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あいさつ

2013-09-14 | 日本語百科
あいさつ は、挨拶と書いた。日常生活でコミュニケーションに必要な挨拶となったのは近代以後であろう。禅宗での一挨一拶を語源とする。修行者が互いの状況を知るための、いわば押し問答のようなものであったらしい。挨字は、強く推す、推しのけるように撲(う)つ。拶字は、排拶という語があり、迫る意に用いる、手でおす動作をいう、と字通にある。挨拶は禅家の用いる語、衆をおしのけて前に進み出ることをいう語であった、と続けている。挨拶を俳諧用語として解説するものがあり、挨拶そのものが客からの言葉としてあったようだ。


デジタル大辞泉の解説
あい‐さつ 【挨拶】

[名](スル)《「挨」は押す、「拶」は迫る意で、本来、禅家で門下の僧に押し問答して、その悟りの深浅を試すこと》
1 人に会ったときや別れるときなどに取り交わす礼にかなった動作や言葉。「―を交わす」「時候の―」
2 会合の席や集会で、改まって祝意や謝意などを述べること。また、その言葉。「来賓が―する」
3 相手に対して敬意や謝意などを表すこと。また、その動作や言葉。「転勤の―」「なんの―もない」
4 (「御挨拶」の形で)相手の非礼な言葉や態度を皮肉っていう語。「これは御―だね」
5 やくざや不良仲間で、仕返しをいう語。
6 争い事の中に立って仲裁すること。また、その人。「―は時の氏神」
7 応答のしかた。口のきき方。「馴れたる―にて」〈浮・一代男・二〉
8 人と人との間柄。仲。「中川殿とこな様との―が」〈浄・五枚羽子板〉


大辞林 第三版の解説
あいさつ【挨拶】( 名 ) スル

①人と人とが出会ったときや,別れるときに交わす儀礼的な動作や言葉。また,その言葉を述べること。相手に敬意・親愛の意を示す行為で,対人関係を円満にし,社会生活を円滑にする。 「初対面の人と-する」 「時候の-」 「 -を返す」
②公の席や舞台などで,大勢の人に向かって祝いやお礼などの気持ちを述べる言葉。 「披露宴で-する」 「就任の-」
③受け答え。応対。返答。 「手紙をやったのに何の-もない」 「あのようにけんもほろろでは-のしようもない」
④儀礼的な通知。 「 -状」
⑤(「御挨拶」の形で)あきれた言いざま。 「これはとんだご-だ」 → ごあいさつ
⑥「仕返し」をいう不良仲間の隠語。 「あとで-に行くからな」

①禅宗で,門下の僧と問答をして悟りの程度を知ること。
②二人の仲。交際。関係。 「二郎兵衛殿とおきさ殿-見ればうら山しうて堪らぬ/浄瑠璃・今宮心中 中」
③仲介。仲裁。調停。また,その人。 「さう見受ましたから-に這入りました/歌舞伎・お染久松色読販」 〔「挨」も「拶」も押すことで,押し合う意から。もと禅宗用語で,二① が原義〕

世界大百科事典内の挨拶の言及
【発句】より
…そもそもの起源が唱和問答にあったから,時節,場所がらなどの状況を巧みにとらえて相手に問いかけるのが発句本来の性格である。したがって,〈当季眼前〉の景物をよみこんで挨拶することが,長連歌においてもならいとなった。当然ながら一座の主賓格の人を立てることが多く,〈客発句とて昔は必ず客より挨拶第一に発句をなす〉といわれ,常連のみの集いでも発句をよむ者にはその気持が大切とされた。


世界大百科事典 第2版の解説
あいさつ【挨拶】
人と人とが出会うとき,言葉や身ぶりのなんらかの儀礼的交換があるのがふつうである。いまデュルケームの宗教社会学の概念を借りて(《宗教生活の原初形態》1912),それらを〈消極的儀礼negative rite〉と〈積極的儀礼positive rite〉に分けることができるであろう。相手にみだりに近づく意図がないことを伝える接触回避のしぐさが前者である。古来中国では,目上の人の前は小走りに通るのが礼とされた。
あいさつ【挨拶】
俳諧用語。2句の唱和・問答を起源とする連句では,主客が発句(第1句),亭主が脇(第2句)を担当し,挨拶をかわす心でよむ。時と所と状況をふまえて当座の儀にかなうことが挨拶の心だから,発句はまず眼前当季の景物をめで,脇もそらさず同季で応じる。常連のみの一座でも,発句・脇の担当者は同様の心でよむ。その上で,状況に応じて称賛・卑下などの寓意を託することもある。俳句に季語をよみこむのは,その名ごりであるが,近代の独詠は脇を予想しない。


研究社 新和英中辞典
研究社研究社

あいさつ 挨拶
1〈会釈〉 a greeting; 【形式ばった表現】 (a) salutation
初対面の挨拶
a greeting one gives when meeting someone for the first time
挨拶する
greet somebody
【形式ばった表現】 salute somebody

手を振って挨拶する
greet somebody with a wave of the hand
wave to [at] somebody in greeting
朝晩の挨拶をする
pass [bid somebody] the time of day
挨拶を返す
〈自分が〉 return somebody's greeting
挨拶を交わす
exchange greetings [courtesies] 《with》
〈お辞儀する〉 exchange bows 《with》
用例
彼は挨拶もせずに帰ってしまった. He left without even [so much as] saying good‐bye.
2〈ご機嫌伺い〉 respects
挨拶に行く
call on somebody to pay one's respects
用例
社長にご挨拶にお伺いいたしました. I've come to pay my respects to the president.
3〈会合などでの言葉〉
用例
一言ご挨拶申し上げます. Ladies and gentlemen, let me say a few words on this occasion.
4〈詫び〉 an apology 《for》
 〈返事〉 a reply; an answer
挨拶する
〈詫びる〉 apologize to somebody 《for something》
〈返事する〉 reply; answer
用例
同席するなら一言挨拶があって然るべきだと思った. I thought he should have asked my permission to share the table with me.
5〈失礼な言動〉
用例
おや, これはまたご挨拶だね. Well, you put it rather strong.|What a thing (for you) to say!
挨拶代わり
挨拶代わりに
by way of a greeting《★このような発想は元来英語にはない》.
用例
ご挨拶代わりです, お納め下さい. Here's a small gift―I hope you'll accept it.
挨拶状
a letter of greeting; a greeting(s) card
〈暑中見舞いなどの〉 a card with the season's greetings
引っ越しの挨拶状
a change of address card
a notice of one's new address.



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