孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

県民期待の、新教育長!

2015年06月13日 | 日記
我が県の教育長が、県知事のパワーハラスメントに悩んで、辞表を出してから、当事者の県知事は、もっと立派な、富士山よりも気位の高い方を教育長にする・・・というようなことを言っていたが、そのお方のインタビュー記事が朝刊のローカルページにでかでかと出ていた。

そういう立派なお方は一体どのようなお考えの持ち主なのかと思って、早速読んでみて、予想通り失望させられた。

自分を教育長に抜擢してくれた県知事に、恩義を感ずるのは分かるが、何だか記事から受ける印象は、新鮮味がまったくなく、ただの県知事に与えるりんごの磨き役でしかないと感じた。

今の県知事は、よく記者会見で気色ばんで、けんか腰になっていたが、ああいう上司の下では、有能な職員もその手腕を発揮しにくいだろうと思わずにはいられない。ただでさえ、休まず、遅れず、働かず、の公務員が、言われたことしかやらないようになっていくパターンである。

実際、ユネスコの世界文化遺産登録で盛り上がり、県知事はその当時、ヒョットコ踊りでも踊りだしそうなくらい、欣喜雀躍していたのだが、熱が冷めるとまったく山梨県側との調整が出来ていないことが露呈し、ほとんど主導権を山梨側に取られている有様である。

さて、新教育長のインタビュー記事だが、記者が、「知事は県内高校生全員にパスポートを渡す構想を明らかにしているが・・」と水を向けると、新教育長様は、「高校生くらいで一度外国に行くことは、非常にインパクトがある。高校で一度行くと、大学や社会人になっても行くことが出来る。国際化の一歩になる。」

このように、のたまうた。何でもかんでも外国に行けば良いってもんでもなかろうに、この手の人達は、外国に相当コンプレックスを抱いているらしい。国際化、国際化と言っていれば、先を見据えた視野の広い人物だと見られるとでも、勘違いをしているようだ。

そんなことを心配しなくても、中部地区の製造業の海外移転はどんどん進んで、今では「隣の班の山田さんちのお父さんが、来月からタイの工場に赴任するんだって・・」とか、「親戚の鈴木さんのお父さん、最後のご奉公だといって、インドネシアの話、引き受けたそうよ。」などという会話が、まったく普通に耳に入ってくるご時世なのを、知らないようだ。

教育長、更に続けて、「一度海外に行って終りではなく、普段が大事。」と力説していた。「県内の大学にも留学生がたくさんいる。各国の料理を披露しあったりして、国際交流大会を開き、県内にいても国際交流できる取り組みを県全体に広げる・・・云々」と、実に斬新なアイデアを披露していた。

国際化、国際交流。国際人、などという空虚な言葉が独り歩きして、そのためには英語を。早くから語学力を。こういう風な安直な論理立てで事が決められていくとしたら、藤原正彦氏の言葉を借りずとも、国を滅ぼす、手っ取り早いことを実践していると言えるのではないか。

教育は、限られた時間を何に振り分けるかが、ポイントである。猫も杓子も国際化だ、英語だとバカ騒ぎするのは、真のバカだけである。

県知事推薦の、富士山よりも、高貴なお方だと期待したが、何だか一昔前に活躍されたロートルを舞台に引っ張り出してきたようだ。







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