名古屋の白ウサギ・1964年生・

別名、ウサギ仙人・・職業・会社員

姓名判断 9

2012-08-05 | 姓名判断
遠藤君との音信は約一年位途絶えた

彼の事が相当気になっていた

こちらから一度 連絡をしようとは思っていたが

仕事が忙しすぎてなかなかその機会がなかった

そんなある日、私は珍しく予定のない暇な日が出来た

普段かなりの睡眠不足の私としては

その日 一日中 寝ようとおもっていた

でもよく考えると

寝ている事は 生きている事にならない

時間がもったいない

時間を捨てることは生命を捨てることになる

そう思えてきた

よし、遠藤君に合ってみるか・・・・

早速 遠藤君に電話を入れた

「 明日、夜もし暇なら 街で食事でもしないか?」

ええ、特に用事はないです、行ってもいいですよ

「ならば、 明日の夜6時に 名古屋の明治屋の前で待ち合わせしょう」

はい、わかりました


受話器から聞こえる彼の声は限りなく暗かった、


電話で、3~5分程度喋っただけでも彼の現状が伝わってきた


当日、私は待ち合わせ時間の1時間半 位前に現地に到着するように家を出た

待ち合わせの時間まで明治屋の横にある 丸善書店で本を見ようと思って

早めに現地に向かった


丸善書店の近くまで来て、ふと何気なく明治屋の前を見ると

なんと、遠藤君が立っている

あれ? 時間を間違えたか?

と思い、時計を見る

間違いではない・・・

まだ、1時間30分も前である

遠くから彼の様子をしばらく観察した

彼はうつむいたまま下をジッと見つめている

ピクリとも動かない

時々、まえを足早に通り過ぎる歩行者足元を、目で追っている。

うつむいたままの姿勢で首を少し動かす

暗いどんよりとした重苦しいオーラが漂っている

その姿を 少し離れた場所から見ているだけで

彼の 現在の状況や心境が手に取るように伝わって来る

私が一年前 予測した姿 そのものだった


たぶん彼は私と合う事 以外は今日の予定が何もないのだろう・・・

暇だからといってやりたい事も何もないのだろう・・・

街をぶらつこうという気にもならないのだろう・・・

何の好奇心も意欲も沸いてこないのだろう・・・


私は迷った

約束の時間よりかなり前だがここで私が彼の前に現れて

「あれ? 早かったねー 暇だったので早く着いてしまったけど 丁度よかった」

と言うべきか

でも、彼は1時間半 そこで待つつもりで立っているはず

その事は私には知られたくないだろう・・・


そんな事をしたら彼の顔を潰す事になるような気もする


やはり、約束どおりの時間に現れるべきだ


それから約 1時間15分 私は時間を潰した

うつむいたままジッと立っている彼の姿を想像すると

私にとって この1時間15分は かなり長い1時間15分だった

同時に拷問のような苦痛を感じた


待ち合わせ時間の15分前再び明治屋の近くまで来ると

やはり遠藤君はうつむいたままジッと下をみて立っている

彼に近づき、元気な声で、

「おお!久しぶりだねー」

と声をかける


彼も弱弱しい声で答えた

「お久しぶりです」

「悪い悪い、待たせちゃったカナ?」

彼は答える

「いいえ、僕もいま来たところです」


「そうか、それなら良かった・・早速、何か美味い物でも食べにいくか!

何が食べたい? 中華か、イタリアン、和食の店ならいい店知ってるけど・・・」


「僕、べつに 何でもいいです」


「ならば、中華かイタリアンのどちらかにしよう、どちらにする?」


「僕はどちらでも良いです」


ならば中華にするか?

「お任せします」

・・・・・・・・・・・

中華料理屋に入った

「食べたいもの何でも注文してくれ、今日はおごるよ」


     「僕、なんでもいいです」


「なら、まずはビールと餃子と唐揚でも頼むか?」


   「ええ、何でもいいです」


ビールで乾杯して餃子を食べた、彼は終始無表情


「やはり、生ビールは旨いねー!!!」


と私が言うと


暗い声で「 え え・・」 と言うだけ


「ラーメンでも頼むか? それとも天津飯にするか?」


「僕どちらでも良いです」

・・・・・・・・・・

彼は完全に無気力状態になってる

喜怒哀楽も、感情の起伏も、欲望も、不満も、何もないように感じる

・・・・・・・・・


彼に限らず、何が食べたい? と聞かれたとき、「べつに何でもイイです」

と答える人は運気がない人が多い

例えば、忙しく働いている時の昼飯の場合「 べつに何でもイイです 」

と言うのは自然な気がする。

でも、

さあ、今日はゆっくり美味しい物でも食べるか!

という場面で、「べつに何でもイイです」と言う人は運気も 勢いも無い人が多い

活力のある人、ツイているひと、運のいい人 は

男女を問わず  自分の欲求を持っている

「豚カツが食べたい!」 「和食がいい!」 といった感じで答える

勢いのある人は 

もし本当に迷っているなら

「豚カツもいいけど、和食も最近食べていない・・どちらも捨てがたいな・・・」

と率直な感想を述べる

・・・・・・・・・・


私はこういう場合 「何でもイイです」とは絶対に答えないよう心掛けている。

それが強運の秘訣であると思う。

話がそれました・・・・・

遠藤君・・・

終始 無表情、無関心、無気力、

こういう場合「どうした? 元気出せよ!」

とは絶対に 言わないことにしている

「頑張れ」とか「元気ないねー」とか「元気出せよー」は絶対禁句だと思っている

それを言われると普通 ほとんどの人が 更に落ち込む

この言葉を使いすぎると その人を自殺に追い込む事すらある

これは昔読んだ心理学の本から学んだ

これは今も守っている

食事が終わり

「 若者の集まる楽しい店が 近くにあるんだけど 飲みに行くか?」 

と訊ねた

「どちらでもいいです」

遅くなると困るなら 喫茶店でコーヒーでも飲んで別れれてもいいけど」


「どちらでもいいです、おまかせします」

・・・・・・・・

困りはてた、もう私には手も足も出ない、

疲れてきた・・

彼の近くにいるだけで気分が暗くなってくる。

早く家に帰りたい気分になってきた

彼は以前とは 別人のようになっていた

でも、乗りかかった船だ、ここでサヨナラとは気が引けた

場所を変えて 遠藤君の話を聞いてやろうと思った・・・

                ・・・・つづく・・・・



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