現代日本語百科   けふも  お元気ですか

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平常心  むなし十四

2013-09-14 | むなしき―
平常心是道は、へいじょうしん と読めば、ふだんの平穏な心となるだろう。それを仏教用語として、びょうじょうしん ビャウジャウと訓じて、日常ふつうの心、ふだんの気持、あたりまえの生き方を言う。無門関‐一九「南泉、因趙州問。如何是道。泉云。平常心是道」と見える。いわばこの語にすくわれることになるのは、しばらくしてからであるが、入院中もずっとこれを唱えていた。生と死の境であればこの語は役立たない。そのままに生きているか、あるいは死ぬからである。この境地を体得することは日常そのままである。死に隣り合うよりは生にあって病労苦を感じるときである。肺がいくつか部屋がありその18分の3を切除すると言われて、肺活量を測って人並みに余裕がある機能であるからその分には日常活動に影響しないと言われて、言われるがままになった。結果として機能回復は進んでその処置はその事実を受け容れることになる。そのように告げられたときは、インフォームドコンセントのありようで、右3分の1であると思い至ったときはどうなるかと思っていた。そのときは、それはまだ平常心の何たるものではない。 . . . 本文を読む

ホスピタリティ

2013-09-14 | 日本語どうなるの?
おもてなしは、ホスピタリティのことである、と気づいた。辞書によると、異人歓待というのがある。放浪する宗教者や遠来の客人を、神の化身とみなして歓待する風習と説明する。おもてなしは、まさかこの意味ではないが、ホスピタリティにある内容は、サービスとは異なるというわけだ。サービスの語源は、ラテン語 Servus 奴隷 で、英語の Slane 奴隷 Servant 召使い という言葉となった。そこにあるのは主人へのサービスである。ホスピタリティの語源は、ラテン語 Hospics 客人等の保護 で、英語の Hospital 病院 Hospice ホスピス という言葉になった。それをもって、日本語に当てはめて、思いやりのあるもてなしだとか、心のこもったおもてなしとか言うようだ。ホスピタリティ hospitality が、心のこもったもてなし、手厚いもてなし、となる辞書義だが、歓待、また、歓待の精神とは何だろうかと、あらためて考えてしまった。 . . . 本文を読む

飲水病  古典に見る病名史10

2013-09-14 | 病名のことば
藤原道長966―1027は糖尿病であった。糖尿病は飲水病と呼ばれていた。また、口渇病とも言った。消渇しょうかち である。江戸時代後期に西洋医学が入るまでは、尿に糖が混じることは知られていなかったようだ。その特徴は、多飲、大食と、そして腫物、目が見えなくなり、こん睡状態に陥る。藤原道長の一族はその系図を見ると糖尿病になった人が何人も登場すると、病が語る日本史は述べる。家系は道長の父、兼家の兄、伊尹これただ は、49歳で亡くなった。贅沢好きで、飲水病に悩まされていた。兼家は62歳で亡くなっている。摂政になってわずか4年で、ひどく苦しんだと言う。道隆は兼家のあと摂政関白になったが、43歳で酒の飲みすぎによる病気で亡くなった。関白を引き継いだ道兼は34歳で亡くなり、これは長徳元年、935年の疫病の大流行でたくさんの死者が出て、そのためであった。次いで関白は伊周と道長とが対立していた。伊周は、やはり飲水病で苦しんだ。 . . . 本文を読む

想像  私説 源氏語り14

2013-09-14 | 源氏語り
近代になって与謝野訳が書かれて、現代語訳といわれるが、いささか古いようでもある。 しかし物語の構成を考えるとき、その先駆的役割を果たした。 物語りを3部構成に見たり、2部構成に捉えたりするする。 次いで、読みやすくしたのは、谷崎訳である。 ふたたびみたび、新訳、新新訳と重ねて、難しい文章がこなれた。 そして現代はいくつもの現代語訳が出ている。 村山訳は古典的、円地訳、田辺訳は今風でよいかもしれない、橋本訳は男訳視点の源氏を標榜する。 今泉訳、玉上役は口語を通している、あたらしく訳が試みられている。 さらにコミックにも源氏物語を描いている 活字から視覚化されたストーリーには印象が随分とちがってしまう。 そもそも絵巻が描かれたりして、文学の想像は豊かに展開してきているので、ビジュアル化はすばらしい伝統だ。 平安貴族の宮廷だけがクローズアップされてしまうので、せっかくの枠に入りきらない空間をもっと味わうことができたらいい。 絵馬小物はそれだけで自然を現わした絵詞がつく筆致である。 . . . 本文を読む

あいさつ

2013-09-14 | 日本語百科
あいさつ は、挨拶と書いた。日常生活でコミュニケーションに必要な挨拶となったのは近代以後であろう。禅宗での一挨一拶を語源とする。修行者が互いの状況を知るための、いわば押し問答のようなものであったらしい。挨字は、強く推す、推しのけるように撲(う)つ。拶字は、排拶という語があり、迫る意に用いる、手でおす動作をいう、と字通にある。挨拶は禅家の用いる語、衆をおしのけて前に進み出ることをいう語であった、と続けている。挨拶を俳諧用語として解説するものがあり、挨拶そのものが客からの言葉としてあったようだ。 . . . 本文を読む

日本語音声と音韻9

2013-09-14 | 現代日本語百科
日本語の5母音について舌の位置、口の開き、唇の形から記述する。舌は口の中で、前、中、後ろと、相対的にとらえて区別する。前を、前舌母音、い え あ であり、後ろの後舌母音は、う お である。中舌母音は、う の母音が後舌母音から前よりになって発音される場合がある。母音はこのように舌の動きで発音するので、日本語が厳密に5母音であるかどうかは実際の下の動きによるところがある。口の開きは、狭口、広口、また半狭、半広とあり、い う は、狭口母音、あ は、広口母音、え お は、半狭口母音である。唇の形は、円唇、非円唇に分け、お は、軽く唇を丸めるが、あ い う え は、非円唇母音である。この母音を模式図にすると、日本語の母音三角形で表される。狭い口、前舌を、い母音 とし、そこから右に引けば、上辺の右端に、後ろ舌を う母音 として、左右の点になり、その上辺に対して下に三角形の頂点、広口母音 あ を描く。辺を、い母音と、あ母音の2点にとり、辺上の中ありに、前舌母音 え を、位置させる。同様に、辺を、う母音と、あ母音の2点にとり、辺上の中あたりに、後舌母音、お が位置すると、母音三角形ができる。 . . . 本文を読む