秘密法案「直ちに廃案を」 ノーベル賞学者ら決起 中日新聞20131129トップ記事、見出しである。リードには、高まる懸念を置き去りに、衆院で採決が強行された特定秘密保護法案の成立を阻むため、学者らが分野を超えて決起した、と書き出す。囲み記事には、見出しに、益川さん警鐘 無制限、恐ろしい と見える。かつて日本がなぜに戦争の道を歩んだのだろうかとかねて疑問に思うわたしに、この声明はいま、現代のその一歩を歩みだしたものに思えてならない。いずれまた、政治をすすめる側に議論を作るきっかけを与えてしまった物言いが行われているからだ。この記事の解説に、強い危機感 分野超える と見出しにして、その中に、一九五八年、岸信介首相の改憲路線に異を唱え、学者団体の憲法問題研究会が発足した、十八年間、毎月勉強会を開き、国民に大きな影響力を与えた原動力は、教え子を戦場に送ってしまった学者らの痛恨の思いだった、と書く。 . . . 本文を読む
語彙史研究には索引が有効なツールとなる。索引と言えば、いまやコンピュター利用で瞬時に用例検索ができる。それは入力されたものという資料に限定されるが、その資料はコンピュータの能力によって無限になる。索引にはインデックス、コンコーダンス、コーパスといった用語で示されるものが一般となって用途にも広がりを見せている。語の検索には用語索引、総索引、自立語索引などの語で示されたころの思いから比すれば時代の変化、情報の革新には驚きを隠せない。
用語索引を例にして、万葉集索引を挙げると、万葉集総索引が編まれたころに、その労苦は想像を超える。その後に文学作品の用例を検索するのに個別に索引が編まれるようになるのは、上代から近世までの古典文学が刊行された1950年代以降のこととして、刊行された索引集をとらえることができる。それは岩波古典文学大系で、第1期、第1巻~第66巻は1957年から1962年にかけ、第2期、第67巻 - 第100巻は1967年までに、次々と作品を定本とすべく、底本を議論して編集された。これはさらに新日本古典文学大系となって、さきの万葉集ほかに索引が添えられる。そして文学作品で特筆すべきは、その間には源氏物語の総索引があり、索引の嚆矢を為す。 . . . 本文を読む
現代日本語「誤」百科 900 大金を荒稼ぎ を例題にしている。コラムの解説は、大金 荒稼ぎ このふたつの語に表現上の同語反復があると言っているようだが、おかしい解説の典型例が、この同語反復という説明である。土地の転売で荒稼ぎをする 金の相場で荒稼ぎをする と言えば、これで表現が完結する、と言っているようなのだが、稼ぎの意味合いが異なってくる様子が表現上見えるので、これだけでは何を言おうとするか、文脈を求めることになる。稼ぐ 稼ぎ の意味内容もとらえる必要があるだろう。 . . . 本文を読む