タイトルを「この一年」としてしまったが、大晦日を間近に控え、今年を回顧した句ではない。
今でもなお、細々と続いているわが句会が、平成3年に発行した、合同句集に載っている小生の18句である。15年前、つまり15歳若かったときの作である。
初硯平成忽ち時の経つ
キャンパスに春ちらほらと集ひ寄る
春爛漫村長イバラキ弁で法螺を吹く
万緑へこの解放感小用足す
秘め事といふには雅し行々子
ピン札で児の総く来て金魚掬う
憎しみの極まる汗を素手に拭く
人間の襤褸を見たり敗戦忌
寒村の麦秋農婦背負い来る
無事着けば茶漬けで済ます今朝の秋
外は霧来し方すべて貧なりき
体臭のシャツ広々と干し冬用意
工事終へ焚火の匂ひ土を這ふ
回顧談老議長邸に夜長あり
敗色にまた一人減る冬の星
まづしさやべんせいしゅくしゅくふゆのつき
十二月八日の森閑二重橋
起きて先づこの一年の注連を張る
今でもなお、細々と続いているわが句会が、平成3年に発行した、合同句集に載っている小生の18句である。15年前、つまり15歳若かったときの作である。
初硯平成忽ち時の経つ
キャンパスに春ちらほらと集ひ寄る
春爛漫村長イバラキ弁で法螺を吹く
万緑へこの解放感小用足す
秘め事といふには雅し行々子
ピン札で児の総く来て金魚掬う
憎しみの極まる汗を素手に拭く
人間の襤褸を見たり敗戦忌
寒村の麦秋農婦背負い来る
無事着けば茶漬けで済ます今朝の秋
外は霧来し方すべて貧なりき
体臭のシャツ広々と干し冬用意
工事終へ焚火の匂ひ土を這ふ
回顧談老議長邸に夜長あり
敗色にまた一人減る冬の星
まづしさやべんせいしゅくしゅくふゆのつき
十二月八日の森閑二重橋
起きて先づこの一年の注連を張る