老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

サイゴン陥落記念日

2009-04-30 19:58:45 | ベトナム
正式には南ベトナム解放記念日。1975年の4月30日に解放軍が旧サイゴン中心部に入り、大統領官邸をはじめとする市内全域をアメリカ軍から解放した。で、ケネディの始めたベトナム戦争が終わった。
ちょうど翌日がメイデーで、今年は土、日も合わせると4連休になるもんだからこっちの人は連休をどう過ごすかでケッコウ盛り上がっていて、ワタシもドライバーにどこかに連れてってやると言われながら、今までこういうみんなが出かけるときには出かけないことにしてきたので軽く断ったらなんとなく気まずい雰囲気。ま、コッチはジブンの好きなようにしかしないのだ。

とは言いながら実際は休み明けに締め切りの仕事が重なってややパニックぎみ。ベトナム人のいないオフィスで仕事にハゲみマシタ。東京からは、来週しっかり休むくせに今日は休みのタニマに会社に出てシゴトやってんだ、みたいにメール攻勢かけてくるもんだから、8割がたキレかけていたが。
なもんで昼はややリッチにフレンチベトナミーズの名店Verticaleへ。前菜はマンゴーとエビの入った生春巻き。メインが5種類の豚肉の盛り合わせで、デザートがチョコレートのかかったアイスクリーム。グラスワインと食後のコーヒーがついて20USドルくらい。昨日の昼が大衆食堂で30,000ドン=180円だったからメリハリのある食生活だ。

1日くらいはどこか仕事じゃ行かない田舎のほうに行って町巡りでもするか、という連休計画。

『Talk to her』

2009-04-26 12:12:05 | 映画
ペドロ・アルモドバル監督シリーズの中の傑作中の傑作。これもまた特異な状況設定から人間の生の本質をえぐり出す、、というとあまりに表面的なとらえかたすぎるのだが、まあそんな感じの映画。
以下、あらすじで、読みたくない人はここまででサイナラサイナラ。。

まずかわゆくてカラダもばっちりの若いオジョーちゃんが、この表現はいかがなモノかと思うがいわゆる植物ニンゲン状態で何年もベッドで寝たままになっている。もともとはバレリーナである日交通事故でそうなってしまったらしいのだが、そのオジョーちゃんを介護しているのがややオカマっぽい看護士のオトコでカラダを洗ったり服を着替えさせたりしながら毎日返事をしない相手に話しかけている。実はこのオトコはこのオジョーちゃんがバレリーナをやっている頃からストーカーみたいに追っかけていて、今、病院で植物状態でいることでジブンの独占物になったというようなキモチになっている。

一方、もう一人の男が登場して、その男は闘牛士のオンナに惚れているのだが、この闘牛士もある日闘牛場で牛にのしかかられて意識不明になってしまう。で、看護士のオトコとこの男が病院で出会って同じ境遇なもんだから意気投合して行くのだが、ある日意識不明のオジョーちゃんがナント妊娠する。
誰がヤッタのかということになって当然そのオカマの看護士が犯人で、こういうのをゴーカン罪というのかどうかわからないが逮捕される。と同時頃に闘牛士女のほうも意識が回復しないまま死んでしまい病院にかけつけた男は看護士のオトコがいないのでどうしたのかと思ったら逮捕されて刑務所にいるということを聞いて面会に行って、オカマオトコのほうは早く女に会いたいみたいなことを言いながら、コレが何で罪なんだと思いながら、女に会えないことを嘆いてジサツする。

で、そのあとが天地がひっくりかえるような話で子どもを産んだ女が、子どもは生きて産まれなかったものの、ナント意識が回復して歩いているところを闘牛士男のほうが偶然見かけて、で当然、その女=若いオジョーちゃんのほうは自分を看護してくれた男のことなど知らないし、ましてその男の子どもを産んで、その子どもが死んだことも知らない。誰かが言うかもしれないが自分の意識にはまったく残っていない。そういう状況の中で闘牛士男はその女と偶然にも言葉を交わすような場面になって、オカマオトコに代わってこの女に惹かれるものを感じる。
この女が眠っていた間の世の中のできごとはいったい何だったのか、、普通には時間がだれにも同じように流れているわけだが、それがもしそうでなかったら、まあおもしろいというか、眠っている間に起きたことは本人には起きていないのと同じわけだから、時間の連続性とか記憶とか、そもそも意識、って何?みたいな映画。
ビナ・バウシュのパフォーマンスがそういう感覚を増幅するように挿入されている。

2002年、スペイン映画。バレリーナ役はレオノール・ワトリング。8割がた寝ているだけの役。



バンレイシ

2009-04-24 20:58:14 | ベトナム
毎日眠りが浅くて夜中の1時に目が覚めて、そのあとはうつらうつら状態で5時くらいにやっと眠れるかと思うと6時には外がうるさくなって非常に眠いまま仕方なく起きる。コレは酒を飲んで寝るからで、今日は飲まないことにしてその代りに早く家に帰って近所の道端の果物屋へ行っていろいろ買ってきた。

マンゴーが2つで1キロ以上あってこれで4ドルくらい。リンゴは発泡スチロールの網で包まれて大事そうに並べられていたので1個で1ドル以上か。それと手前のヘンな形をしたのがバンレイシ。和名は釈迦頭、英語名はシュガーアップル。味が想像できる。
全部で6ドルくらい。100,000ドン。やや高い買い物だったかも。まったく言葉が通じないので言い値で買うしかない。財布見せてどれ?みたいに。

とりあえずマンゴーを1個食べた。熟れ熟れおネーさん状態。力を入れて持つと形がくずれる感じ。


『All About My Mother』

2009-04-23 22:04:07 | 映画
ペドロ・アルモドバルさんの全映画!みたいなDVDを350円で買って以来、ほぼ1日おきに1作ずつ見てほとんど中毒状態。コートー無稽な状況設定から人間の本質をえぐり出す手法はキワメテ斬新かつユニーク。ココでユニークっていうのは日本語のヘンテコでダメなヤツ、という意味ではなくて、最上の絶賛状態を表す意味で使ってイマス。だからクサナギ君も実にユニーク。

で、今日はジブンのメモのつもりでコレについて書いておこうかと思ったところで、コレはある母親が主人公で、その母親はダンナが行方不明で息子と二人暮らしで、その息子はかなりジヘイ的なところがあって自分の考えたことを紙に書いておくような息子で、ある時その息子の誕生日に二人ででかけてその帰りにその息子が交通事故で死んでしまう。その母親は悲嘆にくれて一人で旅に出るがその旅先で若い女と出会うのだが、その若い女とはたぶん前から何か関係があったのかもしれないが英語の字幕でオッカケテいるとその辺はよくわからなくて、その若い女が妊娠して検査したらエイズにかかってて、それでも子どもを産むことになって、でその若い女が今をときめくペネロペ・クルスちゃんでまだ20代の前半ではないかと思うが実にかわいくて、まあそれはそれとして、クルスちゃんが子どもを産んだあとエイズで死んで、その葬式にその夫がカナリキミ悪いオカマ姿で登場して、話を聞くとその若い女の産んだ子供の父親がその夫だという、いくらエイズだからってそれはないだろー的設定。
その上、死んだクルスちゃんの子どもはエイズにはかかっていなくて、息子を失った母親はその子どもを自分の子供のように育てていこうと決意して、それによって悲しみから立ち直るという、なんでそこまであり得ない設定で話を進めていくんだろうくらいのキモチにはなる。

でもってそういう話の流れと交錯するように、その母親が昔、しろうとの劇団の女優をやっていて、それで今でも芝居をよく見るんだが、ある芝居にでている有名な女優がなにか共演している若い女優とうまくいっていなくて、そこに急きょピンチヒッターで登場して、むかしとったキネヅカ、みたいに喝さいを浴びて、それで息子の書いたメモにある息子の夢にこたえる、みたいな話が絡んでくる。
よくまあこういう話を考えついて、しかもそれを映像の流れの中で、見たものがおもしろいとカンドーするようにまとめ上げるもんだと感心してしまいマシタ。

映画の中で同時進行するある芝居というのは「欲望という名の電車」で、そのストーリーとの絡みがこの映画の一番の面白さなんだろうが、見たことないので残念ながらそこまで読みとれなかった。

主演の母親役はセシリア・ロス
1999年 スペイン映画


で、クサナギ君、飲んだ後で公園とかでスっ裸になりたい気持ちはよーくわかるなあ。べつにコーゼン猥セツとかいっても誰かをヤッタとかそういうことでは全然ないのに、シンチョーとか3流エロ系マスコミまでもがいっせいに血祭りにあげるのは見ていてそっちの方が醜い。しかも家宅ソーサクまで。。所詮小沢イチロウ秘書事件とつながる微罪見せしめ社会のなかのジミン党に飼いならされたメディアと検察なのだ。

mien luon

2009-04-21 20:26:35 | ベトナム
今日の昼はこっちの人に誘われてこんなの食べた。ビーフンにもやしとウナギを細かく切ったのを入れて炒めたもの。ま、さっぱり味でそこそこ栄養もありそう。mienは発音通り麺でluonはウナギ。おつゆの麺と混ぜ合わせ麺もある。

こっちではデング熱が去年の75%増しで流行していて、今日はコレラによる下痢患者も発生したらしい。この新聞は結構いい加減なのでホントかどうかわからないけど。
それでも一応、気を付けなくっちゃ。

ハノイ旧市街

2009-04-19 08:10:15 | ベトナム
旧市街に限らずハノイの町に溢れているのはオートバイと物売りのおばさんと路上でメシを喰うひとびととカフェと妊婦だ。特にニッポンと大きく違うのは妊婦の数で、日本では電車の中で前に立った人が肥満か妊婦かでよく悩んで、結局コレは肥満だと判断して席を譲らないことがよくあって、それは結局正解で、もし譲っていたらと思うとあとで冷や汗をかくことがよくあったが、こっちでは若い、というか出産期の人で肥満というほどの人はほとんどいなくて、逆に明らかに100%妊婦だと断言できる人が、昨日も2時間くらい外にいて15人くらいすれ違った。

で、こっちはかなり暑くて湿度も高いので妊婦の人も楽な格好をしようとしてスケスケのマタニティーっていうんでしょうか、ズンドウの通気がよくてするっとしたのをみんな着ている。スケスケの妊婦サンというのはあまりこれまで見たことがなかったのですごく異様なのだが、それはニッポンという妊婦サンが絶滅危惧種みたいなクニから来たからそう思うのであって、この暑いところでは当然のことなのだ。とはいえあのお腹が透けて見えるというのはショックに近いものを感じザルをえない。
ただ去年観た「まほろば」という芝居がそういう話だったのだが、妊婦がたくさんいる風景こそが国のまほろば、というか、国家のあるべき姿なわけで、子どもがどんどん生まれるということはキワメテ単純にクニの繁栄につながるということ。人口が減れば国は衰退するに決まっている。

まあそれはそれとして昨日行ったのは旧市街の真ん中辺にある古い民家を保存して公開しているところ。奥行き20mくらいの細長い敷地いっぱいに家が建っているのだが途中につぼ庭が二つあって光と風が通り抜けているからこの時期でもぜんぜん快適。クーラーなんかない。窓はガラスではなくて木の戸をはずして全開になっている。
写真はアオザイおねーさんを追っ駆けているのではなく、おみやげを見てたらこっちにもっといいのがあると言って案内してもらっている時にすかさず撮った1枚。風が通りぬけている感じがマイナスイオンの渦になって写っている。
アオザイも体の横のほうから放熱するようになっているのと生地もこれから薄くなって見るからに涼しげである。上のほうの布が長く垂れているのは、ズボン、というか下のほうの生地が薄いのでソコハカとなく隠すためのように見える。

『Out of Africa』

2009-04-18 17:13:11 | 映画
天気がイマイチはっきりしないので、洗濯物は午後から干すことにして朝から散歩。旧市街にDVD屋街みたいなのがあって、何軒も並んでいるところへ。店によって音楽モノだけのところとか、映画がABC順に並んでいるところとか、いろいろあって、3、4軒回ると希望のものが買える。値段はだいたい1枚15,000ドン。あえて円に直さないでおこう。

今日買ったのはコレら。
メリル・ストリープさまとロバート・レッドフォードの超名作「Out of Africa」にペネロペ・クルスちゃんの「Volver」。ニッポン題はどちらもへんてこなので忘れた。映画館でとっくに観たモノだが精神の安定のために買っておこうと思った。特に前者は。
思えば20年くらい前にコレを見たワタシはかなりのインパクトを受けて、アフリカには行かずにインドへ行った。メリル・ストリープが一等車に乗って行ったように、そのころはお金があったのでビジネスクラスで。でもっていろいろあってもごもご。。

まだあまり太っていないメリル・ストリープが、なんというかこんなヒトにならもてあそばれたいと思わせるような強烈なオンナを演じていて、それをロバートさんが押し倒してヤッちゃったあげく、オレはそれでも一人で行くぜ、みたいにしてアフリカの空の彼方に消えていく。航空撮影で水鳥がいっせいに飛び立つシーンはトリハダもんですな。
まあだからこっちにいて一人で発狂しそうになったら、コレ見てロバートになったつもりで妄想しようかと。

ついでに、というわけではないが、「Volver」の監督のペドロ・アルモドバルのがほかにないかとお店の人に聞いたら、コレがあるぜ、みたいにして全作品集を出してくれた。なんと60,000ドン。牛丼一杯分!
当分不自由しない。

コンチネンタルホテル

2009-04-16 23:21:25 | ベトナム
こっちはだんだん暑くなってきたが日本も夏日と聞くと3、4°高いだけでタイシテ変わらないじゃん、みたいな感じで、ヒートアイランドになっていない分、過ごしやすいような気もするが湿度は確実にこっちの方が高い。夕方洗濯物を出しっぱなしにしておくとせっかく乾いたのが湿る。

で、今日は10年くらい前にフィリピンで一緒に仕事をした人がこっちにも会社をつくったとかで久しぶりに会って昼ご飯をごちそうになった。フィリピンもキビシイですけど、こっちはもっとキビシイ、みたいな話で、それは気候のことかと思うとそうじゃなくて夜の飲み屋の取り締まりのことで、こっちはホントにキビシイらしい。まあ何を気をつければいいのかよくわからないが。

写真は全然関係なく、この前ホーチミンシティーに行ったときに散歩の途中でビールを飲んだコンチネンタルホテルの中庭。インターコンチとは違うホテルで国営の旅行会社が経営している歴史のあるホテル。
この中庭には樹齢200年以上のプルメリアの大木が4本くらい植わっていて気持ちのいい木陰をつくっている。雨が降りそうになるとテントのような幕がかかって雨宿りもできる。人も少なく静か。

雷雨

2009-04-14 08:52:51 | 風景
夜中にハゲしい雷雨があって朝になったらきれいに晴れた。こんなにきれいな空はこっちに来て初めて。
考えてみれば1か月が過ぎて、記念に一度も洗っていなかったシーツを洗濯したりしてキブンもあらた。

ベトナムの梅干し

2009-04-12 21:16:24 | ベトナム
今朝、こっちの一般的なドライフルーツは見栄えが悪いみたいなことを書いたが、そんなふうに見た目でモノを判断するのはキワメテよくないことだとハンセーして実際に食べてみなければいけないと思って近所のドライフルーツ屋さんに行ってきまシタ。

店先でいちばん普通っぽい、写真の一番下の左から2番目のを選んでおばさんにコレ、って指さしたら、とりあえず食べてみ、みたいな感じでふたを開けてくれて1コ食べたらコレが梅干し。家に帰って調べたらビンに書いてあったO Maiっていうのが梅干しのことで、実際はベトナム語でOの上には山型記号がつく単母音で口を小さめに丸めてォぅーマイみたいに発音する。

100gで7,000ドン。約40円。小さなビニール袋に入れてそこに茶色い砂糖をふりかけてくれる。家に帰って5粒くらい続けて食べた。砂糖の甘さと梅のしょっぱさが微妙なバランスをとっている。ひとことでいえば甘酸っぱしょっぱい。ただ種が大きくて食べる部分は少ない。