まだまだ続きマス。
遠出の帰りはまっすぐホテルに戻るつもりが、柵の外側からのパンダ見物状態にナットクいかなかったのか、トゥクトゥクニーちゃんの勧めるがまま、2か所、寄り道した。とっくに昼メシ時間は過ぎていたのに。
最初はバンテアイ・サムレ。アンコール・ワットより少し前にできたヒンドゥー教ヴィシュヌ派の寺院。サムレ族の砦、という意味デス。
通りから赤茶色の土の参道を歩くとワリと簡素な門が見えてくる。コッチが西門。外周の重厚な壁が回廊状に二重になっている。ヘビの脱皮の跡の薄皮が落ちてたりして、やや不気味。その内側に回廊があって、真ん中に中央祠堂がある。そのへんはアンコール・ワットの第三回廊の内側とおんなじ。
外周壁が重厚な分、内側の、包まれている感じが強い。静かだ。壁の彫刻が繊細で彫りが深い。中央祠堂はパイナップル型の塔になっている。機が熟してきた、ってなところ。入ってきた反対側の東門に抜けるとソコに円柱で支えられて完全に宙に浮いたテラスがあって、シンハ像がオケツを向けて並んでいる。東門が正門ってことだ。静かでいい寺院だった。
西門に戻ると、行きにあとでね、っていっておいた人形売りのおジョーがケナゲに門の前で待っていた。控えめなモノ売りには弱い。よく見るとオサレだったりして。ウシも産道を、いや参道を歩いていた。
で、空腹で倒れんばかりだったのに、ホントに帰る途中だから、ってことで、もう1軒ハシゴ。それがタ・ソム。コッチは12世紀末の建設でバイヨンと同時代。だから門には菩薩像が彫られている。ただ樹木による浸食が進んでいて倒壊寸前。
ココの見どころは彫りが深くて繊細な壁面の彫刻。女神像の表情が豊かだ。ココも西門から入って東門に抜ける。東門のほうはとくに樹木の根っこが絡みつきがすさまじくて、ギブアップ寸前状態。逆に木を切り倒したら組まれた石はバラバラに崩れ落ちるしかないくらいになっている。いかにもアンコール・ワットらしい遺跡でシタ。
そんなこんなで4日目はオシマイ。ココまで来て相当疲れてもいたが5日目はちょっと目先を変えてアッチに行くか、というキモチがフツフツとわきあがってきて、ソレはすぐに、だれにも止めることができない大きなカタマリになっていった。