老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

『猫とオンナ』

2010-08-27 07:19:45 | アート
Son Mai/ソン・マイは英語ではラッカー・ペインティング。プラモデルの塗装のように聞こえるが日本語では漆画。木の板に漆を塗って描く絵のコト。ニッポンの蒔絵と同じでベトナムの漆画も貝殻や金属などを表面に貼り込んだりとかいろんな技法がある。1900年代の初めにゲイジュツとして確立された。その頃の名作の数々はうちの近所の国立美術博物館に行けば見れる。相当細かく描き込んでいてかなり見ごたえがある。

その漆画が街中のギャラリーに行くと買えるのだが、散歩の途中でふらふらっと入って、既に3枚買ってシマった。シマった、と書くのは若干後悔のキモチがあるから。いろいろ悩んだ挙句、最後に選んだものがホントに一番いいモノだったのか、みたいな、よくヒリピンクラブで、最初におネーさんがたくさん並んでいるところに行って指名しないといけないときに、初心者がイロイロ悩んで結局どーってコトないのを選んでしまうのとおんなじ。比喩が適切だったか。。

で、コレまでの2枚は家に持ち帰ってじっくり見るとそういうキモチがフツフツと湧き上がってきて、まだまだ修行が足りないと思っていた。見る目が肥えてないからソウいうことになるので、むしろそういうシッパイはすすんで何度か経験しないと、直感的にホントにいいモノがわかるようにはならない。さっきの比喩で考えればわかりやすい。最初の2,3回はステガネ。

そういうわけで3枚目にして初めて、コレはケッコウ気に入っている。技法的には特に凝ったモノではなく細かく描き込んでもいない。真ん中の猫なんかアライグマかと思えるようなテキトーさ加減。ギャラリーのおネーさんに、コンナの買うのぉーみたいに言われたのをあえて買った。
だいたい絵の価値なんて物差しがあってないようなモノだから、結局のところ、ジブンが気に入るかどうかだけのコト。ただあんまりのめり込むとすぐにおカネがなくなる。1年半で3枚だから半年に1枚。ま、もう少し買えるかもしれない。

ベルギービール

2010-08-22 23:34:20 | ベトナム
久しぶりにニッポンからのおバカな出張者の相手をしなくていい平和な週末。ただ久しぶりだったので、けさは何も食べずに散歩に出たら途中で足が重たくなってきて、そのうち風景が白黒になってきたりして、もしかして熱中症、みたいな感じになった。ヤバい、と思って行きつけのレストランに入って氷入りジャスミン茶を2杯飲んで、ついでにせっかくだからおソバを食べてフッカツ。午後も少し散歩したりして、でもって夜は家で軽くすませた。

で、最近よく飲むのがベルギービールでウチのアパートの下のレストランには何十種類ものベルギービールのコレクションがあって何度か行ったのだがやたら高い。それが近所のスーパーで買うと半額以下だというのがわかって、きょうは買ってきて家で飲んだ。2本で100千ドン=500円くらい。アルコール度数が高いので2本飲むと意識が薄れるくらい酔える。ビールでコレくらい酔えるとありがたい。とにかく酔っていろんなことを忘れたい。

今週はまた火曜日から出張者があって、ワタシの時間と精神が拘束される。テキトーにキレて立場を逆転させないと。

Cafe Classico @Hanoi

2010-08-21 18:40:48 | ベトナム


毎日が忙しくて目が回る、と思っていたらもう8月も21日。目が回るのだがなんとなく退屈でムダに時間が過ぎていく感じがして、コノ感覚はなんなのかと考えたら、それは一日中ジェットコースターに乗っているようなコトだとわかった。終わってみれば退屈であとに何も残らない。
で、土日はひたすら歩く。朝も昼もだいたい外で食べる。外、というのは外食をするという意味ではなく空の下で食べる、という意味。ココとか。

ハノイは今、新緑の季節、かどうかわからないが、きょうは明け方にスコールがあって8時過ぎに陽が射して緑がこんなふうに見えた。キレイ。どんぶりにも緑が映る。コノ店はおネーさんたちもキレイ。だから3週続けて通っている。タマにはドリョクするのダ。

CNNのホームページでハノイの週間天気予報を見ると毎日、曇り時々雨一時晴れ、みたいな。もう2ヶ月くらいおんなじ。手抜きもいいとこだがハズレてもいない。ただ晴れの時間の多い日と、雨の時間の多い日が2日おきくらいに交互にあって実際はもっと変化がある。コノ週末はどちらかというと雨傾向の曇り時々晴れ一時雨。
来週の今頃は隣の国の首都に行っている。タマには別の町を歩いて退屈な毎日に多少の変化をつけないと、、脳が腐る。

Com Ga Hoi An @Hanoi

2010-08-15 19:28:36 | ベトナム


ニッポンのサラリーマン諸君は今頃、あしたからイヤなカイシャがまた始まると思って、時間が止まんないか、とか、会社が消えてなくなんないか、とか、はたまた安部コーボー的に砂丘の町にいってそのまま失踪してしまおう、とか思っているに違いない。気の毒なコトだ。コッチは結局3連休ぽっちだったから、別にあしたから会社が始まろうと、この連休が終わってしまおうとぜんぜん惜しくない。
ニッポンにいるときはいつもだいたい連休の3日目くらいから、あしたの、あしたの、あしたの今頃は、あしたで連休もおしまいだって思っているジブンを想像していた。だから中途半端な夏休みなんて嫌いなのさ。たった1週間くらいで、ニンゲンが生き返るほどのリフレッシュなんかできるわけがない。ソレをありがたがって田舎に帰ってきました、みたいに新幹線降りたところでインタビューに答える哀しきサラリーマンよ。ワタシャ、コノ仕事が終わってニッポンに帰るときは2カ月休ませろって言うことに決めている。じゃなきゃ帰らない、って言ったら帰ってこなくていいって言われるかなあ、それも困るなあ。。もうすでにボロボロなのに。

ま、それはそれとして、コレはきのうの長距離散歩の途中でみつけて、きのうはもう食べちゃったあとだったのでのぞくだけにして、けさまた行って、朝ご飯に鶏肉のつけ麺を食べてきた店。麺のほうはアッチで見てねっ、っと。
外から見て2,3階の緑のすだれのかかったところがバルコニーになっていて、下の雑踏を見ながら飲んだり、ご飯が食べれる。こういうシチュエーションはハノイの町の魅力の一つだ。
で、コノ店は名前の通りホイアン風鶏ご飯の専門店で、見た感じ、ハノイではウケテいないがワタシは気に入りマシた。メインの料理はご飯の上に香辛料をまぶして焼いた鶏肉の細切りが乗っかったCom Ga/コム・ガー。コムはコメの意味でガーは鶏肉。コメを鶏のスープで炊いているというからウマいに違いない。
ハノイにもコム料理はあるがご飯の上にいろんなおかずを山のように乗せて食べる。けっこうワイルド。おかずができたてだとそこそこウマいが、時間がたったものは油っこくて、あとで苦しむ。鶏肉のおかずももちろんあるが醤油で甘辛く煮たものがほとんどだからココのは珍しさもあって、ウマかったデス。

でもって、3時間くらい歩きまわって昼頃に戻るともう暑くて二度と外に出る気はしない。夕方まで寝っころがって、気合いが残っていればまた晩メシ食べに出かけるが、残っていなければ家でパスタでも茹でて軽くすませる。だいたい気合いとか、そんなに簡単にフッカツしない。

Chuon Chuon Quan@Hanoi

2010-08-14 19:16:40 | ベトナム


きのうから3連休で特に予定もなく町をぶらぶら。一度前を通りかかって気になっていたココにひょこっと入ってみた。狭い道に面した古いフランス占領時代の建物。外の看板からさりげなくデザインされている。ベトナム語なのでなんて書いてあるのかはわからなかったが看板から手すりの金物、窓の格子など、すべてトンボのデザイン。家に帰って調べたらchuon=トンボで、quan=隠れ家のような意味だとわかって、トンボの隠れ家とはなかなかしゃれてる。

若い洋行帰りかと思わせるニーさんが店を仕切っている。席の横を通るたびにスパイス系の香水の匂いがする。少なくともワタシの会社のスタッフにはそういうしゃれたのはいない。ウェートレスのおネーさんもシローとっぽくて、ってどういう意味かよくわからないが、感じは悪くない。
店は玄関を入ったところの屋外席と建物の中とでケッコウ広い。メニュー的には飲みモノ中心のカフェ。くだもの系のジュースがたくさんあった。

古い建物の価値を理解して、こうやって使っていこうという考えがあるのはガイジンとしても大きなお世話と知りつつウレシイことだ。実際は壊されているほうが圧倒的に多いモノの。ニッポンみたいに強度が足りなくてアブナイ、みたいにもっともらしいことを言って、実際はカネもうけしか考えずに古い建物をどんどん壊すメツブシ地所みたなのがコッチにもたくさんあるから。丸の内のアレ、とか、ジブンとこで壊しておきながらいまさらなんだ、としか思えない。いちばん肝心な町の記憶のようなものがそこにはまったくない。

席から上を見ると30mはあろうかという大木の葉っぱで空がほとんど見えない。ヘビの2,3匹は住んでそうな木。

Oc/オック

2010-08-09 00:48:43 | ベトナム
アチコチで言いふらさなくてもいいことなんだが木曜の夜から久しぶりに極度のハゲしいゲリにオチいった。アキラカに食中毒。ゲリ自体はカラダに入ったバイ菌を外に出してしまえっていう脳と神経の正常なハタラキだから、イキモノとして今のところ正常に機能しているということでメデタシメデタシなのだ。。ナニごとも前向きにとらえるワタシ。

で、ゲリの原因は周囲の状況から判断すると木曜の朝にウチのアパートの下にある一見高級レストランで食べたソーセージブレックファストについていたキュウリとレタスの可能性が高い。ほかはだいたい火が通っていたし。ココから得られる教訓は一見高級レストランでもコノ国ではナマ野菜はアブナイということ。特に付け合わせ的に皿の隅に乗っかてくるのはたくさん切って作って置いたヤツだから、厨房でどういう状況で放置されていたかわからない。まあ、想像できるけど。

でもって、金曜は絶食、土曜もソフトな麺類中心でしのいだが、一応、腸が機能し始めたのは日曜の朝になってから。シゼンチユ。ほっとけば治る。まあ今回はこれまで生きてきた中で最悪の部類に入るきついゲリだったが、ほかにつらいことはたくさんあるからゲリの一つや二つ、どうってことない。むしろゲリの間はイヤなコトを少しは忘れていたかもしれないからゲリに感謝だ。ゲリに感謝するニンゲンがいまだかつて存在しただろうか。コレは何かのネタになるかもしれない。。

というわけでゲリ中に貝を食べるというのもいかがなものかと思うが、成り行きで土曜の夜にローカルのシーフードレストランに入って食べたのが写真の一品。ローカルレストランというのはワタシが決めたコッチのレストランの一カテゴリーで店がそう言っているわけではない。その特徴は、主に客がベトナム人中心で、ということはべらぼうに高いということはなく、店員に英語が通じなくて、ほっておくとビールに氷を入れに来て、それでもってメニューの最後のほうにハリネズミのニンニク炒めとか、ヘビ鍋とか、オオトカゲのレモングラス煮込みとかのおいひそうな料理が載っている店のことを指す。もちろんココに書くのを自粛したいイキモノもありマシタ。

Ocは巻貝のことでタニシのことを指すこともあるがコレはタニシではない。別にタニシでもいいんだが、、一応コレはタニシではないと言いたいだけ。貝のふたみたいなのを指でつまんでねじりだすように引っ張ると中からニョロニョロっとした身が出てくる。それを塩にレモンを絞ったモノかワサビ醤油につけて食べる。まあ、まずくはない。ジャングルでコレしか食べモノがないという状況になっても希望を失わずにイキていけるという程度。
ほかにアサリという名のハマグリのレモングラス茹でとか、クラゲのサラダとか、クウシンサイのニンニク炒めとか食べてビール飲んでひとり300千ドン=1,500円。食後のフルーツはスイカのみ。
コレ食べて翌日は回復に向かったワケだから、世の中、何が安全で、何が危険かわからない。お店はメリアホテルのまん前。