池袋の東京芸術劇場、略してゲイゲキに初めて行ってきた。かつて建築家のイソザキアラタが東京の5大粗大ゴミと呼んだ、東京フォーラム、東京都庁舎、東京都現代美術館、江戸東京博物館と並ぶ、スズキ都政が落していった税金ムダ使い施設の一つ。
ニンゲンは飯食って寝るだけの存在ではないので、美術館とか劇場だからムダだと言うのにはまったく同意できないが、これまでの使われ方をみていると明らかにムダなゴミのような建物だった。だって今まで一度も行かなかったってことはおもしろそうなことを全然やってなかったってことだから。なんの特徴もないただの貸しホールだったってこと。
それが今年、アノ野田秀樹サマが芸術監督になって、で、そのきっかけというのも東京がオリンピック開催地に立候補したら選考委員会から都市としての文化的な活動も重要だっていわれて、でもってそれならなにかしないと、というかあのイシハラ知事からやれって言われたからだろうが、野田サマを芸術監督にしてとりあえず何かやらせておけ、みたいなことになったのだろう。そういうことを承知の上で引き受けたんだからタイシタもんだ。
で、これはその就任記念プログラムの2発目。急な就任だったので、とりあえずジブンの過去の作品をたてつづけにやっている中では去年、ロンドン・ヴァージョンが好評だったコレのニッポン・ヴァージョンは新作と言ってもいいくらいの注目作で前評判も高かったのだが。。源氏物語がベースにあって、ソレに関する知識が全くないということもあって、本当の面白い部分というのは理解できなかった。
話はアイジン問題のもつれから相手のオトコの家に放火して二人の子どもを死なせたことで警察につかまっている大竹しのぶサマ演じるオンナが、ジブンが誰かもわからない状態になっていて野田秀樹サマ演じる医者から精神鑑定を受けている。刑事と検察官が求めているとおりの鑑定書を出すのが精神鑑定医のシゴトだというセケンのきまりの中で、源氏物語のなかに逃避するオンナにもてあそばれる医者。
源氏物語の主題?である憑依、ヒョーイがこの芝居でもテーマになっていて刑事から何度もジブンの名前を聞かれても物語の中の人物にのり移って答えない。名前を答えることだけがジブンのアイデンティティを主張することだといってるようで、そこが今の世の中の匿名社会的なところを批判しているのか、疑問をあらわしているのか、そのへんがわかりにくくて全体としてむずかしい芝居だなーという印象。
芸術監督就任のパンフレットには、なんでコレを引き受けたかという文章の中で、ネット社会に氾濫する匿名の批評というか雑文というか、そんなものが「文化」を弱めている、というようなことを書いている。匿名の、~らしいよ的な無責任発言は言われたものが一方的に負ける不公平なもので、本当はイイものが簡単にゴミのように葬り去られていく。一方でどうでもいいようなものが、いいんじゃないか、みたいな噂のようなものに乗っかっていつの間にか評価が定着してしまう。
そういう世の中に対抗するためジブンの名前でジブンが選んだイイ芝居をこの劇場から送りだしていきたいというようなことを言っている。名前にかなりこだわっているというか、ネットでかなり攻撃された苦労があるのかもしれない。
出演はほかに刑事役が渡辺いっけいサン、検察官役が北村有起哉サン。それぞれが源氏物語の中の役を兼ねている。
ゲイゲキはこの先おもしろそうなのが続々と並んでいて期待は高いが、野田サンにはあまり長くやってもらわないほうがいいような気がしないでもない。
2009.8.30 ゲイゲキ小ホール1
ニンゲンは飯食って寝るだけの存在ではないので、美術館とか劇場だからムダだと言うのにはまったく同意できないが、これまでの使われ方をみていると明らかにムダなゴミのような建物だった。だって今まで一度も行かなかったってことはおもしろそうなことを全然やってなかったってことだから。なんの特徴もないただの貸しホールだったってこと。
それが今年、アノ野田秀樹サマが芸術監督になって、で、そのきっかけというのも東京がオリンピック開催地に立候補したら選考委員会から都市としての文化的な活動も重要だっていわれて、でもってそれならなにかしないと、というかあのイシハラ知事からやれって言われたからだろうが、野田サマを芸術監督にしてとりあえず何かやらせておけ、みたいなことになったのだろう。そういうことを承知の上で引き受けたんだからタイシタもんだ。
で、これはその就任記念プログラムの2発目。急な就任だったので、とりあえずジブンの過去の作品をたてつづけにやっている中では去年、ロンドン・ヴァージョンが好評だったコレのニッポン・ヴァージョンは新作と言ってもいいくらいの注目作で前評判も高かったのだが。。源氏物語がベースにあって、ソレに関する知識が全くないということもあって、本当の面白い部分というのは理解できなかった。
話はアイジン問題のもつれから相手のオトコの家に放火して二人の子どもを死なせたことで警察につかまっている大竹しのぶサマ演じるオンナが、ジブンが誰かもわからない状態になっていて野田秀樹サマ演じる医者から精神鑑定を受けている。刑事と検察官が求めているとおりの鑑定書を出すのが精神鑑定医のシゴトだというセケンのきまりの中で、源氏物語のなかに逃避するオンナにもてあそばれる医者。
源氏物語の主題?である憑依、ヒョーイがこの芝居でもテーマになっていて刑事から何度もジブンの名前を聞かれても物語の中の人物にのり移って答えない。名前を答えることだけがジブンのアイデンティティを主張することだといってるようで、そこが今の世の中の匿名社会的なところを批判しているのか、疑問をあらわしているのか、そのへんがわかりにくくて全体としてむずかしい芝居だなーという印象。
芸術監督就任のパンフレットには、なんでコレを引き受けたかという文章の中で、ネット社会に氾濫する匿名の批評というか雑文というか、そんなものが「文化」を弱めている、というようなことを書いている。匿名の、~らしいよ的な無責任発言は言われたものが一方的に負ける不公平なもので、本当はイイものが簡単にゴミのように葬り去られていく。一方でどうでもいいようなものが、いいんじゃないか、みたいな噂のようなものに乗っかっていつの間にか評価が定着してしまう。
そういう世の中に対抗するためジブンの名前でジブンが選んだイイ芝居をこの劇場から送りだしていきたいというようなことを言っている。名前にかなりこだわっているというか、ネットでかなり攻撃された苦労があるのかもしれない。
出演はほかに刑事役が渡辺いっけいサン、検察官役が北村有起哉サン。それぞれが源氏物語の中の役を兼ねている。
ゲイゲキはこの先おもしろそうなのが続々と並んでいて期待は高いが、野田サンにはあまり長くやってもらわないほうがいいような気がしないでもない。
2009.8.30 ゲイゲキ小ホール1