日日是好日

退職後の日々を写真で記録

五合庵

2016-01-31 10:26:42 | 良寛
平成28年1月30日(土) 曇り

冬の五合庵を見たくなった。良寛の冬の生活の大変さを少しでも知りたいと思ったので車に長靴をのせて出かけた。
一時間10分ほどで国上山の麓に着いたが、ここからが大変だった。それまで道路には雪がなかったが山道になったとたんに雪道になった。それでも誰かが通った轍を進んだが登るに従い雪の量が増え苦労した。何とか国上寺の駐車場に着くことができた。それでも駐車場には二台の車が止まっていた。
長靴に履き替え山道を進むとまもなく国上寺に着くことができた。



ちょうどご住職が居られた。ご住職は「四駆でこられましたか」というので「四駆ではない」と答えると驚いておられた。確かにこの雪の山道では四駆でないと無理なのであろう。五合庵への道を聞くと「今一人行ったので足跡をついて行くと良い」と教えてくれた。ここからがまた大変であった。雪がかなり積った坂道を降りてゆくのだが長靴でも歩くのに苦労した。それでも10分ほど歩くと少し開けたところに杉木立に囲まれて五合庵はあった。





良寛はここで20年ほど生活をした。ここで良寛は坐禅をくみ、詩歌を詠み、ここから毎日のように托鉢に出かけたのであろう。道も今ほど整備されていなかっただろうし、雪もいま以上に積ったにちがいない。寒さと孤独に耐えながらの生活の大変さは容易に想像される。良寛の和歌には春の喜びを歌ったものが多いが、それも良く理解できる。

国上寺を後にして、道の駅国上で食事をした。



その後もう一箇所の良寛を訪ねた。近くの燕市分水良寛史料館に立ち寄った。



史料館前には良寛像と歌碑があった。







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良寛の冬

2016-01-24 16:47:26 | 良寛
平成28年1月24日(日)雪

今日は朝から雪の一日であった。風がないのでただ静かに降り続いて夕方には40cmほど積もった。



このシーズン、初めての大雪だ。外に出る気もしなく、良寛の和歌を読んで過ごした。

このように雪が降ると、つい良寛は五合庵で冬はどうしていたのだろうと考えてしまう。
良寛の冬の歌を見てみるとその大変さが分かる。

山かげの草の庵(いおり)はいとさむし柴をたきつつ夜を明かしてむ

今よりはふる里人の音(ね)もあらじ嶺にも峰(お)にも積るしらゆき

わが宿は越(こし)のしら山冬ごもり往き来の人のあとかたもなし

山かげの真木の板屋に音はせねど雪のふる夜は寒くこそあれ


良寛の時代には今より多くの雪が積ったにちがいない。
隙間だらけの五合庵で寒さに耐えながら坐禅をしていたのだろうか。
そのぶん、春の訪れはなんとも言われない喜びを感じただろう。

霞立つ永き春日(はるひ)を子供らと手毬つきつつこの日暮らしつ

梅が枝に花ふみ散らす鶯の鳴く声聞けば春かたまけぬ

佐渡島の山はかすみの眉ひきて夕日まばゆき春の海原





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良寛を訪ねて

2016-01-16 20:21:32 | 良寛
平成28年1月16日(土) 雪

今日は朝から小雪が舞っていたが、良寛を訪ねて出かけることにした。
先ずは「道の駅良寛の里わしま」に向かった。この道の駅はかなり広い敷地に食事ができる「もてなし家」「和らぎ家」のほかに二つの美術館がある。
国道116号沿いの道の駅に入ると「もてなし家」がある。ここは古民家を移築して地場産の野菜等を売っており、食事もできる。



良寛むすびとだんご汁を注文して昼食とした。家内は煮込みうどんを。



おむすびになぜ良寛の名前が付いているのか分からないが、しゃけ、おかか、梅干が入った少し大きめのおにぎりである。

雪のせいなのか土曜だというのに人影が少ない。
次に少し離れた所にある「良寛の里美術館」へ行ってみた。玄関の横には良寛さんが正座して迎えてくれる。





展示室の前には良寛と貞心尼との像が置かれていた。



来館者が我々だけだったからか、館長さんと思われる方が一緒に見て回り展示品を説明して下さった。
次に隣にある「菊盛記念美術館」へ。



ここには新潟県出身の菊盛嘉雄氏が蒐集した彫刻と絵画のコレクションを展示してあり、なんとロダンや高村光太郎の作品も含まれている。
しかし、やはり来館者は我々だけ。それぞれの施設が近くに集中していればもう少し来館者が増えるのだろうが。

更に出雲崎まで足をのばすことにした。
先ずは「良寛堂」へ。



次に以前行ったことがある「良寛記念館」へ。



ここで「良寛の名歌百選」を購入した。

記念館を出て、裏山の「良寛と夕日の丘公園」へ。



雪降るなかで良寛と子どもたちが戯れていた。

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良寛の修行時代

2016-01-15 10:23:33 | 良寛
良く知られている五合庵時代の良寛はとても魅力的であるが、修行僧としては良寛の修行時代を知りたくなり昨日、新津の英進堂に本を探しに行ってきた。
英進堂は他の書店では置いていない本でも手に入ることがあるので、時おり立ち寄る。
探すと直ぐに良寛書籍のコーナーを見つけることができた。そこには多くの良寛関連の書籍が並んでいた。これだけの良寛の書籍を置いている書店は新潟の考古堂を除けばそれほどないだろう。
4冊の良寛書籍を購入した。
『良寛 上下』(立松和平著)、『風の良寛』(中野孝次著)、『若き良寛の肖像』(小島正芳著)の4冊。





早速『若き良寛の肖像』から読み始めた。この本を選んだのは良寛の資料写真が豊富で修行時代についても書かれていたためである。
発行日を見ると先月発行されたばかりであった。著者紹介を見ると小島氏はなんと新津生まれで高校の校長先生だった方であった。平成24年3月に定年退職されたとのことで私と同じであった。
読むと知りたかった良寛の修行時代の流れについて十分に記載されており満足した。
良寛は国仙和尚の印可を受けていることから見性を体験しているのであろう。厳しい修行と見性体験が五合庵時代の良寛を生み出したに違いない。


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良寛

2016-01-13 13:19:51 | 良寛
良寛に関する本を二冊購入した。



『良寛』(吉野秀雄)は良寛の短歌、旋頭歌、長歌の解説書である。
著者の吉野秀雄は会津八一に師事した歌人である。
良寛は自分の短歌集を発行したことはないので、それらを集めるのには大変な労力を必要としたのではないだろうか。
内容を見てみると良寛の短歌は万葉調で会津八一のそれとは違い生活感がにじみ出ているように思う。
良寛は万葉集を愛読していたそうであるので万葉調の短歌を詠むのは理解できる。

良寛は江戸時代後期の曹洞宗の僧侶である。新潟県の出雲崎に生まれ、寺を持たず、子供たちと無邪気に遊ぶ姿が思い浮かぶ。
しかし曹洞宗の僧侶であることから当然厳しい修行の時代もあったに違いない。
さらに良寛は曹洞宗開祖の道元の教えを守り清貧に徹した僧侶の一人である。
正法眼蔵随聞記に「学道の人は尤も貧なるべし。(略)仏法者は衣鉢の外は財をもつべからず。(略)」とある。
衣鉢とは袈裟と応量器のことで、応量器とは食事に使う器のことである。この器は托鉢にも使用する。
良寛は当にこのとおりの生活を送っていた。

もう一冊は『良寛を歩く』であるが、この本は新潟県内の良寛と関係する所とその近くの見所を紹介している。
この本を参考にして良寛を訪ね歩いてみよう。
ある意味、良寛は僧侶のお手本である。
もう少し良寛を勉強してみようと思う。
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