アドルフの画集

戦争で右腕を失った裕福なユダヤ人マックスは画商を営んでいた。かれはある日、自作の絵を抱えた神経質そうな軍人アドルフと言う青年に出会い、彼の絵にほれて描き続けることを進める。そのころドイツは反ユダヤ主義が台頭し、不穏な空気が強まっていた。アドルフは絵を描いて食べて生きたいと言う希望を持ちながら、なかなか上手くいかない。その頃公衆の面前でのスピーチを頼まれ、最初はまったく上手くいかなかったが、彼の人生に対する不満が爆発するような形で見事なスピーチを行い、一気に彼の信望者は増え、彼はドイツ軍のリーダーとしての道を進むことになる・・

ここまで言えばアドルフ、誰のことかわかりますよね？実際彼は画家志望であったそうです。アドルフ役のノア・テイラーが、悶え苦しみ悩む一方、それを熱いスピーチで爆発させるカリスマ性の高いアドルフを見事に演じています。画商には最近公開作が多いジョン・キューザックが扮しています。
画家を目指す純朴そうな田舎の若者がどうやって変貌していくか・・どうやって道を外れていくか・・思いもかけない悲劇も含め、人生の皮肉（すれ違い、または運命の分かれ道）が見事に描かれています。

クジラの島の少女

昨年、史上最年少の13歳でアカデミー主演女優賞にノミネートされた、ケイシャ・キャッスル・ヒューズ主演作品。

マオリ族の族長の家系に生まれた少女だが、女であるがゆえに期待されずに育つ。しかし彼女は父や祖父の姿を見ながら、自分も何かしたいと思うようになり・・

現代に生きる神話の世界です。ニュージーランドの自然と、クジラ伝説（原題は「Ｗhale Rider(クジラに乗る人）」）と、主人公のけなげないじらしい演技（撮影当時は11歳！）に、素直に感動しましょう。