老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

Banteay Srei~地雷博物館/アンコール・ワット旅行その15

2011-02-21 22:35:22 | 旅行





4日目はトゥクトゥクで片道1時間の距離にあるココへ遠出。トゥクトゥクは基本的にバイクだから風がビュンビュンカラダに当たって寒い。特にこの季節、朝は軽井沢の高原で乗馬してるときくらい寒い、ってしたことないけど。で、思わず、ハノイで着ていたユニクロのフリースを着る。

ココはガイドブック的には東洋のモナリザがあるところ。なんだかうすら笑いをしたオンナの人の彫刻が壁にあって、その昔、占領していたフランスの、その頃はどの程度のニンゲンだったのかは知らないが、のちのドゴール政権の文化大臣、アンドレ・マルローがソレをはがして持ち帰ろうとして、空港で逮捕された、ってことらしい。近くで解説をしているガイドの、英語も中国語も韓国語もニッポン語も、そしてフランス語はどうだったかわからないが、みんなソノ中に、アンドッホェレ・マゥッフゥルローみたいな単語があった。
だからって、そんなにすごいものかどうかはわからない。なにしろ遺跡の中心部には柵があって入れない。遠くからじゃわからなかった。近くで見える彫刻に限って言えばキワメテ精緻。スバラしいものデス。

でもってココは遠くにあるからでもあるが、観光バスの駐車場やらみやげ物屋やらトイレやらインフォメーションセンターやら、その他いくつもの施設がカンペキに整備されていて、完全に観光地化されている。おそらくどこかの先進国が、文化財保護と観光開発の両立とはこうあるべき、みたいなおせっかいな考えを押し付けているんじゃないかと。まさかニッポンじゃないだろな。かなりアヤシイ。
そのうち全部の遺跡がこんなふうになったらアンコールの魅力はまったくなくなる。なにしろ近づいて見れないんだから。ロープで仕切られた外側を美術館のように並んで歩くだけ。

途中で中国人が通路のど真ん中だっつーのにカメラの前でポーズとっている。ベトナムでもそうだが、他人の迷惑にならないよう気を配る、という概念はカレラには説明つかないだろう。
あそこまで自由ホンポウに振る舞えたら、とも思うが、アソコで感じた羞恥心を伴う苛立ちは3~40年前のジブン達ニッポン人の姿をソコに見たからかもしれない。

で、遺跡を出て帰り道なのでコノ地雷博物館に寄った。受付のおジョーが戦闘服を着ていたのが印象に残った。なんで? 
コノ周りにはつい数年前までは地雷がたくさん埋められていて、もちろん今でも立ち入り禁止区域がたくさん残っている。地雷に足を吹き飛ばされたヒトが実際に目の前を歩いている。平和、って、ホントにおもての皮一枚。そしてアメリカや中国が北朝鮮と同じように対人地雷禁止条約への署名を拒否している。北朝鮮と同じようにデスよ。
ま、こういうのも見ないと遺跡観光も片手落ちってこと、ダね。