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オーシャン・オブ・ファイアー

2004-05-04 11:18:00 | 映画
「ロード・オブ・ザ・リング」ですっかり主役級にのし上がったビゴ・モーテンセン(アラゴルン役)主演の最新作。現在公開中。共演に名作「アラビアのロレンス」のオマー・シャリフ。

19世紀末。あらゆるレースで勝ち続けるフランクと愛馬ヒダルゴ。しかしある日彼らが届けた郵便がきっかけで原住民の虐殺が行われてしまい、彼はやがて酒に溺れるようになる。
そんな彼の元へ、アラブの馬が世界最高だと言うアラブの族長が現れ、彼はその挑戦を受けるべく、砂漠の国へと旅立つ。
世界最高の馬を決定するレース、それは「オーシャン・オブ・ファイアー(火の海)」と呼ばれる、大砂漠を越える3000マイル(約4800km)にも及ぶ過酷なレースだった・・

原題は「Hidalgo(ヒダルゴ)」でフランクの愛馬の名前。この馬は純血種ではない、混血の野生馬(英語でマスタング)。だから、この馬が強い、と言うことに、アラブの最高の血を受け継ぐ純血種の馬を持つ族長は我慢出来ない。馬に魅せられた人達は、血統にこだわります。実は主人公は、原住民とアメリカ人との混血でした。その混血同士が頑張って行く、と言うのがメインテーマでしょう。
お決まりの悪役(族長の娘と結婚する予定の王子、粗暴な族長の甥、自分の馬が優勝するためには手段を選ばない貴族の夫人←クラシカルな衣装と、砂漠での優雅な生活ぶりがすごい!)も登場し、レースの邪魔をしてくれるけど、実は族長(オマー・シャリフ・・う~ん、すっかり人の良さそうなおじいちゃんに^^;)が西部劇のファンで、主人公をだんだん贔屓していくおかげで、あまりに深刻にもならず。
広大な砂漠の風景に圧倒されます。すごくきれいで、たっぷりと見せてくれます。青すぎる空の対比とか、アラブの衣装や刀を使ったアクションが、砂漠を舞台にしてすごく映えます。
でも何と言っても、主人公は馬のヒダルゴ。実際撮影には似た馬が何頭か使われたらしいのですが、馬の顔のクローズアップが多く、もうその表情(あるんです!)のかわいいこと!しっかり演技してるんですよ~。フランクがレースの前に、「お前の馬は混血だから、ここの牝馬には手を出すな」としっかり釘をさされるのですが、その後フランクが族長の娘や、貴族夫人と会話してるときは、ヒダルゴの顔がアップになり、フランクに、「女には手を出すなと言われただろうが」とまるで言ってるよう。本当にすごいんです。
ちなみにフランクの呼び名は、「Blue child(青い子供)」または「Far rider(遥かなる馬乗り)」。シリアスな設定のキャラなんですが、結構ひょうきんなところがあり、またこういうさすらいのカウボーイと言う役は、彼にぴったりです。
ゴール後に目の前に飛びこんでくる真っ青な海、と言うのが、また最高です。