現代日本語「誤」百科 888 ホームベーカリーがリニューアルした を、例題にしている。コラムの解説は、ホームベーカリーをリニューアルした という主述関係を取り上げている。パン屋が改装した パン屋を改装した このふたつの言い方があって、どちらがよいかというような説明だ。改装 を普通名詞にすると、その語の意味内容に動詞性が含まれて、店主がパン屋を改装 となるべきだとする、というようなことが言いたいのだろう。パン屋が改装 というのはおかしいというわけだが、その理由はよくわからない。その説明は、改装 という名詞ではそうなること、を表すという解説になるので、パン屋が改装 ではおかしくて、~を改装 とすれば、もとの意味を表すという議論だ。それはそれでよいようなものの、漢語サ変動詞となっている 改装する という言い方に疑問を挟むようなことだ。パン屋が改装した パン屋を改装した いずれも使いうる日本語の、漢語にふくまれる動詞と を格の関係を、このコラムでは問題視し続けていて、リニューアル そのものにも、((リニューアル)する) というような、動詞性を与えようとする新解釈だ。
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狂言 清水 栄セントラルパーク内パークスクエア 18時から。地下街の広場に人だかりして、勤め人の帰り道、足をとめる人が狂言に見入った。解説があって、小道具を使うので、面と桶が紹介された。桶は見立てて柿の木にもなると、工夫がある。用いる面は、武悪、ぶあく、といい、曲によっては閻魔さまもある。狂言4日目の曲は、清水である。たのうだお方、その主人には佐藤友彦さんが演じる。それで、水をくんでまいれと桶を渡され、茶会で使う水を野中の清水へ汲みに行くことになるが、家来の太郎冠者を佐藤融さんが演じる、水汲みを面倒に思い、七つ、午後4時をすぎると、あのあたりは鬼が出ると言い、桶を放り出して帰る。主人は怪しみ、桶を勿体ないから取りに行こうとすると・・・いつもの演技の見事さ、息の合った所作だった。 . . . 本文を読む
大和言葉は、平仮名語とは言わない。デジタル大辞泉に、片仮名について項目を立てて、《多く「カタカナ語」と書く》片仮名で表記される語、主に外来語を指すが、和製英語についてもいうと見える。しかし平仮名語はない。その大和言葉とはなにか。やまとことのは といったのは、雅語である。和歌のいいでもある。外国語を意識すると、大和言葉であるが、和語と同じとする。わぎょ ともいうが、語の呉音である。大和言葉について、その出自を探ると、和語となり、それは漢語、外来語に対して位置付けられる。大和、言の葉であるとするなら、その大和がどこであるかとなる。倭は和であり、大和は大きな倭であり、それは、大和であるが、また日本である。日本は、やまと と読まれた。 . . . 本文を読む
学問は自ら心に会得することが大切である。しかるに、世の中の人々はいたずらに目で文字で書いた書物だけを読むから、文字に拘束されて、紙背にある物事の道理を明らかにすることができない。心眼を開いて、字で書かれていない書物、すなわち実社会の色々な事柄を心読して修養に資するようにしなければいけない。そのようにすれば、深く自分の心に会得する所があるだろう。 言志後録 138 329頁
心眼を開くとはどうすることか、物事の真の姿をはっきり見分ける心の働き、というから、鋭い心の働きはわかるにしても、心の目であると言うのは、どういう目か。しんげん とも読み、これは仏教語とある。 . . . 本文を読む
文章中の語によるもの
桐壷、関谷、野分、梅が枝、藤の裏葉、匂宮、紅梅、手習
和歌の語によるもの
帚木、空蝉、若紫、葵、花散る里、澪標、薄雲、玉蔓、常夏、行幸、真木柱、横笛、夕霧、幻、御法、橋姫、椎本、宿木、浮船
文章と和歌両方にある語によるもの
夕顔、末摘花、賢木、須磨、明石、蓬生、松風、朝顔、少女、初音、胡蝶、蛍、篝火、藤袴、若菜、柏木、鈴虫、竹河、総角、早蕨、東屋、蜻蛉
巻名をまとまった形で載せるのは十二世紀頃のことになる。
このころまでに定着していたと考えられる。
わかむらさきのように、歌に使われた言葉を
てにつみていつしかも見むむらさきの
根にかよひけるのべの若草
組み合わせた場合もあり、その巻の物語の歌や詞をえらんでいる。
それに対して、もみじのが、と、はなのえん、とはそのつけ方のいずれでもない。
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