以前テレビでアメリカの移民問題が扱われていた。
アメリカの国民は、移民がいるから自分達の仕事が奪われると不満を募らせていた。
一方移民の方では、自分達は人が嫌がる仕事をして税金も納めているのだから市民権が欲しいと切望していた。
ジャン・ジャック・ルソーは愛国心が仲間意識を強めると、サンデル氏がこの本の中で書いている。
国は自国民に対し、他国民より多くのものを与える。
アメリカでは国民に公教育や、失業手当、職業訓練、社会保障を提供するが、外国人には提供されないと書かれてある。
しかし日本は外国人にも社会保障をしている。
テレビ放送で北海道に在住している中国人が生活保護を貰い、市営住宅に住んでいることを知った。
生活保護法的には問題がないそうだけれど、現在の日本の状況を踏まえると自国民を優先的に扱って欲しいという気持ちがある。
これはルソーが言うところの愛国心という感情だろうか。
それとも彼らが税金を日本国に納めていない、帰化していない中国人のせいだろうか。
この本の中に挙げられている事例では二つの選択肢しかありえず、それに対する考え方は多種多様に存在している。
こういう本を読むと自分はどの分類に属しているのだろうと考えてしまう。
すると功利主義的でもあり、自由主義的でもあり平等主義的でもあることに気付く。
そして問題が道徳的価値観という、一見抽象的で掴みどころがない問題の為にとても考えさせられてついには収拾がつかなくなってしまった。
人生には正しい答えがないように。