坂の上のピアノ教室

おうちの方にレッスン室の様子、日頃思っている事をお知らせするためのblogです。

レッスンとたべもの

2012-10-24 | 日々
わたしの家は、ご存知の方はご存知のように、特別に素敵なレッスンスタジオでもない、
築何十年という日本家屋。

それに、継ぎ足し継ぎ足し改築して、レッスン室があります。

相当ぼろぼろになったピアノの部屋だけど、
いちおう独立したピアノだけの部屋なので、
自分練習も、生徒レッスンも、家族の姿を見ない(見せない)で過ごせる
一種、私の逃げ場、だったりもします。

だけど、広くもない昔造りの家
何回も書いてますけど、

たいていお昼ご飯を食べながら、
早いときは、朝ご飯の洗い物をしながら、夜ご飯を途中まで作ってしまう、と言う生活。

生徒がレッスンに来る頃には、すっかり「カレー屋さん」や「おでん屋さん」の
匂いがおうちにこもっています。

以前、すごく鼻の利く女の子がいて、毎週レッスンのたびに
「せんせいんち、今日、大根煮たでしょ」「今日は、あずきの匂いがする」とか、
言いながら階段を上がってきてました。

お天気の良い日は、出来るだけ風を通して、匂いも飛ばして、
レッスンに入ろうと思うのだけど、なかなか。。。出来てないですね。
ごめんなさいね、生徒たち。


ここからは、雑談。


レッスンと食べ物の事を書き出すと、必ず思い出されるのは、大学時代から、30年近くお世話になった
ピアノの恩師。


生涯独身で、家事などほとんどなさらなかったと思う。
うんと昔は、お母様や、晩年一緒に住んでいた(やはり独り身の)お姉さまが家事全般を引き受けてらした。

学生の頃、ホームレッスンに伺うと、たいてい終わるのは夕方、とか夜。

レッスンが終わると、

「お腹空いたでしょ。食べていきなさい」と

お姉さま手作りのポークソテーなどが大きな洋皿に盛られて出てきて、
それをごちそうになってから家に帰りました。



レッスンにクッキーや紅茶、は出てくる時は、あるでしょうけど、
私たちの場合、自分の家では目にしないような「極厚のポークソテー」でしたよ。、

私が子育てや病気をして、自分が弾くことから、ちょっと離れていた数年間の
間に、ポークソテーは、  すごく厚い食パン、輪切りゆで卵と、きゅうりと、
元町のユニオンから配達してもらってるこれもすごく厚いロースハムの
サンドイッチ変わっていました。

滅多に生徒の前に姿をあらわさないお姉さまが、わたしたちのレッスンの終わるのを待って、
影から、こっそり先生に、生徒用にサンドイッチを手渡してくださっていました。


次の人のレッスンを聴きながら、その場でいただくこともあれば、
持ち帰った家でいただくこともあった。



お二人とも、最後はどんどん弱くなっていき、生徒が来ても、
サンドイッチを作れない様な時もありました。

ただ、お姉さまにとっては、妹のお弟子さんに「自分が作ったサンドイッチを持たせて、帰す」
ことが、喜びであり、一種のステイタスであったのでしょう。

体調が悪いときなど、ゆでて殻を剥いていない卵と、ハムのパックとイギリス食パン2枚を
持たせていただいたこともあった。
ハムのパックに書いてある100グラムあたりのお値段にもびっくりしたものです。

だから、わたしにとっては、そのころのレッスンは、 ゆで卵と、ハムの匂いで、
思い出されます。


(だからといって、今のうちのピアノの部屋が「大根や、うどんの出汁臭くても良い」
ってわけには、なりませんけどね。




























この記事についてブログを書く
« 今年もあと2カ月ちょっと | トップ | ピアニストのように弾ける? »