土日の夜に山下サンとベト響のコンサートがオペラハウスであって、こんなときにどうかなあ、と思ったが、きのう行ってきマシタ。行ってヨカッタ。芸術の魂がココロを生き返らせてくれた。
きのうのConcert MistressはLanちゃんで、Anhちゃんはその隣。二人ともキレイな色のドレスを着て、ひとこと感想を言えばLanちゃん、Great!
指揮者のHonna Tetsujiサマが登場して始まるかと思ったら、痛風持ちの、この楽団のDirectorでチェリストでもあるQuanさんがステージの端に登場してベトナム語であいさつを始めた。たぶんニッポンの地震のことを言ってるんだとすぐにわかったが、そのあと英語でもあいさつがあって、その内容がこの楽団からの、地震の犠牲者とニッポンコクミン全体に対する深い哀悼のキモチのこもったものであることがわかった。そして太い弦楽器の音が、深い海の底を鎮めるかのような曲を演奏した。
そのあとまずは楽団だけでガーシュインの“Girl Crazy”をやって、いつものようにオイオイ、みたいな感じだったが、続いて颯爽と山下サン登場。オーケストラとこれもガーシュインの“Someone to Watch Over Me”と、そのあとのピアノソロではプログラムを変更します、と言ってから「サクラ、サクラ」を演奏した。静かに、そして激しく。たぶん、ことしの桜を見ずに亡くなった地震の犠牲者を思っての演奏だったと思いマス。
そして前半最後は楽団のメンバー3人とJazz。若干もたついたが、みんなhappy、いいじゃん、みたいな演奏。ヨカったデス。
休憩のあと、山下サン作曲の“Suddenfiction” 直訳すると「突然の虚構」。
13曲の短い曲のつながりでできた大曲で、不協和音の中から徐々にウツクしいメロディーが湧きあがってくるようなイメージが全体を覆っていた。セカイ、とか、今の苦しんでいるニッポンとか、そして小さなコトで言えば、ワタシのカイシャとか、そういうモノがいつかウツクしく再生していく感じがワタシのカラダの中に伝わってきた。
最後は肘、というか、カラダ全体を鍵盤にたたきつけて、この小ぶりなオペラハウスを埋めつくした、こういう場所でもケータイを鳴らし、おしゃべりをやめないハノイの人びととか、場違いに正装したヨーロッパからの旅行者とか、そしてこのホールでいつも一番多いのはムラ社会的につながったニッポン人なのだが、それらの人々の、ひとつずつのニンゲンのココロをハゲしく揺り動かした。
アンコール、何曲やったか。本当にコレでおしまい、という感じでラヴェルの「ボレロ」をソロで演奏して、これも最後には汗びっしょりでメガネはずして、ジンセイはまだまだ続く、みたいな感じで終わりマシた。
山下サン、ベトナム国立交響楽団、略してベト響、ホント――にヨカった、スィン カムゥオゥン!!
コチラにコンサートの様子が紹介されていますので勝手にリンクさせていただきマス。