デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

デンマーク【小学校訪問リポート vol.1】

2007-05-23 23:05:10 | デンマークについて

 今回、かねてからの念願がかない、友人の計らいで小学校を訪問することができました。コペンハーゲンから車で20-30分ほどのところにある小学校で、今回はバーネヘーベクラス(幼稚園クラス)を訪ねました。このクラスは正式の小学校の始まる前の1年間のクラスで、いうなれば学習のための準備クラスというところです。6歳から入学することができます。

●朝●

8時からクラスが始まります。皆、登校してくると4つのグループに分かれて座ります。自分の席は決められており、だいたい1グループ4人くらいです。教室の中になぜか4-5人の大人がいて、互いに挨拶をしたり、子どもや大人同士でお喋りをしていたりするので、あら、先生方かしら?と思っていると、それは送り迎えをしてきた親達でした。公立の小学校で送り迎えがあること(低学年のうちでしょうが)、親達が教室の中まで入っていくことに少々驚きを感じました。デンマークでは子どもに「教育を受けさせること」は親の義務であること、しかしながらそれは「学校に行かせる義務」ではないこと、また親が学校の教育内容に関わっていることなどを考え合わせると、親が教室の中に入り込むのはむしろ子どもに積極的に教育を受けさせる姿勢なのかもしれないと思いました。
1クラスには2名の担任の先生がおり(担任と副担任)、両者で一緒に教えたり、2つのグループに分けて一人ずつ先生が付いたりします。でもまず朝は皆でアルファベットの歌を歌い、黒板に書かれた今日の一日の流れを確認します。

●持物、服装●

                    

日本のように一律ではなく、皆が自分の好きなものを持ってきます。カバンはバッグパックですが、皆キャラクターの描かれた形の同じようなものを持っていました。厚みがあって、ナイロン素材のようなものでできており、いくつもの仕切りがあり、うまく収納できるようになっています。筆箱は20センチ×10センチくらいのファスナーがついたもので、これも中で鉛筆や消しゴム、細かいものやはさみなどをうまく収納できるように工夫されています。皆、自分のお気に入りのキャラクターのものを持っているようでした。
そしてかわいらしかったのが、子ども達の足元でした。日本の白い上履きではなく、スコーフス、イェムスコー、つまり普通の室内履きを履いています。デンマークでは暖かくするために家で柔らかい靴を履く習慣があるのですが、そういったものを上履きとして使っていました。女の子達はふわふわの赤いブーツ型のものであったり、スリッパ状のしゃれた室内履きであったりしてとてもかわいらしかったです。男の子ははだしの子もいたりして、皆、自由にしていました。

●算数●

1時間目は算数です。各自ワークブックを持っており、先生の説明を聞いたり、そのワークブックに書き込んだり、色を塗ったりしていきます。一緒にいた友人が解説してくれたのですが、デンマークでは算数の授業であっても、ひたすら算数をやるのではないそうです。デンマーク社会では「話をすること」が重要とされており、相互理解のために、あるいは自己表現としても、話すことが求められるようです。それが学校教育の中でも優先されており、例えばもう少し上の学年だと、英語の試験なども口答試験であったりします。そこで算数の授業の中でも、森の絵が描いてあり、まるで詩の説明でもするかのように、先生がその絵の説明をします。算数の授業とはいえ、デンマーク語の授業の要素も盛り込んでいるのです。
肝心の算数のほうですが、ワークブックの中でちょうど足し算をやっていました。日本ではおはじきなどで計算をしますが、デンマークはもっと効率的です。(ワークブックの中でできれば、わざわざおはじきを購入したりする必要がありませんものね。)
          

サイコロの数字の分だけ、マス目に色を塗っていきます。わからなくならないように、ちゃんと色分けをします。
算数の授業に欠かせないのが色鉛筆というくらい、このワークブックは本当によく色を塗るようになっていました。こうしてゆっくりと色を塗っていくことで、数字に親しみ、数字の感覚を身につけていくのかもしれません。

続く。