老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

『散歩する侵略者』byイキウメ

2011-04-29 00:47:59 | 演劇


ハノイは深夜に雷鳴が轟き大雨が降った。そして今日も一日曇りでときどきパラパラ。やれやれだ。ニッポンは明日から連休??? コッチからのメールや電話への対応に、メンドウなシゴトを今から押し付けないでくれ―――、みたいな気配が感じられる。小市民たちの精一杯の自己防御なのか。ちなみにコッチは30日がサイゴン解放記念日、5月1日はメイ・デーで祝日。その振替えで月、火まで4連休になる。そのあとは来年2月の旧正月まで連休はない。ワタシはガイジンだから夏休みとか正月とかに休むけど。

でもって、ニッポン滞在2日目は、前日の、ジブンの理解を超えた作品との出会いに、少なからずショックを受けたキモチを引きずりながら、地元横浜の新しいホールKAAT、って、いったいなんて読ませるんだろ、カーーッ、かな、、ま、どうでもいいけど、ソコへイキウメのコレを見に。ジツは原作、って言うか、小説化されたのを読んじゃってたの。。最後のオチ知ってたから、ちょっとスナオに盛り上がれなかった。
ただ、原作とか、戯曲とか、そういうのを読んだ上で芝居を見るときの楽しみ方みたいなものがわかったような気がする。ソレは言葉で書かれたものをいかにして実際の行動に移し替えているか、早いはなし、どんなふうに演出しているかを見る楽しみ。だから、前川さん、ウマいと思いマシた。

話は山陰かどっかの小さな町で。海の向こうのクニが攻めてくるというウワサに人びとは惑わされている。ソコに宇宙人と称する3人がやってきて、3人はそれぞれバラバラに町のヒトからジブンたちが持っていない概念を奪い取る。とられたヒトはその概念を失うからそのことについて理解できないようになる。たとえば家族とか、ジブンを他人と区別することとか、所有をめぐる争いとか。で、3人が集まってそれぞれが奪い取った概念を持ち寄って、もうコレくらいでいいかな、みたいなコトになって、あとひとつ、まだわからないモノがある、みたいなコトになる。ソレが最後の盛り上がる場面なのだが、ソレを知っていると盛り上がれない。だからココには書かないでおこう。

コレは結局はナニかの寓話であって、外国が攻め込んでくるというウワサの中で人びとが混乱して、ソコにつけ込んで、ナニか新興宗教とか、オレおれ詐欺とか、アヤシイ通信販売とか、あと、実際のリアルなことで言えばエネッチケーとかフジとか、もっともらしい顔してやってる大マスコミが、本当に真実を伝えているのか、みたいな、まあそのいわゆるいろんなことに騙されている今のニッポン人に対して警告を発しているような内容なのだ。本当に怖いモノ、ジブンを損なおうとしているもの、シンジツを覆いかくすモノは、海の向こうの外国ではなく、もっと身近にいて毎日アナタのスキを狙っているのだ、という、じつに正しいコトを言っている。今の放射能のコトもまさにコレにあてはまる。寄生マスコミ=魂を奪い取る宇宙人なのだ。

というわけで、このKAAT公演はプレビュー公演と題されていて、ってことは練習で、このあと東京はシアタートラムから始まって、大阪、北九州をまわる。8~9月には奇ッ怪の第2弾もあるし、楽しみではあるが、その時にニッポンに帰れるかどうかはかなりアヤシイ。

2011.4.23 神奈川芸術劇場、大スタジオにて

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